新卒が入社の際に最も気にかかることは、配属先ではないでしょうか。
希望した勤務地に配属されたら安心ですが、全く違う地方へ配属となれば「地方に飛ばされる…」と一気に不安になりますよね。
今回の記事では、新卒の配属先の決め方・新卒が地方に飛ばされる(配属される)理由などについて詳しくご紹介します。
また“どうしても希望した勤務地に行きたい場合や耐えられない場合、どのように対処すれば良いか”についても併せて解説します。
※ 全国転勤を伴う仕事を対象とした内容の記事です。
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もくじ
【新卒は”地方”に飛ばされる】その”地方”とはどこを指すのか?
“地方に飛ばされる”と聞くと僻地での勤務をイメージする人が多いと思います。
まずは地方勤務の”地方”がどこを指すのかを見ていきましょう。
地方都市(地方)とは
地方都市(地方)とは具体的な定義のある言葉ではありませんが、主に首都である東京や京阪神を中心とする関西圏、そして中京圏の主要都市以外のことを指します。
つまり東京・大阪・横浜・京都・神戸・名古屋を除いた”都道府県の県庁所在地に位置する都市・一定規模を誇る都市”のことを、地方都市と呼んでいるのです。
また政令指定都市に指定されている札幌市・福岡市・仙台市・広島市も大きな地方都市です。また県庁所在地はないですが、北九州市や浜松市なども地方都市と呼びます。
このように地方とは僻地だけではなく、大きな都市のことも指しています。会社の支店がある場所にもよりますが、必ずしも地方=僻地ではないのです。
【どうか地方に飛ばさないで…】新卒の配属先の決め方
新卒で”地方に飛ばされる”ことになったとしても、会社は新卒を左遷するつもりで地方に配属している訳ではありません。
この項ではどのように会社が新卒の配属先の決めているのかについて解説します。
【新卒】配属先の決め方
- 各部署の最適な人員配置で決める
- 新卒のキャリアパスを重視して決める
- 新卒の適性を重視して決める
各部署の最適な人員配置で決める
会社にとって“各部署への最適な人員配置”は重要なことです。
一般的な会社では新入社員研修中に、配属先の希望を第1希望から第3希望まで各新卒に出してもらいます。
希望調査では、配属先ごとに希望人数が多かったり・少なかったりと、当然偏りが出てきます。そのため会社の最適な人員配置と完全には一致せず、配属先の希望が通らない新卒も多いのです。
新卒のキャリアパスを重視して決める
多くの会社は新卒を”キャリアパス”という長い目で見ています。
キャリアパスとは
キャリアパスとは新卒をこれからどのようにキャリアアップさせ、どのようなスキルや職種を経験させるかという工程を意味します。
キャリアパスに関しては、会社により意向が異なります。全新卒をゼネラリストに育成する会社、ゼネラリストとスペシャリストに分けて育成する会社があるのです。
- ゼネラリスト:幅広い知識や技術・経験を持って、広範囲に対応できる社員のこと
- スペシャリスト:特殊な技能を持っていたり特定の業務に特化して仕事をする社員のこと
新卒をゼネラリストに育成する場合、希望する部署を含めてほぼ全ての部署を経験させます。
そのため“どの部署から始めても最終的に同じ・希望と合わない部署からスタートしても問題ない”と考える会社が多いのです。また5年・10年・20年といった長い区切りでキャリアパス形成を考えています。
希望と違う地方へ飛ばされるのは左遷ではなく、”会社全体の人員配置・社員のキャリアパス形成”のためだということを知っておきましょう。
新卒の適性を重視して決める
新卒の配属先を決めるときに、本人の希望も参考にしますが、それ以上に”適性”を重視しています。
ポイント
【企業が配属先を決めるのに重視する割合】
ある調査により以下のことが分かっています。
- 本人の希望:25%
- 本人の適性:36%
- 本人の専門性:22%
- 学生時代の経験:9%
- 人員配置:8%
会社が新入社員研修後に配属先を決めるのは、採用試験や面接では分からない適性を見極めるためです。
適性がある部署に配属すれば、業務に早く馴染みやすく、その後の仕事に大きなメリットをもたらします。
逆に希望に沿った部署へ入れても適性がなければ、思ったように仕事ができず辞めてしまう可能性もあります。このような理由から新卒の希望より適性を重視して配属先を決めているのです。
地方へ飛ばされる新卒の気持ちは?
