「退職金なしの会社は違法ではないか?」「退職金なしなんて、やばいブラック企業じゃない?」
しかし今、退職金なしの会社が増えているのです。また退職金のある会社でも、当てにならない時代となりました。定年退職までにリストラに遭ったり、早期退職を促されることもあるからです。
「世界のトヨタ」と呼ばれる大企業でも、終身雇用の保証ができないと公言しました。これは日本社会の終身雇用制度の崩壊を意味します。
私たちはどうすれば安心できる人生を送れるのでしょうか。
今回の記事では退職金に関する知識や、退職金なし・やばいという悩みの解消法を詳しくお伝えします。「退職金なしはやばい!」と危惧している人は、ぜひ最後までお読み下さい。
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もくじ
退職金なしの会社でも違法ではない
「退職金を支払わないのは違法」
これまで退職金が支払われるのが普通だったため、違法だと考える人は大変多いでしょう。
しかし退職金なしでも違法にはならないのです。この項ではその理由について解説します。
退職金なしでも違法ではない理由
- 退職金は会社の福利厚生
- 退職金なしの会社は全体の約20%
退職金は会社の福利厚生
「退職金なし」は違法ではありません。実は退職金の支払いは、会社の福利厚生の1つなのです。
つまり退職金制度を導入するかは、会社の意向に任せられており、法的に義務付けられていません。就業規則に記載がなければ、退職金は支払われないことになります。
また退職金制度があっても「支給する従業員の範囲は会社が定めるもの」と法で定められています。従って入社前の就業規則の確認は大変重要なのです。
退職金の歴史
「退職金と終身雇用」は江戸時代からある制度です。定年退職後、お金の心配をせずに老後を暮らせるようにと作られました。
また「会社を最後まで勤め上げてくれてありがとう」という、社員に対する感謝の気持ちも込められていたそうです。
退職金なしの会社は全体の約20%
厚生労働省が実施した「平成30年就労条件総合調査」で、退職金制度のある会社は全体の約80.5%ということがわかりました。残りの約20%の会社は退職金なしということになります。
そして退職金なしの会社は、以下4点の特徴があると調査で明らかになりました。
- 従業員数が少ない会社
- 宿泊業
- サービス業
- 飲食業
退職金に関する5つの知識
この項では退職金に関する5つの知識をご紹介します。スピードの速い社会の変化により、退職金にまつわる事情も変化しています。
退職金に関する5つの知識
- 退職金なしの会社は増えている
- 退職金の金額が減っている
- 退職金制度があっても貰えるとは限らない
- 勤続年数が短いと退職金は少ない
- 実は月給に換算すると大きな金額ではない
退職金なしの会社は増えている
以下のグラフは中小企業の退職金に関するデータです。これは退職金なしの会社が年々増えていることを表しています。
2002年には退職金なしの会社が約10.3%だったのに対し、2020年には約20.9%と約2倍以上になったことがわかります。
現在は中小企業だけでなく、大企業でも倒産する時代です。数十年先に支払う退職金を保証できる会社は少なくなり、更に退職金なしの会社は増えると予想されます。
退職金の金額が減っている
退職金の金額も年々減っています。厚生労働省「就労条件総合調査」では、退職金と企業年金を合わせた退職給付の金額は、1997年をピークに下がり続けていることがわかりました。
1990年代後半~2000年代前半は退職金の金額のピークでした。しかし2018年は、ピーク時と比べると約2〜3割に減っています。具体的には2018年は約1788万円、ピーク時から約1083万円ダウンしています。
会社員を続けるモチベーションの1つとなってきた退職金ですが、今後金額が上がることは難しいと思われます。
退職金制度があっても貰えるとは限らない
退職金制度があっても、貰えるとは限りません。前述したように、退職金を支払うかどうかは、会社が決めることであるためです。
就業規則に退職金の記載があっても、将来的に就業規則が変わり削除されることもあります。
また会社が倒産すれば、退職金は支払われません。30年以上続いている会社は全体の約半数です。データから考えると、2人に1人は勤めている会社が倒産することになります。
就業規則の記載事項
【退職金が支払われる場合の就業規則・記載事項】
- 退職金が支給される労働者の範囲
