「新卒で仕事を始めたばかりだけど、もう辛くて辞めたい」と悩んでいませんか。
そして両親や社会人の先輩などに話すと「それは甘えだ」といったような答えが返ってきて、余計に悩んでいる人もいることでしょう。
2019年にトヨタの豊田章男社長が「終身雇用を維持することが難しい」と発言して以来、どの会社も終身雇用は難しいというイメージが強くなりました。
そのため新卒で会社に入社しても、転職を前提として働く人は少なくありません。
しかしキャリアアップのために会社を辞めることと、社会人としての「甘え」によって会社を辞めたいと考えることとは違います。
今回の記事では「新卒入社後すぐ会社を辞めることについて・甘えにより辞めたい判断基準や解決策」などをお伝えします。
もくじ
【約3人に1人】新卒が入社後3年以内に仕事を辞めている事実
「就活を頑張って入社した会社なのに、すぐに辞めたいと思うのは甘えだろうか?」実はこのような悩みを持つ新卒入社の人は多く、この記事を読んでいるあなただけではありません。大丈夫です。
まずは入社後すぐに仕事を辞める新卒が全体でどのくらいの割合なのかを知ってみませんか。(こちらで使用する「すぐ」とは1〜3年以内を示します)
参考文献:厚生労働省の統計(令和2年雇用動向調査)
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なんと約32.8%!入社後3年以内の新卒離職率
一定期間にどのくらいの人がその仕事を辞めたのかを表す言葉を「離職率」と言います。
以下の計算式は離職率を求める方法です。
離職率の計算方法
● 離職率 = 離職者数 ÷ 1月1日現在の常用労働者数 × 100(%)
令和2年度、入社後3年以内に仕事を辞めた新卒の割合は全体の約32.8%でした。
つまり新卒の約3人に1人が、何らかの理由で入社早々に会社を辞めていることになります。近年はコロナ禍の影響による会社都合の退職も増え、更に増加している可能性もあります。
日本全体の労働者の平均離職率は約14.2%で、比較すると新卒の離職率はその倍以上です。
またこの10年間で、入社後すぐに「転職サイト・エージェント」に登録する新卒が約26倍に増えています。
特に「サービス業」の新卒離職率は高水準
業界によって平均の離職率は異なります。
産業別離職率のデータによると、サービス業の離職率が新卒を含め最も高いことがわかります。
下記は離職率の高いサービス業の上位3つです。
- 宿泊業・飲食サービス業(26.9%)
- サービス業(19.3%)
- 生活関連サービス業・娯楽業(18.4%)
サービス業では離職率が入職率を上回り、常に人材不足の状態です。新卒が入社後3年以内に辞める割合は30〜40%にも上ります。
以下3つの問題点が主な原因です。
- 異業種と比較すると給与がかなり低い
- 拘束時間が長い
- 深夜・土日祝日の出勤を強いられる
サービス業の種類は多く、デメリットを知らずに入社する新卒も多いのです。
新卒入社後すぐに仕事を辞めた場合は【効率的な転職活動ができる転職サイト・エージェントがおすすめ】
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①職場いじめ・ハラスメント問題
第1位は職場いじめやハラスメントなどの「人間関係」です。
人間関係が原因となった退職は、新卒だけでなく全退職者のトップの理由となっています。
「職場いじめ・ハラスメント」が社会問題になり約10年、政府も対策を始めましたが減少傾向はなかなか見られません。
世界的にも日本は「職場いじめ・ハラスメント大国」と言われています。ある「世界の職場いじめ・ハラスメントの調査」の結果では、日本はオーストラリア、ニュージーランドに続いて第3位です。(全体の約26%)
そのような問題が減少しない原因はいじめやハラスメントをする人物が有能な場合、ほとんどの組織が問題から目を逸らすためです。日本人特有の「村社会」といった性質も関係しています。
またコロナ禍のストレスで、職場いじめやハラスメントは増加傾向にあるでしょう。
リモートワークに切り替えても、ソーシャルツールの「グループ外しいじめ」が起きています。
もし被害者となれば訴訟を起こす以外、泣き寝入りするしかありません。