【不満に思う】
希望配属先を第1希望から第3希望まで聞かれたのに、何の説明もなく「なぜ全く違う地方へ飛ばされるのか」と不満に思う新卒がほとんどです。それなら事前説明があるべきだと思うことでしょう。
これは会社の意向を必ずしも新卒に説明しないことから起こる問題です。
一般的に2022年の時点で人事を決定する立場にいる社員の年齢は40代が多く、その人々の新人時代は2000年前後ということになります。ちょうどキャリアパスを企業が意識し始めた時代で、キャリアパスの説明を受けていない可能性が高いです。
従って「働いたら分かってくれるだろう」と事前説明が不足しがちになります。
【希望以外は”配属ガチャ”に外れたと感じる】
最近は配属先の”当たり・外れ”に関しても“配属ガチャ”という言葉を使う人がいます。
新卒からすると第1希望以外はあまり熟考しておらず、希望が通らなかった場合は配属ガチャに外れたと感じるでしょう。
また地方に飛ばされるのは「会社は自分より(希望配属先に入った)同期に期待しているのか」「こんな配属先に行きたくない」と落ち込んでしまいます。
【地元から遠く離れた場所に住むのが不安】
全国転勤を伴う仕事だとは事前に承知していたものの、希望と全く違う地方へ飛ばされることが決定すれば、地元を離れる不安や寂しさを感じる人がほとんどです。
配属先の決定から転居までの期間は短い場合が多く、心の準備ができないまま慌ただしく引っ越しをしなければいけません。特に地元に友人が多い人・これまで実家暮らしだった人ほどこのような気持ちになる可能性が高いと言えます。
新卒が地方に飛ばされる理由
入社早々に地方に飛ばされると「なぜ自分は地方に配属されたんだろう?」と不安になりますよね。
また「新人研修での評価が低く、出世コースからは外れたのかも…」とやる気を失くす新卒も少なくありません。
しかし出世コースから外れる=地方勤務ではないのです。この項では新卒が地方に飛ばされる理由についてご紹介します。
新卒が地方に飛ばされる理由
- 期待されているから
- 地方での仕事を一通り経験させたいから
- 長く仕事を続けてくれそうだから
新卒が地方に飛ばされる理由①期待されているから
新卒で地方に飛ばされてもネガティブに考える必要は決してありません。今後の活躍に期待しているからこそ、新卒を地方配属にする場合が多いからです。
まず入社後すぐに左遷されることはありませんし、会社も然るべき理由があって配属を決めています。
地方の部署は本社よりも人数が少なく、1人ひとりのマンパワーが非常に重要です。そのため期待している新卒を地方に配属し、地方の部署の底上げに貢献してほしいと考えます。
また優秀な新卒である程、地方でスキルを磨ける・すぐに成果を上げられると信頼されているのです。地方の部署も新卒が配属されることで、風通しが良くなるメリットがあります。
“本社勤務がエリート出世コース”と考える人も多いですが、必ずしもそうではありません。
地方部署でバリバリ活躍して、同期と差をつけましょう。また一定期間地方で働いた後、出世をして本社に戻されることもあります。
「地方に飛ばされた」とがっかりせず、まずは快く地方配属を受け入れて仕事に励んでみましょう。
新卒が地方に飛ばされる理由②地方での仕事を一通り経験させたいから
新卒を地方配属するのは、経験を積んで成長してほしいという会社の意向があります。
特に大企業は地方に多数の支店があり、地方勤務を含めて様々な仕事を経験できるからです。
地方の支店は本社に比べて規模が小さく、社員1人あたりの裁量が大きいため、新卒を早く1人前に育てるのに良い環境でもあります。
まずは地方で仕事を経験することで、本社勤務をしている同期よりも仕事ができるようになっている可能性は高いのです。
新卒が地方に飛ばされる理由③長く仕事を続けてくれそうだから
「地方でもしっかり頑張ってくれそう」というポジティブな理由で地方へ配属されることもあります。一定の評価をされているからこそ、会社からそう思われているのです。
会社側も新卒を採用するのに莫大なコストがかかっており、すぐに辞められるのは大きな損失です。
地方配属を快く受け入れる新卒なら、今後も長く仕事を続けて成長してくれるだろうと思われているでしょう。
新卒で地方に飛ばされても大丈夫!地方勤務のメリットをご紹介
