「中小ITはやめとけ。エンジニアは生き残るのが難しいし、将来性がないらしいよ」
大手IT企業に応募しても不合格ばかり。だから中小IT企業に入ろうとしているのに、「やめとけ」と他人から言われたら、がっかりした気持ちになりますよね。
しかし中小IT企業への応募を諦めるのは、少し待ってこの記事を読んでみて下さい。
今回は「中小ITはやめとけ」と言われる理由や信憑性、また企業選びのポイントなどを詳しく解説します。
せっかく就職・転職するのであれば、どの業界であっても安定して長く働けるホワイト企業に入りたいのは皆共通です。他人の言葉や噂に流されず、正しい情報収集をして納得できる就活をしましょう!
「中小ITはやめとけ」と言われる5つの理由
なぜ中小IT企業は他人から「中小ITはやめとけ」と言われるのでしょうか。IT業界を知っている人だけでなく、よく知らない人までそのように言うケースが多いようです。まずはその理由について解説します。
- ブラック企業のイメージが強い
- 福利厚生が不十分な中小IT企業の数が多い
- スキルアップ制度が整っていない
- 大手IT企業との年収格差
- 離職率が高い
①ブラック企業のイメージが強い
最も大きな理由は、中小IT企業=ブラック企業というイメージが強いからだと考えられます。
「ブラック企業」という言葉が社会に周知され始めた頃、特に中小IT企業には多くのブラック企業が存在していたのです。低賃金、長時間労働、休日なし、そして過労死…。そのため現在も中小IT企業=ブラック企業というイメージが払拭しきれない人が多いようです。
実際は労働環境改善が進み、ブラック企業の数は少なくなってきました。「中小IT企業でもホワイト企業」という会社も増加しています。しかし大手IT企業と比較するとまだ労働環境の整備が不十分。ブラック企業と見なされてしまうこともあります。
また2023年、現在においても「中小IT企業の多重下請け構造」はまだ変わっていません。どうしても激務になりやすい環境であることから「中小ITはやめとけ」と言われるのでしょう。
②福利厚生が不十分な中小IT企業が多い
次に挙げられる理由は、福利厚生が不十分である中小IT企業が多いという点です。あくまでも大手IT企業の福利厚生と比較した場合ですが、中小IT企業のほうが劣ってしまうケースは多々あります。
国が義務付けている健康保険・厚生年金保険といった法定福利厚生は、中小IT企業にも備わっています。しかし、法定外福利厚生(企業が独自に設ける福利厚生:住宅手当や交通費支給など)は、資金を捻出できる大手IT企業のほうが優っているのです。
そのような面を比較して、中小IT企業はブラック企業と認識されることもあります。
③スキルアップ制度が整っていない
中小IT企業では、スキルアップ制度・研修が整っていない場合が多いのも理由です。エンジニアにとって、スキルアップできない環境は、今後のキャリアに致命的な悪影響を及ぼします。
スキルを得られないまま年を重ねると、年収はほぼ上がりません。そして「これはヤバい」と転職を決意した頃に、年齢的に転職先が見つからないことも…。
多くの大手IT企業には、資格手当・資格取得補助などの福利厚生が備わっています。また定期的な勉強会や研修があり、エンジニアがキャリアアップできる環境が整っています。
このような面でも中小IT企業は見劣りするのです。
④大手IT企業との年収格差
中小IT企業の年収が理由となることもあります。実は大手と中小IT企業を比較すると、約120万円以上の年収差があるのです。
多くの大手IT企業では、勤続年数に比例して大きく年収がアップしていきます。一方で中小IT企業の年収アップ率はおだやか、上り幅も少ない傾向です。
人材の定着率の高い大手IT企業と、流動性が高い中小IT企業を単純に比べても差があるのは当然と言えます。しかし両者には、大きな年収格差があるのは事実です。
⑤離職率が高い
中小IT企業は、大手と比較すると人材の流動性が高くなります。しかし「労働環境が悪い」という理由での退職だけでなく、キャリアアップのために転職していく人も少なくありません。
また離職者の多い環境で仕事をすると、引き継ぎが多い=業務が増えるというストレスがかかります。そう言った理由で退職していく人も中にはいます。
そのため離職率が高さが目立ち、外部からは「仕事が続けにくい職場」と見なされがちになります。
「中小ITはやめとけ」は正しい情報?鵜呑みにするのはもったいない!
「中小ITはやめとけ」と言われる理由をご理解頂けたでしょうか。決してネガティブな理由ばかりではありません。
他人の言葉通りに情報を受け取ってしまうと、IT業界自体への転職が困難になりますよね。すぐ鵜呑みにせずに、一度立ち止まって考えてみましょう。
- 日本企業の約99.7%は中小規模!
- 中小IT企業ではなく「ブラック中小IT企業」を避けるべき
- SNSの口コミサイトは参考程度に捉える
日本企業の約99.7%は中小規模!
日本には約421万社の企業が存在します。このうち大企業と呼ばれる会社はわずか0.3%。つまり日本企業の99.7%は中小規模ということです。
これはIT業界に限らず、他の業界でも同じことが言えます。そのため、中小企業を応募の選択肢から外せば、転職難易度が一気にアップしてしまいます。
多くのエンジニアが大手IT企業への就職・転職を希望しますが、中小IT企業を完全に除外して就活をするのは難しいことなのです。
中小IT企業ではなく「ブラック中小IT企業」を避けるべき
正しくは「中小ITはやめとけ」ではなく、「ブラック中小IT企業はやめとけ」なのです。
「やめとけ」と言われ続ける理由を見てわかるように、これらは全ての中小IT企業に当てはまるわけではありません。しかしながらブラック中小IT企業が存在するのは事実。
ブラック中小IT企業であるかどうかを見抜くには、正しい情報収集が必要です。
SNSの口コミサイトは参考程度に捉える
「ブラック企業を見分けるのは難しくないだろう。SNSの口コミを見ればだいたい見抜ける」と考えている人は要注意です。
SNSに企業の口コミを書いているのは、元社員の人たちだけとは限りません。不満があって辞めた人がネガティブな口コミを書くのは当然ですが、単なる誹謗中傷を書き込んでいる無関係者もいるでしょう。
匿名で誰でも口コミができるSNSは、自然と否定的な言葉が並びやすい傾向にあります。確実に参考となる内容と言えば、「年収」くらいと心得ておくことをおすすめします。
ポイント
SNSの口コミサイトだけでなく、企業の採用ページも、ブラック企業かどうかを見分ける上でアテになるとは言えません。採用ページには何とでも良いことが書けます。
また口コミサイトは大企業の口コミが多く、中小企業の口コミは少なすぎて参考にならないケースが多いのです。
ホワイトな優良中小IT企業へ転職する方法を解説
「それじゃあどうすれば、自分のスキルアップに役立つホワイトな優良中小IT企業へ転職できるのか」と思っている人が大半でしょう。
- 方法①優良な中小IT企業を見極めるポイントを知る
- 方法②【これは確実】転職エージェントを利用する
投稿者プロフィール
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澄香
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AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。