「大学(大学院)を卒業して就職したら、社会の歯車になってしまうのか…」
就活が始まり、卒業を意識し始めると「単なる社会の歯車になるのか」と悲しい気持ちになる人も少なくありません。
今回の記事は「社会の歯車」にネガティブなイメージを持つ理由や、その考えをチェンジする方法などをご紹介します。
就活が少しでも楽しいものになるよう、ネガティブな気持ちは1つずつ解決していきましょう!
もくじ
「社会の歯車」として私たちはすでに回っている
実は私たちはすでに「社会の歯車」として回っていることに気付いているでしょうか。人と人が関わり合い歯車のように回り、社会全体が成り立っているのです。
歯車の大きさや回るスピードは人それぞれ違いますが、社会の歯車=社会の一員になることと考えることができます。
しかし今回のテーマである「社会の歯車」は、その意味とは少し異なります。
まずはそれらの理由を詳しく見ていきましょう。
ポイント
- 人は生まれた時から社会の歯車
- 学生の考える「社会の歯車」の意味は異なる
人は生まれた時から社会の歯車
人は生まれた時から社会の歯車だと言えます。まず親族、産院や保健センターのスタッフなどと関わり合い、小さな社会の歯車の一員となります。
そして成長とともに、その歯車は更に社会と関わり合いを持って回るのです。学生、アルバイトや仕事をする人、無職の人も社会とつながり歯車となっています。
つまり人は自然と「社会の歯車」になり、社会という大きなコミュニティを作っているのです。
社会の歯車とならずに生きるのは、現実的にほぼ不可能と言えるでしょう。例えば山奥や無人島で、自給自足の生活を送るなどが考えられます。
一切人と関わらず、物も買わずに生活することになります。しかし山や島にも所有者がいますし、万が一のときには他人の世話にならなくてはいけません。
そう考えると生きていくこと自体が難しくなりますよね。
学生の考える「社会の歯車」の意味は異なる
しかし今回のテーマである「社会の歯車」は、前述した意味と異なるものです。
就活中の学生がネガティブに感じる「社会の歯車」という言葉は、自分が「企業の歯車」となることを表します。
自分が自分でなくなるような気がすると、誰でもネガティブな気分になります。例えると大多数の中の1ロボットのようなイメージでしょうか。
果たして本当にそうであるのかを検証していきましょう。
※以降「社会の歯車」という言葉は「企業の歯車」という意味で使用していきます。
「社会の歯車」にネガティブさを感じる理由・ポジティブ思考にチェンジしてみよう!
「社会の歯車」という言葉を忌避するのは一般的に4つの理由があります。
またその理由を知り、考え方を少し変えるだけでポジティブな気持ちになれることもあります。
ネガティブになる4つの理由
- アイデンティティを見失いそうだから
- ネガティブイメージを発信する大人たちがいるから
- 疲れた会社員になるイメージがあるから
- 就活が思い描いた理想と違ったから
①アイデンティティを見失いそうだから
会社の規模が大きい程、当然社員の数は多くなります。その中に埋もれアイデンティティを見失うのではないかと思うのが理由の1つです。
特に学生時代が充実し、中心的な存在である人ほどそう感じる傾向があります。
【ポジティブになる考え方】
入社後すぐに活躍し認められる人はいないと考えましょう。まだ仕事を教えてもらう立場であり「社会の歯車」、つまり企業の歯車にもなれていません。
まずは仕事の基礎を身につけて一人前になることが目標です。
その際「○○に昇進する」など希望を持ち、着実に仕事を覚えれば成長のスピードは速くなります。
その気持ちを忘れずに正しい方向に努力を続ければ、時間はかかっても周りから認められ、大人数の中でも埋もれてしまうことはないでしょう。
参考
アイデンティティとは「自分が自分であること・自分が他者や社会から認められているという感覚」を意味します。
②ネガティブイメージを発信する大人たちがいるから
「社会の歯車になるな!」「会社の歯車のままでいいのか?」と発信する大人たちに、ネガティブイメージを植え付けられていることもあります。
例えばアーティストの歌の歌詞にも、ちらほらと登場します。そのアーティストのファンであれば感化されてしまいますね。
また大学生(大学院生)を募集するベンチャー企業の説明会でそのようなことを言われることもあります。※全てのベンチャー企業を指すものではありません。
また大学生になると誘われがちなのが、ネットワークビジネスです。
「つまらない会社員になるよりこのビジネスで成功して金持ちになろう!」と説明をされて信じてしまうこともあります。
【ポジティブになる考え方】
「社会の歯車にはなるな」といった煽るような言葉は鵜呑みにしないようにしましょう。
説明通りの好条件の企業であれば、応募が殺到するか社員は足りているはずです。煽ってまで求人活動をする必要はありません。
まともな企業は他者を悪く言わないことも覚えておき、おいしい話には乗らない意思を持つことが大切です。
③疲れた会社員になるイメージがあるから
マスコミの影響もあり会社員は「満員電車に押し込められスーツはよれよれ・台風でも大雪でも忠実に会社に出勤・残業で疲れが抜けない…」というマイナスイメージを持つことも理由の1つです。
満員電車は都心部の話ですが、学生からすると会社員は常に疲れている社会の歯車のイメージがあるようです。
【ポジティブになる考え方】
「定年までずっとこの状況が続くのかな…」と入社前からネガティブになる必要はありません。
仕事のやりがいや工夫次第で、生き生きとした会社員になれます。
そしてあまりに無理を強いる企業であれば、転職という選択肢もあります。
良い労働環境は自ら作り上げていきましょう!
