「今後危ない業界」について考えたことはあるでしょうか?特にこれから就活をする人にとっては重要な問題です。
また現在働いている業界が「今後危ない業界」の場合、早々に抜け出して転職することも賢明な選択肢の1つと言えます。
今後危ないとされる業界で働くと、倒産・リストラの恐れだけでなく、キャリアアップのチャンスをも潰してしまう可能性があります。
今回の記事では、今後危ないと考えられる業界の特徴や、それらの業界をピックアップしてご紹介します。ぜひ今後のキャリアプランの参考にして下さいね。
もくじ
今後危ない業界【4つの特徴】
まず「今後危ない業界・4つの特徴」について解説します。就活に役立つ知識として知っておきましょう。
今後危ない業界【4つの特徴】
- AI(人工知能)に代替される業界
- 労働集約型産業
- 建物を利用した箱物ビジネス
- ニーズが減っている業界
①AI(人工知能)に代替される業界
今後危ない業界にはAI(人工知能)に代替されやすい特徴があります。
ITテクノロジーの著しい発展で時代の変化は速くなり、近い将来に様々な仕事がAIに代替されると言われています。つまり人が仕事をAIに奪われるという現象が起きてしまうのです。
特にAIに淘汰されると考えられる分野は「クリエイティビティ・ホスピタリティ・マネジメント」といった、どうしても人が必要な仕事以外です。
実際に製造業や出版業界などから医療分野においてもAIが代わりに仕事をするようになってきました。
AIが導入された仕事例
- 製造業界:製造ラインのロボット化
- 新聞・出版業界:紙媒体からWEB媒体へ変化
②労働集約型産業
労働集約型産業は今後危ない業界と言われています。
【労働集約型産業とは】
労働集約型産業とは、人の労働力による業務の割合が大きい産業です。
- 接客業
- エステサロンなどのサービス業
- 専門業務を行うコンサルティング業
- 介護職
- 農業 など
このように人の手を使う割合が高いものが労働集約型産業に含まれます。
労働集約型産業の問題点は「低賃金・長時間労働」による離職率の高さです。特に介護職では離職率の高さ、平均年収の低さが問題視されています。
そのため労働力の供給より需要の方が多くなっています。日本の人口が減少する中で、労働集約型産業は更に労働力不足に陥りやすい傾向にあるのです。
このような問題はブラックな働き方を労働者に強いることにもつながります。
③建物を利用した箱物ビジネス
建物を利用した箱物ビジネスも、今後危ない業界と考えられます。箱物ビジネスとは娯楽・宿泊施設やなど、建物を利用するビジネスを意味します。
箱物ビジネスは利用者が来ないとビジネスが成り立ちません。そのため人の動きが減ったコロナ禍以降、今後危ない業界として危惧されているのです。実際に多くの店舗が廃業に追い込まれています。
また売上がなくとも建物の維持費はかかってくるので、今後ますます苦しい状況になる箱物ビジネスも多いでしょう。
④ニーズが減っている業界
どの業界でもニーズが減ることで今後危ない業界になります。特にコロナ禍以降、ニーズの変化により危ぶまれるようになった業界には以下のようなものがあります。
- ブライダル業界:コロナ禍による結婚式・披露宴離れ・結婚を望まない人の増加・少子高齢化社会
- 飲食業:コロナ禍による外食頻度の低下
上記以外にもニーズが変化により、厳しい状況となった業界はあります。「ニーズの変化」に常に注目し、今後の見通しを予測することが重要です。
今後危ないと考えられる業界10選
この項では「今後危ないと考えられる業界10選」をご紹介します。しかしどの業界も企業努力をしているため、今後必ず衰退すると決まっている訳ではありません。
しかし今後就活をする上で、希望する業界の将来性を考えることはとても重要です。
今後危ない業界10選
- 自動車業界
- 士業業界
- 金融業界
- アパレル業界
- 不動産業界
- ブライダル業界
- テレビ・映画業界
- 広告業界
- 航空業界
- 公務員
1.自動車業界
自動車業界は今後危ない業界と考えられています。海外ではハイブリッド車やEV燃料電池車、自動運転が本格的に主流となりつつあります。しかし日本の自動車メーカーの技術は、世界に比べて遅れをとっているのです。
現在世界の自動車業界は「100年に1度の変革期」と言われており、日本のメーカーがこの流れに乗れなければ衰退してしまいます。
2021年末、トヨタが16台のバッテリーEVを発表し大注目を集めました。しかし環境NGOは「気候変動対策で日本メーカーは下位」とランク付けし、トヨタでさえ世界の大手自動車メーカー10社の中で最下位となっています。
また日本の自動車業界はエンジン部品で世界的な需要がありますが、今後のEV化によって需要がなくなることが予測されています。
自動車部品メーカーでは、数年後に需要がなくなることを予測して新しい分野の研究・開発を模索している最中です。