②長時間労働・休日に関する不満
前述したように長時間労働や休日出勤に対する不満が理由で仕事を辞めるのは、特にサービス業に多い現象です。
残業は当然という社風の会社もあります。中には予め「少額の見込み残業代」を給与に含め、超過した残業代を支払わない会社もあります。
接客業ではお客様の対応が続き、規則で決められた休憩時間が取れない場合も多いのです。
また残業が100時間を超えた上に休日出勤もあり、体力的な理由で退職した人もいます。
稀なケースでは慶弔休暇が認められないという退職理由もありました。
③仕事が自分に合わないと気付いた
入社前に仕事内容の説明を受けていたが、実際に働いてみると自分に合わずに辞めたという理由もありました。
例えば営業職の新人期間によくある、飛び込み営業が辛く辞めた人もいます。
また営業ノルマを達成できない、お客様からのクレームが耐えられないなどの理由で「営業職は向いてない」と思って退職することもあります。
しかし「自分に合わない」と思っても業務を続けていくと考えが変わることもありますよね。
④求人内容と実際の仕事が異なっていた
この退職理由は会社側に問題があるケースです。「この求人内容が魅力的だから応募しよう!」と入社した人を裏切っています。
例えば事務員の求人だから応募したのに、入社したら営業職だった、「給与・休日・勤務地・福利厚生・キャリアパス」などが全く違ったという理由で退職した人もいます。
⑤給与に対する不満
給与に対する不満も退職理由になります。
実際に働いてみると事前説明で聞いていない激務であり、給与がそれに見合わないという理由で退職したという人が多いようです。
また他の会社で働く同年代の給与を知り、自分の給与の低さに劣等感を感じて転職したケースもあります。
将来のことを考えると「給与が上がるのだろうか・低賃金では満足な生活ができない」と不安になりますよね。
⑥他の仕事がしたくなった
入社後に他の仕事がしたくなったり、就活で希望した会社に入れず再度挑戦したくなったという理由もありました。
中には妥協して入社した会社で勤務し始めてすぐ、第1希望だった会社から「不採用を取りやめて採用したい」という連絡があり退職した人もいます。おそらくその会社の内定を断る人が多く、繰り上げとなったのでしょう。
また入社後すぐに自分のやりたい仕事ができたという理由もありました。この退職理由は就活中の自己分析が不充分だったと言えます。
⑦給与の未払い・繰り越し
経営不振による給与の未払いや、遅れて給与が支払らわれる状況は会社の違法行為です。
会社の業績不振のため給与未払いが3ヶ月以上続く、上司に説明を求めても曖昧な答えしか返ってこないという理由で退職した人もいます。
また残業代の未払い、出張費を支払わないというコンプライアンス違反が退職の理由になったケースもあります。
⑧希望した勤務地が入社後全く違った
事前に希望勤務地を聞かれ承認されたはずなのに、実際の勤務地が全く異なっていたという理由で退職した人もいます。
例えば「地元で働きたい」という希望を出したのに全国転勤を伴ったり、海外赴任を命じられて退職した人もいます。
特異な例では、島にある支店に配属され毎日船で通うことが嫌で退職したという理由もありました。
希望と違う勤務地となれば通勤が不便であったり、地元や実家で暮らしながら働けると思って入社した人にとっては退職理由になります。
⑨入社後の怪我・健康状態の悪化
健康状態の悪化は持病がない限り予想することは困難です。
例えば交通事故での重い怪我、働くのが難しい病気にかかった理由で退職した人もいます。
工場や工事現場など、怪我のリスクが高い業務もその可能性は大です。肉体労働に身体がついていけなかったという理由もありました。
また体調不良の原因だった「社員の喫煙」を改善して欲しいと会社に相談しても、改善されずに退職した人もいます。
⑩入社した会社で働いても成長できないと感じた
キャリアアップしようと意識高く入社したのに、新人社員の教育制度が整っていなかったという退職理由もありました。
また昔の会社の風潮によくあった「先輩社員の仕事を見て仕事を覚えろ」という社風で、ずっと放置された人も退職しています。
後述しますがこの理由に関しては新人期間に判断するのは難しいこともあるのです。
