「マスコミ業界」といえば、テレビや雑誌、新聞など「情報発信」を行っているイメージがありますよね。しかし、マスコミ業界は放送業界・新聞業界・出版業界・広告業界に分類され、そこからさらに細かい業界に分かれていきます。そのため、プロデューサー・記者・編集者・カメラマンなど他の業界に比べて職種も多いのが特徴です。
そんなマスコミ業界は、華やかで楽しいイメージから毎年、多くの就活生を惹きつけています。そのため、とても難易度の高い業界です。
そこで今回は、就活生の人にぜひ読んでほしい『マスコミ業界』について解説していきたいと思います。マスコミ業界の市場規模や最近の動向、どんな仕事があるのかなどを紹介していきます。では、さっそく見ていきましょう。
もくじ
マスコミ業界の業界分類とビジネスモデル
放送業界
テレビ番組の放送や制作を行っている業界です。公共放送、キー局、ローカル局、BS・CS局と大きくわけ4つに分類されます。
主な企業:フジテレビ、日本テレビ、TBS、テレビ朝日、スカパーJSAT、テレビ東京、朝日放送、WOWOW、USEN、毎日放送など
新聞業界
国内・国外の情報を新聞として発行している業界です。全国紙、地方紙、スポーツ紙、業界紙に分けられます。
主な企業:読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞など
出版業界
雑誌や書籍など紙媒体を中心に出版を行っている業界で、大出版社・中小出版社など多くの企業が存在しています。日本の大手出版社といえば、講談社・集英社・小学館が3大出版社として広く知られています。
一方、中小出版社は教育やカルチャーなどある特定の分野を専門にしていることが多いのが特徴です。
主な企業:集英社、講談社、小学館、角川書店、日経BP、宝島社、東京書籍、光文社など
広告業界
主に広告主の要望に沿って広告の企画・制作を行ったり、テレビや新聞などの広告枠をメディアの代わりに販売しています。広告そのものを販売して得られる収益と広告枠の販売手数料として得られる収益が主な収入源です。
日本では、電通と博報堂が「総合広告代理店」として知られています。
主な企業:電通、博報堂、アサツー ディ・ケイ、サイバーエージェント、大広など
業界研究からわかる「マスコミ業界」の現状とこれから
マスコミ業界の最新の動向
スマートフォンやタブレット端末の普及により、マスコミ業界全体の売上は右肩下がりの状況が続いています。近年では、Netflix・Huluなどの動画配信サービスやAbemaTVといったインターネットテレビ局も活躍を見せています。さらに、ネット広告を専門に扱う電通や博報堂などの企業もスマートフォンやタブレット端末と連動した広告を打ち出すことで市場規模を拡大しています。
他にも、テレビ局ではTwitterと連動して視聴者の生の声をリアルタイムで放送したり、インターネットや地上デジタルテレビ放送の機能を利用した視聴者参加型の番組制作・放送が積極的に行われています。
また、新聞や雑誌などもモバイル端末で書籍を読むことのできる電子版サービスの提供が増え、雑誌については定額・読み放題サービスへの参入も多く見られます。
マスコミ業界はますます拡大する!