④就活が思い描いた理想と違ったから
就活が思い描いた理想と違うと感じるのも、ネガティブになる理由です。
「海外を飛び回る仕事がしたい」「自分にしかできない仕事がある」とぼんやりとした理想を描いて入学した人ほど、現実に思うような仕事がないと落胆してしまいます。
特に文系学生は「営業職・事務職・接客業」の募集が多く、何をしたいのかがわからなくなることもあります。
【ポジティブになる考え方】
少しでも興味のある企業のキャリアプランを調べれば、将来的に理想を実現できる仕事が見つかることも多々あります。
求人情報だけを見るのではなく、企業研究をすることで解決できる問題です。
経営者の視点から見た「会社員のメリット」とは?
学生が「社会の歯車ではない」と思う代表的な職業は、経営者だと言われています。
しかし経営者こそ社会の歯車的な存在であり、その歯車なしでは会社は成り立ちません。
この項では経営者こそ社会の歯車であること・経営者の視点から見た「会社員のメリット」についてご紹介します。
ポイント
- 経営者こそ社会の歯車である
- 経営者から見る「会社員のメリット」
経営者こそ社会の歯車である
最初に知っておきたいことは、経営者こそ社会の歯車であることです。会社を存続し、従業員とその家族の生活を守るために、大きな歯車として動く必要があります。
ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスのような世界的な大富豪たちも、歯車でないどころか、人の何十倍も回る大きな社会の歯車です。大金持ちになる以前から、勢いよく回る社会の歯車だったのでしょう。
会社員も役割は違いますが同じ社会の歯車です。
そして歯車として会社を動かす存在になるのは簡単なことではありません。
経営者から見る会社員のメリット
経営者の立場から見て、会社員には大きなメリットがあると言います。特に会社員の下積みを経験し、起業した経営者は一層そのように感じるようです。
会社員には以下のようなメリットがあります。
- 毎月決まった日に給料が支払われる
- 社会保険・厚生年金が半額
- 税金関係の手続きの必要がない(副業を行っている人は確定申告が必要)
- 会社の技術を学べる
- 社会的な信頼性が高い(住宅ローンなどの審査・融資に通りやすい)
- 様々な福利厚生がある
- 転職市場で有利になる
特に「毎月決まった日に給料が支払われる・社会的な信頼性が高い」というメリットは、ライフプランを考えやすくありがたいことです。
会社の規模にもよりますが、経営者の場合はこのようなメリットは得られず安定性に欠けます。
会社の利益がゼロの場合でも、従業員に給料を支払うことは最優先事項です。従って自分の給料は会社の利益に左右されます。
また社会的信用を得られるまでは、住宅ローン審査に通らないなどのデメリットもあります。中には賃貸マンション契約さえ厳しい場合もあるのです。
このように会社員が入社後すぐに受けるメリットは、非常に優遇されていることだと言えます。
社会の歯車となるのは立派な社会人の証
社会の歯車という言葉に対するイメージが少しずつ変わってきたでしょうか。
一人前に仕事をできるようになり、初めて「社会の歯車」となれます。立派な社会人になれた証ですね。
この項では社会の歯車になるのは簡単ではないことや、合わない企業に入った場合の転職について解説します。
ポイント
- 【立派な社会人の証】社会の歯車には簡単になれない!
- どうしても合わない企業であれば転職も1つの手段
【立派な社会人の証】社会の歯車には簡単になれない!