それは甘え!新卒が仕事を辞めたいと思う甘えの例・その解決策
新卒で入社後「すぐに会社を辞めたい」と思うのは個人の自由です。
しかしその理由が「甘え」であれば、転職してもまたすぐに会社を辞めたくなるでしょう。退職と転職を繰り返す度に、次の就職は難しくなります。
会社を辞めたい理由が以下のような「甘え」ではないか冷静に考えてみませんか。
①職場の人間関係が面倒だから
職場いじめやハラスメントを除いて、「職場の人間関係が面倒だから辞めたい」のは社会人として甘えです。
入社後は異なる年代や役職のある人など、多くの人々に接します。
また職場は上下関係を考慮しながら、様々な性格の社員と協力して業務を行う場所です。
一方で学生時代は自分の気の合う仲間だけと過ごし、アルバイトも同年代と楽しく働ける環境であることが多かったでしょう。(但し厳しいアルバイトは除きます)
しかし社会人の人間関係は、どの会社も学生時代と同じではありません。嫌いな上司や先輩社員、同僚と良い関係を築く必要があります。
「それが面倒で会社を辞めたい」という考えは甘えです。解決策を考えてみましょう。
解決策一例
- 自ら積極的にコミュニケーションをとる
- 日頃から職場の人間観察をして理解を深める
- 自分の常識=相手の常識と考えない
- 自分本位にならず相手の立場を考える など
②上司や先輩社員に注意されるのが辛いから
会社では社会人の仕事は責任が重いことを、新入社員の期間に理解させる必要があります。
誰しもミスはありますが、新人期間は特に強くミスを注意されることが多々あります。(理不尽な指摘・罵倒されることを除きます)
強く注意をされたら辛くなり、同時に怒りも湧いてくるでしょう。しかしそのような理由で仕事を辞めるのは甘えです。
上司や先輩社員も好んで強く注意をしているのではなく、新入社員を成長させるため心を鬼にしています。
また将来を期待されているからこそ強く注意をされるのです。期待できない新人であれば注意をする時間がもったいないと考えるでしょう。
解決策一例
- 任された仕事は3回以上見直しをする
- 上司・先輩社員・同僚への「報連相」を徹底する(報告・連絡・相談は状況を見計らい早めにに行う)
- 自分の成長のために「注意をして下さってありがとう」という感謝の気持ちを持つ など
③仕事が楽しくない・飽きたから
「仕事が楽しくない、飽きたから」とすぐに会社を辞めようとするのは甘えであるだけでなく、非常にもったいないと言えます。
それは最初から仕事の楽しさがわかる仕事は滅多に存在しないからです。給与が発生していてもまだ1人で仕事ができないため、雑務を任されることは当たり前です。
仕事が1人前にできるようになれば、やりがいと責任のある業務を任せられるようになります。(約1年程はかかります)
すると自分から「もっとこうすれば○○が良くなるのではないか?」と提案ができたり、「その仕事では誰にも負けない・会社やその業界で1番になってやろう!」と目標ができるかもしれません。
また業務に役立つ資格を取得すると、更に仕事の幅や可能性が広がりやりがいや楽しさが見えてきます。
時間は有限ですが、焦らずに仕事を辞めるのはそれからでも遅くはないでしょう。
どのような仕事でも突き詰めていくと、ある時今の自分には想像できないような高みに立っていたりするのです。
解決策一例
- 仕事が難しい=わからないことは都度聞く・自己判断で行わない
- 周りの会話について行けない=聞き上手になる(相槌など)・知ったかぶりをせずに教えてもらう・余計なプライドは捨てる
- 思っていた業務内容と違う=新人期間だけかもしれないと考える
- できることが少ない=最初からできる人はいないと考える・人の10倍努力する など
④仕事で責任が発生するのが嫌だから
「自分の仕事に責任が発生するのが嫌だから」という理由で会社を辞めたいのは甘えでもありますが、同時に人として未熟である証拠でもあります。
責任は仕事だけではなく、日々の生活や人付き合いなどにも生じるものです。それらの延長線が社会人としての責任と言えます。
仕事のミスで責任を取らなければ、他人にその責任を押し付けることになり、何事も他責にする迷惑な社員となってしまいます。
もし自分が経営者であれば、仮に仕事に失敗した時の責任は取らない社員に給与をあげようと思うでしょうか?