- 退職金の決定・計算方法
- 退職金の支払いの方法と時期
非正規雇用の事例
非正規雇用は退職金なしという事例があります。2020年「同一労働同一賃金」が導入されました。(正規雇用と非正規雇用の間の不合理な待遇差を解消しようという動き)
しかし厚生労働省のガイドラインには、「非正規雇用の退職金」に関しては明記されていません。非正規雇用は退職金なしという会社が多いのです。
勤続年数が短いと退職金は少ない
勤続年数が短いと退職金の金額は少なくなります。(勤続年数が3年以下の場合は、退職金なしの会社が全体の約半数です)
例えば、勤続年数が20年の場合は約970万円貰えるのに対し、10年の場合は約310万円となります。勤続年数は半分、しかし貰える退職金は3分の1になるのです。
※ 中央労働委:資本金が5億円以上、従業員数が1000人以上の大企業を対象に集計されたデータ
※東京都:都内の従業員数が300人未満の中小企業を対象に集計されたデータ
また以下のグラフのように、勤続年数20年以下の場合は貰える退職金の金額がぐっと下がります。
退職金にかかる税金
勤続年数が20年以下の場合は、退職金にかかる税金が増えます。
退職金の税金を計算する時は、控除額(退職金の一部を税額の計算対象から除外すること)を計算する必要があります。
控除額の計算式
- 退職金の税額 =(退職金の額-控除額)×2分の1 × 税率
- 勤続年数20年以下の控除額=40万円 × 勤続年数
- 勤続年数20年超える人の控除額=800万円+70万円 × 勤続年数
まとまった退職金を受け取れる人もいる!
ある程度まとまった退職金を受け取ることができるの人の条件も先程の調査でわかっています。
それは「従業員数300人以上の企業規模の会社に、35年以上勤務した人」です。企業規模と勤続年数によって、退職金の金額が大きく変わるのです。
- 従業員数30〜99人の企業規模:5社に1社は退職金なし
- 従業員数300人以上の企業規模:9割の会社が退職金あり
※ 従業員数300人以上or未満で大きな違いあり
※ 勤続年数20〜24年と35年では1000万以上の金額差あり
実は月々の給料に換算すると大きな額ではない
実は退職金を月給に換算すると、さほど大きな額ではありません。例えば退職金が1000万円貰える場合、月給に換算すれば約2.7万円となります。
例えば勤続年数が43年(22歳〜65歳)の場合を考えてみましょう。控除額は1000万円を越えるので税金はかかりません。簡単に計算すると以下の金額になります。
- 1000万円÷43年÷12ヶ月=約1.94万円
そして手取りは、ここから社会保険料や所得税、住民税などが引かれた金額になります。
参考
- 社会保険料:約28~30%(会社負担分を含む)
- 所得税と住民税:約10%(額面の年収が500万円ぐらいの場合の額面に対する割合)
- 雇用保険:約1.5%(会社負担分を含む)
- 労災保険:約0.2~9%(会社負担分)
退職金なしの会社にもメリットはある
退職金なしと聞くと「退職金なしなんてやばい、デメリットしかない」という気がします。しかし退職金なしの会社にもメリットはあるのです。
退職金なしの会社のメリット
- 月給・ボーナスに上乗せしてもらえる会社がある
- 老後の設計ができる
- 退職金に関する面倒な手続きが不要
月給・ボーナスに上乗せしてもらえる会社がある
退職金なし会社の中には、月給やボーナスに賃金を上乗せしてくれる会社があります。
退職金は勤続年数に従って増額していくものです。このような場合は退職金なしでも、入社後すぐに高収入を得られるメリットがあります。
老後の設計ができる
想定していた退職金の額が減額されたり、なくなってしまった場合は老後の設計が崩れます。
一方、今後の月給やボーナスを想定して、貯金や資金運用をしていくことで老後資金を確実に貯めることができます。
退職金に関する面倒な手続きが不要
退職金を一括で受け取る場合、控除は受けられますが、税金を納める必要があります。退職金なしの場合は、面倒な手続きが不要というメリットがあります。
退職金を受け取る際、会社が税金の計算をするため個人的な確定申告の必要はありません。
しかし「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合、正しい税額が計算されず、税金を払い過ぎてしまう可能性があります。
そのような場合は、確定申告によってお金を取り戻すための手続きが必要です。
