「休みの多い仕事」と聞いて、どのような仕事が思い浮かびますか?休日は心身をリフレッシュさせる大切な時間です。
今回は休みの多い仕事であるかの判断方法や、「休みの多い仕事TOP10」などをご紹介します。
これから応募する会社を選ぶ人、または現職が忙し過ぎて転職したい人は必見です!
もくじ
休みの多い仕事の基準=年間休日数「120日以上」
休みの多い仕事(会社)であるかを判断するには、「年間休日数」を知ることが最も大切です。
まず意外と知らない「年間休日数」ついて詳しく解説します。
ポイント
- 年間休日数とは?
- 労働基準法で定められた休日(法定休日)もある
- 年間休日数の最低ラインは105日
- 年間休日数に含まれる休日・含まれない休日
年間休日数とは?
年間休日数とは、会社が定める1年間の合計休日数のことです。年間休日数が120日以上の会社は「休みの多い仕事」であると判断できます。
厚生労働省が発表した「令和3年就労条件総合調査」では、年間休日総数の平均は1企業あたり110.5日・労働者1人あたり116.1日とされています。
年間休日数は会社で決められるので、各会社により異なります。そして年間休日数が120日以上の会社は「完全週休2日制・祝日休み」と定めている場合がほとんどです。
従って、平均年間休日数より休日が約1週間多い計算になります。
要チェック!
【年間休日数が約130日の会社もあり!】
年間休日数には長期休暇が含まれます。(夏季・冬季休暇など)
完全週休2日制(祝日休み)+長期休暇も付与される場合、約130日近くの年間休日数があります。
法定休日+法定外休日=年間休日数
法定休日と、法定外休日を合わせたものが「年間休日数」です。
労働基準法では定められていませんが、日曜日を法定外休日に設定する会社が多いと言われています。
【労働基準法で定められた法定休日】
- 法定休日:毎週少なくとも1日・4週を通して4回
- 労働時間:上限は週40時間
※法定休日以外の休日を「法定外休日」と言います。「法定休日」と区別して「所定休日」と呼ぶ会社もありますが、一般的には法定外休日と同義です。
会社は労働者に対し、この年間休日数と労働時間は最低限守る義務があります。
例えば「1日8時間労働・週5日勤務・完全週休2日制」の場合、土曜日が法定休日、日曜日が法定外休日に分類されます。
重要!
【完全週休2日制と週休2日制は違う!】
完全週休2日制とは、必ず週に2日間の休日があるという意味です。
しかし土日休みとは限らず、平日に2日間休みの場合、連続した休みではない場合もあります。
一方週休2日制とは、1ヶ月のどこかで週2日間休めるという意味で、毎週2日間休めるわけではありません。(週2日間の休日が月1回の会社もあります)
休みが多い仕事を選びたい場合は「完全週休2日制」がおすすめです。
年間休日数の最低ラインは105日
労働基準法により義務づけられた年間休日数の最低ラインは105日です。
まず年間休日数の最低日数の算出方法をご紹介します。
- 1年365日÷週7日×40時間=2085.7時間(年間労働時間の上限)
1年間は約52週(365÷7=52)で、この数字に1週間の労働時間の上限40時間を掛けると、会社が従業員を1年間で労働させる上限時間が2085.7時間ということがわかります。
- 2085.7時間÷8時間=260日(年間最大労働日数)
そして1年間の労働上限時間を、1日の労働上限時間の8時間(労働基準法条項)で割ると、1年の最大労働日数が260日とわかります。
- 365日−260日=105日
そして1年365日から1年の最大労働日数260日を引くと、最低ラインの年間休日数が105日とわかります。
従って求人情報の年間休日欄に「105日」と記載されている場合は、休みが少ない仕事です。
更に年間休日数が少なくなるパターン
最低ラインの年間休日数105日は、1日の労働時間を8時間として計算しています。
例えば会社が定める所定労働時間が7時間であれば、年間休日数の最低ラインは67日になります。
- 2085.7÷7時間=298日
- 365日−298日=67日
このように所定労働時間が短い場合、年間休日数が少なくなるのです。
「年間休日数が67日」と聞くと少ないと感じますが、4週4日の法定休日と週40時間の労働時間上限をクリアしているため法律上は問題ありません。
年間休日数に含まれる休日・含まれない休日
会社には休日と休暇があり、それぞれ意味が異なります。
また年間休日数に含まれる休日と、含まれない休日をご紹介します。
知っておこう!