社会人でも社会の歯車という言葉を嫌う人はいます。しかしそういう人に限って、社内で歯車にさえなれていないケースが多いのです。
「どうせ末端の歯車だし」と受動的に仕事をしていれば、成長することなく会社を動かす力にもなれません。本人はおそらく気付いていませんが、周りの人に仕事のフォローをしてもらい成り立っていることもあります。
「自分の担う業務は会社を動かす上でなくてはならない存在」と誇りを持って尽力する人は、企業の大きな歯車となり会社を動かします。
このような人は周囲の人たちから頼りにされ、好かれるだけでなく早々に昇進していく可能性が高いのです。
社会の歯車となるのは立派な社会人の証だと誇りを持ちましょう。
どうしても合わない企業であれば転職も1つの手段
初めての就活で入社した企業が、どうしても自分に合わない場合もあります。
それは実際の社風との相性や人間関係など、入社後にしかわからないことがあるためです。
「仕事にやりがいがない」と最初から放棄することは、どの企業も長続きしないのでおすすめできません。
しかしどうしても合わないと感じたら、転職するのも1つの方法です。
社会経験が浅い場合は1人で転職活動をするより、転職エージェントの力を借りてみましょう。
- 完全無料で利用できる
- キャリアアドバイザーによる面談
- 自己分析と意向に基づいた求人の紹介
- 書類の添削・面接の練習
- 面接などの日程調整
- 内定後のサポート など
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社会の歯車として認められる方法
せっかく働くのであれば、早く社会の歯車として会社を動かせる社員となって、仕事にやりがいと楽しさを見出しましょう。
どのような心持ちで働けば周囲から認められ、かけがえのない存在になれるのかをご紹介します。
ポイント
- 「トップの歯車」を目指そう
- 認められない時こそ大きなチャンス!自分の価値を高めよう
「トップの歯車」を目指そう
自分の業務においてトップの歯車を目指すことが大切です。その時つまらなかったとしても「同じ業務をする人の中でトップの存在になろう」と淡々と働くのがポイントです。
モチベーションが上がり、早く努力の結果を出せるようになります。
また学生と社会人では評価のされ方がガラッと変わることを知りましょう。
- 学生の評価ポイント:(ある事に)どれだけ努力したかという過程
- 社会人の評価ポイント:(ある仕事に)努力と結果が伴うことが不可欠
トップの歯車になるためには、この仕組みを理解して自分の役割をきっちり全うすることが必要です。
実績を積み上げて活躍する歯車となり、企業を動かす側にまわれます。すると自分のアイディアや希望も受け入れられるようになります。
最初から「社会の歯車、企業のコマだ…」と仕事を嫌うと、せっかく与えられた可能性を逃し、より仕事が嫌いになるのです。
着実に実績を積み重ねていきましょう。忍耐は要りますが、今の自分には想像できない素晴らしい将来を切り開きます。
認められない時こそ大きなチャンス!自分の価値を高めよう
実績を積み上げる過程には、自分が認められていないと落ち込むスランプも繰り返しやってきます。ミスをして叱責されることもあれば、理不尽な経験をして腹が立つこともあります。
しかしそこでめげて放棄してしまうのは、非常にもったいないことです。
「認められていない」と感じた時こそ、辛いですが大きなチャンスが与えられたと感謝しましょう。自分では気付けない改善点を直してレベルアップすることができるからです。
今まで達成できなかった仕事が、容易にできるようになることもあります。
つまり自分の価値を高めることができます。
自分の価値を高める3つのポイント
- 仕事の基礎はきっちり身につける
- 与えられた仕事をこなして帰るだけでなく、周囲にも気を配り行動する
- 他人と自分を比較しすぎない
ピラミッドに例えると、何度も繰り返しますが仕事の基礎をきっちり身につけることは最も重要な底辺です。
続いて「私の仕事はここまでです」と終わらせるのではなく、周囲とコミュニケーションを取りサポートもすることは中間に値します。
他人と自分を比較しすぎないことは頂点に当たります。比較でモチベーションアップするならOKですが、嫉妬やひがみは仕事に悪影響しか及ぼしません。
周囲の状況が把握できる範囲で「自分のライバルは自分」と自分の業務に注力する方が、実力を高めて実績を積むことができるのです。
【まとめ】活躍する大きな社会の歯車なろう!あなたはかけがえのない存在になれる
「社会の歯車」という言葉に悩む必要はないことをご理解頂けたでしょうか。就活中は与えられた時間で出来ることに前向きに取り組みましょう。
また前述したように仕事をすれば「社会の歯車」という言葉は、いつの間にかどうでも良くなり忘れているかと思います。
社会人という社会の歯車は楽しく充実していると信じ、ぜひ前向きな就活をしてみてくださいね。
投稿者プロフィール
- AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。
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