以上の理由から、自動車業界の将来性が明るいとは言えないのです。
ポイント
- 日本の自動車メーカーの技術(ハイブリッド車・EV燃料電池車・自動運転)が、海外に追いつかず、競争に遅れをとっている
- 近い将来に自動車部品の需要がなくなる
2.士業業界
士業業界(特に税理士・公認会計士・司法書士・行政書士・社会保険労務士)は高収入で安泰のイメージがありますが、今後危ない業界と考えられています。
士業はAIやRPAを使ったシステムの導入により自動化されやすい分野が多く、人手が大幅にカットされる可能性があるのです。
RPAとは
RPAはロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)の略称です。これまで人間のみが対応可能とされていた高度な作業を、人間に代わって実施できます。
【RPAができること】
- データ入力業務
- データ集計業務
- データの収集・反映業務
- 複数のシステムやアプリにまたがった業務
- メール送受信
- 自ら考えて判断すること
- ルールの変更や複雑な作業
- 手書き文字や画像の解析 など
【RPAができないこと】
- その都度判断を要すること
- 作業ルールが多く煩雑なこと
- 作業ルールが変わりやすいこと
- 例外の業務が生じること
- 物理的な操作が必要なこと など
下記は士業のうちで自動化されやすい項目です。
自動化されやすい分野
- 定型的かつ事務的な作業全般
- 手続きを専門とする士業(司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士)
- 計算を専門とする士業(公認会計士・税理士)など
また士業全体の市場が飽和化しつつあります。実務経験がなく、資格を持っているだけでは就職が難しいことも多いようです。
ポイント
- IT技術の進歩により人手がカットされる可能性が高い
- 士業業界が飽和化しつつある
3.金融業界
金融業界の中で、銀行が今後危ない業界と考えられています。特に地域銀行は下記の図のような経営状態にあり、将来的に厳しさを増していくでしょう。
そしてIT技術の進歩により、様々な業務に人手が必要なくなってきています。特に注目すべきは金融業界に革新性をもたらす「フィンテック」です。
フィンテックとは
フィンテック(FinTech)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。金融サービスと情報技術を結びつけた様々な革新的動きを意味します。(電子決済システム・仮想通貨など)
フィンテックという言葉は、アメリカで2000年代前半から使われていました。スマートフォンなどを使った送金もフィンテックの1つです。
近年では日本でも、フィンテック系の新しい金融ベンチャー企業が次々と誕生しています。2021年のフィンテックにおけるAIの世界市場規模は78.7億米ドルでしたが、2030年までに411億米ドルに成長すると予測されます。
このフィンテックが銀行の様々な業務に人を必要としなくなるのです。ビル・ゲイツ氏も銀行の将来性について不要論を唱えています。
出典:PRESIDENT「ビル・ゲイツ「銀行は将来必要なくなる」
ポイント
- フィンテックの台頭
- AIの発達による銀行の業務(窓口・受付・データ入力)の消滅
- 融資や資産運用へのビッグデータの活用
4.アパレル業界
店舗販売型のアパレル業界は今後危ない業界と考えられています。ITや配達システムの進歩により、多くの人々がインターネットで衣服を購入するようになったためです。
そしてアパレル業界全体の需要が減少傾向であることやファストファッションの普及、少子高齢化による新規顧客の減少も影響しています。
またコロナ禍により外出をして店舗に出向く人々が少なくなったことも、店舗販売型のアパレル業界の将来性を危うくしている要因の1つです。
ポイント
- オンラインショッピング・ファストファッションの普及
- アパレル業界全体の需要減少
- コロナ禍の外出自粛により店舗へ行かなくなった
- 人口構造の変化による新規顧客の減少
5.不動産業界
不動産業界についても今後危ない業界として考えられています。その理由は、少子高齢化による不動産需要の減少や空き家問題、都市部の不動産価格の下落・空き物件の増加などが挙げられます。
特に人口の減少は不動産業界に大きなダメージを与えるのです。
以上の理由から、金融庁は各銀行に「不動産業界への融資」に偏りすぎないよう通知を出しました。そのため多くの銀行が不動産業界への融資を絞る方針になり、今後もその状況が続くと予想されています。その結果ある程度の数の不動産会社は淘汰されてしまうでしょう。
ポイント
- 少子高齢化による需要減少・空き家問題
- 都市部の不動産価格の下落や空き物件の増加
- 銀行が不動産業界への融資を絞る
6.ブライダル業界
ブライダル業界は今後危ない業界と考えられています。根本的な理由として、少子高齢化や生涯独身率の上昇が進んでいることが挙げられます。