【休日と休暇の違い】
- 休日:労働者の労働義務がない日(休む権利あり)
- 休暇:労働者が労働義務のある日に、会社が労働義務を免除する日
更に休暇には「法定休暇・特別休暇」があります。
法定休暇:年次有給休暇・産前休業と産後休業・生理休暇・育児休業・子どもの看護休暇・介護休暇・介護休業
特別休暇:慶弔休暇・夏季休暇・冬季休暇・リフレッシュ休暇・転勤時休暇および異動休暇・誕生日休暇・アニバーサリー休暇・ボランティア休暇・病気休暇・教育訓練休暇・裁判員休暇
夏季休暇・年末年始休暇(冬季休暇)
会社が就業規則で休日(公休日)と定めていれば夏季休暇、年末年始休暇(冬季休暇)も年間休日数に含まれます。
国民の祝日、ゴールデンウィーク、シルバーウィーク、会社創立記念日なども同様に「特別休暇」です。
特別休暇は、会社が従業員に福利厚生として与える休暇のことです。 労働基準法では定められておらず、会社は従業員に対して自由に付与できます。
年次有給休暇
年次有給休暇は労働基準法で定められた「法定休暇」です。しかし会社が定める公休日ではありません。
同じ会社で働いていても人によって付与される日数や取得できる時期が異なります。
従って年間取得日数に個人差があることから、年間休日数に含まれません。
慶弔休暇・リフレッシュ休暇・誕生日休暇など
会社が独自に導入している「法定外休暇」は労働基準法に定められていません。
これらの休暇取得にも個人差があるので、年間休日数には含まれません。
年間休日数が120日以上のメリット
年間休日数が120日以上あると、一般的にどのようなメリットがあるでしょうか。また気をつけなければならないデメリットについてもご紹介します。
ポイント
- プライベートの予定が立てやすい
- 心身の疲れが溜まりにくい
プライベートの予定が立てやすい
年間休日数が120日以上あると、プライベートの予定が立てやすいというメリットがあります。
趣味に時間を費やしたい人や、周囲の人たちと休日を合わせたい人にはぴったりです。
特に子供がいる場合は、学校も土日祝日が休日になるので一緒に過ごすことができます。運動会など学校の行事も土日に行われる場合が多いため、参加することが可能です。
またゴールデンウィークや夏休み、冬休みも合わせることができるので、旅行などの予定も立てやすいメリットがあります。
心身の疲れが溜まりにくい
年間休日数が120日以上あると、精神的にも肉体的にも疲れが溜まりにくいメリットがあります。
年間休日数が120日以上あれば、好きなことをする時間が増えるだけでなく、心身のケアにも役立つでしょう。
休日は仕事で溜め込んだ疲労を回復し、ストレスを解消する重要な時間です。休日の日数次第で疲労の溜まり方に差が出てきます。
休日が少なく残業が多い会社は思ってる以上に多いため、休みの多い仕事に就きたい人は応募前の情報収集が非常に大切です。
仕事と休日でバランスが取れると嬉しいですよね。
【例外】休日120日以上という文言だけに飛びつくのは危険
「年間休日数が120日だ!」とそれだけの情報で求人に飛び付くのは危険です。デメリットがないかも確認してみましょう。
年間休日数が多くても、1日の労働時間が長い場合があります。そのため「残業」について確認することが大切です。
- 残業の有無
- サービス残業
- 残業代が支払われるか など
確認方法は様々ありますが、転職の口コミサイトを見たり、就職エージェントで信頼性のある情報を得たりすることがおすすめです。
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【休みが多い仕事ランキング】TOP10発表!