退職金に代わるものを準備する方法
退職金に代わるもの
- 確定拠出年金イデコ(iDeCo)
- 投資・副業をする
- ストックオプションのある会社に転職する
確定拠出年金イデコ(iDeCo)
個人型の確定拠出年金のイデコ(iDeCo)は、公的年金にプラスして給付を受けられる年金制度です。
月々の掛金を自分で設定し、運用方法を決めることができます。原則60歳以降に受け取ることが可能です。(会社員の掛金/月の上限は23000円です)
また掛金の金額が課税所得から差し引かれるため、所得税と住民税が安くなるメリットもあります。そして運用したときの利息・運用益にも税金がかかりません。
引用:個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)とは|イオン銀行
ただし、全くリスクがないわけではありません。以下をご覧下さい。
- i受け取りが終了するまで手数料がかかる
- 元本割れのリスクもある
- 原則60歳まで引き出せない
メリットとデメリットを理解した上で検討してみましょう。利用したい場合は証券会社でiDeCo口座の開設を行います。
投資・副業をする
会社とは別の収入源を確保するという方法もあります。収入源は複数あるほど、お金に関するリスクは少なくなります。例えば投資や副業がその代表例です。
もし投資をするなら勉強は必須です。銀行や証券会社のアドバイスの通りに投資をしていれば、企業の意向も入るため資金が増えない可能性もあります。
米国のインデックス投資など、確実性と利率が高いものに投資するのがおすすめです。また、NISA・積立NISAという制度を利用すれば、運用益を一定期間、非課税にできます。
またインターネット環境を整えて、副業をするのもおすすめです。特にプロ並みの動画編集やプログラミングのスキルを身に付ける(スクール・通信講座などで勉強するのがおすすめ)と、高収入が得られるでしょう。
ストックオプションのある会社に転職する
ハードルは高いですが、ストックオプションのある会社に転職して収入を増やすという方法があります。ただしストックオプションを得るの会社を見つけるのは難しい、というデメリットもあります。
※ ストックオプションとは、上場前のベンチャー企業などの従業員が自社株を一定の価格で購入できる権利です。
会社が上場したり売却された際には、株の値段が上がり大きな収入を得ることも可能です。
難しい転職こそ転職エージェントに相談しよう
「退職金なし、やばい…」と日々悩んでいるのであれば、早めの転職がおすすめです。本当にすぐに転職すべき、退職金なしのやばい会社もあります。
またストックオプションのある会社に転職したいというような、ハイレベルの転職こそ、転職エージェントが力になります。
転職エージェントのすすめ
- 退職金なしのやばい会社とは
- ハイレベルの転職こそ!転職エージェントが力になる
退職金なしのやばい会社とは
以下に該当するのなら、すぐに転職活動を始めましょう。転職エージェントでは、会社を円満に辞めるアドバイスもしてくれます。
- 退職金がなく給料も低い会社
- 成果を出しても評価が上がる気配のない会社
- 市場価値が上がるスキルが身につかない
- 将来の自分の目標につながらない仕事しかできない
ハイレベルな転職こそ!転職エージェントが力になる
転職エージェントは就活のプロ集団です。完全無料でクライアントの就活を個別で徹底サポートします。ハイレベルな転職こそ、就活のプロが力になります!
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【まとめ】退職金なし!やばい!と悩む時間はもったいない・転職エージェントにまず相談してみよう
退職金制度の導入は法律で義務付けられていないため、退職金なしの会社も増えています。退職金なしのメリットもありますが、多くの人は老後の資金繰りについて悩むでしょう。
しかし「退職金なし!やばい!」とずっと悩んでいるのであれば、その時間は非常にもったいないと言えます。
ぜひ転職エージェントに登録・相談し、1日も早く悩みを解消して下さいね。必ずあなたの力になり、現在の状況を好転することができるでしょう。
投稿者プロフィール

- AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。
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