またコロナ禍により、結婚式や披露宴を行わないカップルが増えました。(代わりに縮小した家族挙式やオンライン挙式、写真だけのフォト婚が人気となっています)
そのため現在ブライダル業界は縮小している状況です。今後も更なる人口減少に伴い、ブライダル業界の衰退が危惧されています。
ポイント
- 少子高齢化・生涯独身率の上昇
- コロナ禍によるブライダル業界の需要低下
- 人口減少に伴う衰退
7.テレビ・映画業界
テレビ・映画業界は今後危ないと考えられている業界です。
これまで人々にとって、テレビが情報収集の手段でしたが、現在はインターネットでテレビより速く最新情報が得られます。またインターネットではテレビよりもリアルな情報が得られるため、テレビ離れの原因にもなっています。
またYouTubeやNetflixなどが観れるオンライン環境があれば、時間や場所に限定されずに様々なコンテンツを楽しめます。そのため映画館にわざわざ足を運ぶ人々が少なくなったのです。
2021年5月にNHK放送文化研究所が発表した「国民生活時間調査」では、10代〜20代の約半数がほぼテレビを観ないという結果が出ました。
このままでは今後もテレビ・映画業界の衰退が加速していくでしょう。
ポイント
- インターネットの普及によるテレビ離れ
- 映画の視聴の選択肢が広がり、映画館に行く人が減った
8.広告業界(紙媒体)
新聞、雑誌、街頭など紙媒体の広告業界は、今後危ない業界と考えられています。その理由はインターネット人口が増加し、紙媒体の需要が減少しているためです。
※ また新聞や街頭の広告は「特定の人に見てほしい」というターゲティングができず、広告効果がどれほどあったのか確認できません。
一方インターネット上で展開しているWEB広告業界は勢いがあり、今後も伸びる業界であると予想されています。インターネット人口が増えWEB広告がより力を持つようになったためです。
広告の需要の変化に対応できなければ、将来的に紙媒体の広告業界が衰退する可能性は極めて高いと言えます。今後もこの構図は崩れないまま、WEB広告が規模を広げていくでしょう。
ポイント
- WEB広告の需要増加
- インターネット人口の増加
- 広告活動を行うフィールドの変化
9.航空業界
航空業界はコロナ禍が始まって以降、今後も危ない業界と考えられています。航空業界は人件費や機材関連費などの固定費が大きく、売上が落ちると赤字に転落しやすいためです。
コロナ禍で国内大手航空会社のJAL・ANAは過去最大の赤字に直面し、従業員は各関連会社に出向し航空会社での仕事とは違う業務に一定期間従事しました。新卒・既卒の採用活動もストップしています。
また国内だけでなく、海外航空会社も経営破綻・倒産する航空会社が相次いでいます。
「WITH コロナ」という社会的流れや規制緩和により、経営状態は徐々に戻りつつあります。しかし再びこのような事態となれば、同様のことが起こるのは明確です。
ポイント
- コロナ禍により航空業界は過去最大の赤字
- 航空会社の経営破綻・倒産が相次ぐ
- 再び同じ状況になる可能性もある
10.公務員
安定した仕事の代表格である公務員も今後危ない業界と考えられています。
公務員の仕事は事務や受付窓口などの定型業務が多いため、AIやRPAによる業務自動化が進み、大幅な人員削減の恐れがあるのです。
AIやRPAが導入されれば業務のミスや不祥事がなくなり、職種によっては人よりも正確かつ速く仕事ができます。
最近はオンラインで手続きが終わるものも増え、公務員の需要は低くなりつつあります。またデジタル庁が新設され、今後は各種行政サービスのデジタル化が確実に増えていくでしょう。
ポイント
- 公務員の業務がAIやRPAに替わる可能性が高い
- 公務員自体の需要が減っている
- 行政サービスのデジタル化が進む
今後危ない業界を避けるには情報収集が大切!転職エージェントの利用がおすすめ
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【まとめ】今後危ない業界の情報は要チェック!就活は常に新しい情報を得ることが大切
現在「今後危ない業界」とされている業界やその特徴、転職エージェントを利用するメリットをご理解頂けたでしょうか。
これから就活を始める人や、現在今後危ない業界で働いており転職を考える人は「今後危ない業界・成長する業界」の最新情報を得て活動をすることが大切です。
そのためにも就活のプロのサポートを受け、自分だけでは得られない情報の収集をしましょう。将来を予測し、今できることにチャレンジすることが就活の成功の近道だと言えます。
投稿者プロフィール
- AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。
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