しかし必要以上に責任が重すぎたり、「絶対に失敗してはいけない」と必要以上にプレッシャーを感じることが耐えがたいという人は話が別です。
信頼できる先輩社員や専門家に相談する必要があります。
解決策一例
- 仕事+責任を取る=給与と考える
- 必要以上のプレッシャーに対しては、信頼できる先輩社員・専門家に相談する
- 上司に事情を話し、より責任のある役職に就かないようにしてもらう など
⑤通勤が辛いから(満員電車・バスなど)
住んでいる地域にもよりますが、通勤の満員電車やバスが辛く、会社に着く頃には既に疲れているのであれば工夫が必要です。
解決策を考える前に会社を辞めようとするのは甘えとも言えますし、転職するまでのことではないでしょう。
職場の近くに引っ越すことが1番の解決法ですが、条件に合う物件がない場合は通勤時間を1時間早くずらすのが有効です。また違うルートがないかもう一度確認してみます。
自宅から会社までの距離にもよりますが、自転車通勤は運動にもなり一石二鳥です。
どうしても無理であれば退職することになりますが、フレックス制やフルリモートワークを取り入れた会社に転職するのも1つの方法です。
どうしても満員電車やバス通勤が必要な人は、音漏れのないよう気をつけて気分の上がる音楽を聴いて気分を紛らわせてみて下さい。
解決策一例
- 通勤時間を1時間早める
- 違うルートがないか再確認する
- 職場の近くへ引っ越す
- 自転車通勤をしてみる
- 気分の上がる音楽を聴く
- フレックス制・リモートワークの会社に転職する など
⑥朝起きるのが辛いから
朝起きるのが辛いから会社を辞めよう、というのは甘えです。朝スッキリと起きれる人もいますが、大半の人々は目覚ましが鳴ると起きるのが辛いものです。
どうしても辛い人は求人を確認する段階で、出社時間を確認しましょう。例えばフレックスタイム制の会社であれば、自分で始業・終業時間を決めることができます。
既に始業時間が早い会社に勤めていて「辞めたい」と思っている人は、生活習慣を見直してみましょう。
解決策一例
- 1時間早く寝る
- 寝る30分前からスマートフォンは見ない
- 21時以降の飲食は控える
- 軽い運動習慣をつける(寝る直前は控える)
- 寝起きや日中に太陽の光を浴びる
- フレックス制度の会社に入社する など
【まとめ】人生は自分のもの!甘えで会社を辞めても良いが、将来設計は考えておこう!
新卒の離職率が高いことや退職の理由、甘えにより会社を辞めたい事例や解決策などについてご理解頂けましたでしょうか。
退職理由には前述したように「今すぐ会社を辞めるべきケース・転職を思い留まっても良いケース」があるため、紙に書き出すなどして考えを整理するのも良い判断方法ですね。
たとえ「甘え」と客観的に思われる理由で会社を辞めたとしても、人生の選択は自分の自由で他人が決めるものではありません。
※世帯のある人などは別の話になります。
その時は将来設計も同時に考えて、後々困らないよう留意しましょう。
投稿者プロフィール
- AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。
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