地方部署で実際に働いてみると、案外メリットが多いと感じるかもしれません。
この項では一般的な地方勤務のメリットについてご紹介します。
※ 大きな地方都市ではなく、小さな地方都市に配属された場合を想定したメリットを記載しています。
地方勤務のメリット
- 仕事に集中できる環境
- 職場の人間関係が築きやすい
- 貯金がしやすい
- 通勤のストレスから解放される
- 仕事を早く覚えられる
- 各地方ならではの楽しみを経験できる
- やりたいことにも没頭できる
- 住めば都(意外と住みやすい)
仕事に集中できる環境
地方勤務をすると、都会の本社や支店で働くよりも仕事に集中しやすいというメリットがあります。
普段遊ぶ友人や娯楽施設が少ないので、自然と仕事に集中できる生活となっていくのです。最初はつまらなく感じる人も多いですが、徐々に慣れていくでしょう。どうしてもつまらないと思う場合は、社会人サークルを探して新しい仲間を作るのも手です。
仕事を集中して覚えれば早く1人前に仕事ができるようになるため、確実に仕事の成果を出しやすくなります。
職場の人間関係が築きやすい
一概には言えませんが、地方の支店や営業所は人数が少ない分1人ひとりと深い人間関係が築きやすいメリットがあります。
また職場もアットホームであることが多く、仕事でわからないこと・悩んでいることも相談しやすいでしょう。
一方職場の人数が多いと、どうしても人間関係は広く浅くなりがちで密なコミュニケーションは取りづらくなります。
貯金がしやすい
地方勤務は貯金がしやすいというメリットがあります。勤務地が都会の場合、娯楽や付き合いなどでお金を使う機会が多いので貯金額は少なくなりがちです。
一方地方は娯楽が少ないので、お金を使う機会が少ない上に物価も安いことが多いのです。従って自然とお金が貯まり、中には3年間で500万程貯めた新卒もいます。
地方配属を機に貯金をして、将来に備えまとまった貯金を作るのも良いことです。
通勤のストレスから解放される
地方に配属されると通勤のストレスから解放されるというメリットがあります。会社に着くまでの交通機関は空いていて、満員電車やバスで味わうストレスは感じません。また車通勤の場合も多いです。
都心部の通勤は満員電車やバスに乗ることが多く、大勢の人々の中に押し込まれるストレスで会社に着く前に疲れてしまいます。
地方であれば通勤ラッシュの時間帯をずらして行動する必要もないため、余計なストレスを感じずに済みます。
仕事を早く覚えられる
地方勤務は1人ひとりの裁量が大きく、一般的には中堅社員がやるような仕事を新卒がやらせてもらえることもあります。
新卒だからといって簡単な仕事をやるのではなく、先輩社員と共に主体的に仕事を進めることになります。
このように自ら主体的に動くことができるので、成長のスピードは格段に速くなるのです。
各地方ならではの楽しみを経験できる
都会は最新の店やサービスが何でも揃っている便利で華やかな場所です。しかし地方はそのような環境ではありません。
例えばその地方にしかない料理を食べ歩いたり、観光地を訪れたりもできます。また流行りのソロキャンプやグランピング、バーベキューなど自然の中でアクティビティを楽しむこともできるでしょう。
地方勤務の間にしかできないことを楽しむのも醍醐味の1つです。
また休日が暇な場合は、キャリアアップのための資格取得に取り組むなど有意義な時間の使い方もできます。
住めば都(意外と住みやすい)
“地方で生活するのは不便そう”というイメージがあるかもしれませんが、車さえあれば意外と住みやすい場所です。
寮がある場合を除き、都会よりも家賃が安く広い家に住めます。生活する上で必要な医療施設、金融機関、スーパーマーケットなどは徒歩圏内でなくとも揃っているはずです。
また欲しい物はほとんどネットショッピングで買えるため、不自由することはほぼないでしょう。
引っ越してしまえば「住めば都」と思うかもしれません。
どうしても地方勤務をしたくない場合の対処法
投稿者プロフィール
- AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。
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