それでは休みの多い仕事をランキング形式で10種類ご紹介します。ランキングの順位は「年間休日数と有給休暇の実取得日数」を合計した日数の平均値で算出しています。
1位:134.1日/製造系(研究・開発)
【仕事内容】製造メーカーの原材料や素材を研究・開発する仕事です。特に製造業の業績は全体的に好調で、研究の種類が豊富にあります。
まず研究職についてご紹介します。
【2種類の研究職】
基礎研究:5〜10年後の実用化を目指して、新ビジネスを探す研究をします。すぐに利益につながる仕事ではありません。しかし次の新しい製品に生かせる最新の技術と知識を追求しています。
応用研究:基礎研究で発見した「技術や知識の製品化が可能であるか」を研究するのが応用研究です。また既存の製品をより良くするために、新技術をどのように応用できるのかを研究しています。
続いて開発職についてご紹介します。
【3種類の開発職】
商品開発:企画開発部が出した商品イメージを、実際の商品にするための仕事です。
技術開発:商品の開発や製造に生かせる技術、効率性を考察しています。
研究開発:研究職全体の出した結果や新技術を用いて、市場ニーズに合った製品を具体化する仕事です。
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日が休日とされています。会社によっては4勤2休制が採用され、休日数は全業界の中でトップクラスです。
(トヨタ系列の会社は祝日が出勤日に当たります)
2位:134.0日/製造系(設計)
【仕事内容】製造メーカーには設計部門もあります。研究・開発との違いは「どんな物をどのように作るか」という工程を担っている点です。画面や表帳など、クライアントの目に見える物を設計することが多く、研究・開発メンバーとコミュニケーションを取りながら業務を進めていきます。
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日は休みとされています。
3位:133.0日/営業系(MR)
【仕事内容】MRとは製薬会社の営業職です。正式名称は「医薬情報担当者」と言います。医療機関を訪問して、自社の医薬品の情報を提供する仕事です。(医薬品の品質・有効性・使用方法など)また医療機関で臨床に用いた医薬品の効能や、安全性といった情報収集も行います。
【休日】土日祝日休み・転勤が多いという特徴があります。
ポイント
【MRとMSとの違いとは?】
MS(医薬品卸販売担当者)はMRと同じ製薬会社の営業職ですが、「医薬品の価格交渉・販売」を行う点でMRと異なります。またクリニックや調剤薬局開業の支援、患者からの問い合わせにも対応します。
4位:132.4日/製造系(セールスエンジニア)
【仕事内容】製造系セールスエンジニアとは、自社の技術的な知識とコミュニケーション能力を備えた営業職です。法人顧客に自社製品の説明や質疑応答、仕様の打ち合わせなどを行い、得意先の企業との架け橋となります。
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日は休みとされています。
5位:131.8日/事務系(英文事務)
【仕事内容】英文事務は英語を用いた事務全般の仕事です。ビジネス英語の知識(TOEIC600以上など)と一般事務スキルの両方が必要です。海外との時差の関係から、残業が発生することもあります。基本的に以下の仕事を行います。
- 海外の会社との電話
- メール対応英文の資料作成翻訳
- 通訳業務 など
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日は休みとされています。
6位:130.3日/システム系(社内情報エンジニア)
【仕事内容】社内情報エンジニア(社内SE)は自社のシステム構築、運用保守、社内インフラの整備や社員からの問い合わせ対応をする仕事です。仕事の企画〜運用までを一貫して行うやりがいがあります。
【休日】完全週休2日制で土日休みの会社が多く、中にはシフト制の会社もあります。
ポイント
- 社内SE:社内の社員が相手
- 一般的なSE:クライアントが相手
7位:130.2日/企画・管理系(経営企画・事業企画)
【仕事内容】経営企画と事業企画の仕事は以下のような内容です。いずれも会社の根幹に関わる重要な役割を担っています。
経営企画:経営方針や事業戦略の計画と実行を行う仕事です。円滑な営業活動をサポートして、目標達成するための営業戦略を考案します。
事業企画:企業経営の中心として、企業が目指す目標と達成するための具体的な計画書を作成する仕事です。(販売金額や利益率を数値化するなど)
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日は休みとされています。
8位:130.1日/製造系(生産技術・生産管理)
【仕事内容】主に工場で勤務する仕事です。生産ラインの設計、管理から出荷までをコントロールします。
生産技術:工場の生産管理現場で、生産ラインの設計や管理を行う仕事です。
生産管理:製品の企画から出荷までを円滑に進め、製造工程全体を見て不良品が交ざっていないかなどをチェックします。
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日は休みとされています。
9位:129.7日/企画・管理系(人事)
【仕事内容】会社の人材管理に関する業務を行います。 採用活動や社員をどのように配置するかなど、人事は適切な人材計画を推進する役割があります。
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日は休みとされています。ただし学生の就活時期は、採用や査定のスケジュールが優先されるため休日出勤で事務仕事を行う場合もあります。
10位:129.4日/企画・管理系(購買)
【仕事内容】購買は自社製品に必要な資材を購入する仕事です。製品の生産計画に基づき、資材の数量や品質、発注する時期を決めて適切な価格で購入します。また納期管理も行います。簡単に言うと「より品質の高い資材を出来るだけ安く仕入れて、納期内に手配する」業務です。
【休日】一般的に完全週休2日制で、土日祝日は休みとされています。
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【まとめ】休みの多い仕事に就いてプライベートも充実させよう!リフレッシュは大切な時間
もともと休みの多い仕事に就職したい人、今の会社が忙しくプライベートがない人など、様々な理由から休みの多い仕事を探している人がいるでしょう。
ランキングからわかるように、製造業やオフィスワークが比較的「休みが多い仕事」と考えられます。
一方、華やかに見える接客・販売業など、直接個人を相手にする仕事は休みが取りにくく年間休日数も少ない傾向にあります。
求人に応募する前に情報収集をして、ライフスタイルに合う仕事選びをすることが大切です。
投稿者プロフィール
- AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。
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