広告業界は、インターネット広告など「デジタル化」を味方につけ、市場規模を順調に拡大させています。今後もまだまだその需要が高まると予想されます。
同じように放送業界、新聞業界、出版業界も「デジタル化」に柔軟に対応し、どう展開・発展させていくかが今後のカギとなるでしょう。すでに新聞業界と出版業界は電子化やオンデマンドサービスを開始しているものの、注目が集まるほど発展していないのが現状です。そのため、マスコミ業界全体でこれまで培ってきたコンテンツや情報、ノウハウを活かした新たな市場を生み出すことが期待されています。
マスコミ業界の職種をピックアップ
マスコミ業界では放送、新聞、出版、広告のそれぞれの業界で多くの職種が存在しています。ここからは、その代表的な職種をご紹介します。
テレビプロデューサー
テレビ番組の制作における総責任者のことで、企画の提案から予算管理、出演者のキャスティングなど全ての決定権を持ち現場を指揮します。
アシスタントディレクター(AD)、テレビディレクター、アシスタントプロデューサーを10年以上経験したのちにテレビプロデューサーとなるケースがほとんどです。
記者
取材を行い、その内容をまとめて新聞記事にする仕事です。私たちがネットや新聞などで読んでいる記事はほとんど記者が作成したものになります。
文章力だけでなく、知識や教養、昼夜問わず動けるフットワークの軽さと体力が求められます。
編集者
雑誌や書籍などの企画や編集を行う仕事です。企画の考案や予算どり、取材先とのスケジュール調整、取材、記事の執筆、デザインの編集などあらゆる業務を担当します。
1つの書籍だけでなくいくつも担当したり、締め切りなども関わってくるため、企画力からマルチな能力、スケジュール管理能力が欠かせない仕事です。
CMプランナー
クライアント企業と打ち合わせを進めながら、CMの企画作業などCM制作全体プランニングを行う仕事です。スタッフの選定から予算管理、進行などCMが完成するまでの全ての工程に関わります。
とても重要な役割なので、最初から「CMプランナー」としての採用ではなく、広告代理店や広告制作会社に入社したのちキャリアを積んでからCMプランナーに就くことが多いようです。
アナウンサー
キー局や地方の放送局に「アナウンサー」として入社し、ニュース番組や情報番組などで活躍します。
ある程度の教養や知識、視聴者が見て不快に思わないよう清潔感が求められるなど、そのテレビ局の「顔」ともいえる職業です。
校正・校閲
出版社や新聞社で文章の修正などを行う仕事です。 校正が文章の間違いを中心に正すのに対し、校閲は事実関係の間違いなどもチェックします。
マスコミ業界の年収ランキング「トップ5」
1位 TBSホールディングス 1,632万円
2位 朝日放送グループホールディングス 1,478万円
3位 日本テレビホールディングス 1,461万円
4位 テレビ東京ホールディングス 1,392万円
5位 スカパーJSATホールディングス 1,248万円
マスコミ業界は高収入・安定というイメージ通り、上位トップ5には民放キー局が並んでいます。このキー局の場合は30代で年収1,000万円を超えることも珍しくないと言われています。広告業界では、電通が「1,179万円」。出版業界ではリクルートホールディングスが「958万円」がそれぞれトップとなっています。
マスコミ業界の華やかさも人気の理由ですが、安定した年収も学生人気の高い理由の1つと言えるでしょう。
マスコミ業界のここが魅力「心を動かす仕事」
マスコミ業界の放送・新聞・出版・広告の全てに共通していることは「伝えること」です。
テレビや紙、雑誌、インターネットなど様々な媒体を通して発信した情報を多くの人に届けることができます。また、それが時として感動を与え、見た人の「心を動かす」。それができることがマスコミ業界の大きなやりがいと言えます。
また、さまざまな場所そして多くの人に出会えることができるのもマスコミ業界ならではの魅力です。
まとめ
今回は、マスコミ業界について紹介しました。
マスコミ業界は、他の業界とは違い独特の彩を持っています。職によっては仕事量も多く、イレギュラーな事態も起こるかもしれません。しかし、多くの人に発信し、何かを伝えることができるこの業界でのやりがいはとても大きいと言えます。
毎年、希望者が多いマスコミ業界。入社を希望する人は業界研究と企業研究をしっかり行ってから選考に臨みましょう!
投稿者プロフィール
- ウシ科 ウシ属 サイヨ牛。就活で100社落ちた経験、就職するも牛を牛とも思わない企業に嫌気がさして退職。それ以来、だれよりも求職者の手助けをしたいと考え、採用メディアを作り上げることを決意した。
採用に関する情報を銀行のように貯めて、だれもが引き出せるようにとの想いで採用バンクが誕生。特別編集長として求職者側に寄り添ったアドバイスを得意とする。
今では「サイヨ牛ケンくんは採用試験のプロ」と呼ばれるまでに至った。