新卒入社をした後、仕事ができない自分が嫌になり、自己嫌悪に陥ることがあります。
度重なるミスで叱責されて落ち込む上に、仕事ができない自分の価値も疑う状態。精神的にダメージを受けている新卒もいるのではないでしょうか。しかし仕事ができなくても許される期間は限られています。
この記事では仕事ができない新卒の悩みや解決策などについて、様々な角度から詳しくご紹介します。
もくじ
【デッドラインは約半年】新卒が一通りの仕事を覚えたい目安の期間
新卒が一通りの仕事を覚えたい目安の期間は、一般的に約半年と言われています。入社直後は誰もが0からのスタートで、即戦力になれないのは会社も了承済みです。むしろまっさらな状態の新卒だからこそ、社会人としての心得・仕事を吸収しやすいと考えています。
そのため最初はミスをしても仕事を教える先輩が責任を取り、手取り足取り教えてもらうことができます。しかし成長しないまま一定期間(約半年)を過ぎた途端、“仕事のできない社員”というレッテルを貼られてしまうのです。
※ 会社により目安となる期間は異なる場合があります
入社後半年を過ぎても仕事ができない場合、自分に何か問題があると考える必要があります。仕事ができない状態で在籍し続けることは、会社にとって生産性がありません。自分の給料=他の社員が余分に働いて稼いだ給料を分けてもらっているのと同じことだと考えましょう。
しかし仕事ができないままデッドラインを超えそうな人・既に超えている人も、正しく努力を続ければ状況を変えることはできます。
新卒1年目で「仕事ができない」と悩む人は少なくない
新卒1年目で「仕事ができない」と悩んでいる人が大変多いことがわかっています。2019年5月に公開された調査では、全体の64.1%の新卒が入社1年目で「会社を辞めたい」と感じていることが判明しました。
※株式会社アックスコンサルティング(コンサルティング会社)の調査による結果
この調査結果は仕事が辛い人の割合ではなく、もう仕事を辞めたい人の割合です。従って「仕事ができなくて辛い」と感じている人の割合は更に高いと予想されます。
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新卒が「仕事ができない」と感じる辛い理由 & ワンポイントアドバイス
新卒が「仕事ができない」と辛くなる理由は、主に以下の理由が挙げられます。心の辛さが軽減されるワンポイントアドバイスと併せてご覧下さい。
4つの理由
- ①OJT(新人育成期間)が厳しいから
- ②度重なるミスをして叱られるから
- ③同期の方が仕事ができる(と感じる)から
- ④人間関係に馴染めない・孤立しているから
①OJT(新人育成期間)が厳しいから
OJT(On the Job Training)と呼ばれる新人育成期間が厳しく「自分は仕事ができない人間」だと毎日が辛く感じることは珍しくありません。新卒は各部署に配属された後、約1ヶ月〜3ヶ月・長期であれば約半年〜1年程メンターとOJTを行います。
※ メンター:特定の新卒に仕事を教える先輩社員のこと(ブラザー・シスター・チューターとも呼ばれる)
OJTは決められた期間内で、一通りの仕事を覚えさせるため、大抵は新卒に厳しく指導を行います。またメンターの口調や態度も厳しいことが多く、仕事に行くのが怖くなる新卒も少なくありません。
ワンポイントアドバイス
【メンターも本当は辛い思いをしている】
表には出しませんが、メンターもOJTに苦痛を感じているケースが多いことがわかっています。
- 自分の仕事をする時間が大幅に削られるが、やらなければならない
- 本当は新卒に和気藹々と接したい・指導したいが、そのように接すると上司に叱られる(厳しく・緊張感を持って指導することが仕事を覚えさせるために必要と考えるため。日本独特の考え方で、今後は柔軟に変わっていくと予想されます)
OJTはメンターも内心辛い思いをしながら教育に当たっていると感謝しましょう。忠実にOJTに取り組めば、着実に実力は着いてきます。そしてOJTが終わった後、メンターが末永く頼れる先輩となる場合が多いのです。
【会社はOJTに資金を投じている=新卒に期待している】
OJTは新卒1人あたり最低約4万円前後の資金を要します。新卒の人数によりますが、OJTにかかる費用は決して安価ではありません。それだけ会社は新卒に期待しているのです。
このようなOJTには要注意!
OJTは厳しいと先述しましたが、コンプライアンスに違反するものもあります。次に挙げる例はOJTではなく、職場いじめ・パワハラに値します。
- 「あなたは全てにおいて劣っている」などと人格否定をされる
- わざとミスをするように仕組む
- 暴力等のいじめを受ける
- 多くの社員の前で怒鳴る など
このようなOJTと称したいじめ・パワハラが行われている場合、毎年新卒をいじめる習慣が続いているブラック企業の可能性があります。
そのような目に遭った場合は、早急に転職することをおすすめします。また状況によっては、会社の本社がある地区の労基署に相談し”あっせん”をしたり、訴訟という措置を検討しましょう。
※ あっせんとは:労働者と事業主のトラブルについて、当事者の間に学識経験者である第三者機関(あっせん委員)が入り、当事者間の話合いを促進することにより、紛争の解決を援助する制度のこと
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②度重なるミスをして叱られるから
度重なるミスをして、先輩や上司に何度も叱責されると「自分は仕事ができない」とネガティブになっていきます。
「教えられたはずなのに間違えるなんて…」そんな気持ちが続くと、次第に負のスパイラルにはまってしまうのです。
【1〜3を繰り返す負のスパイラル】
- ミスをして叱責される度に落ち込む
- 仕事ができない自分が嫌いになる
- 毎日が辛くなる
このようなスランプに陥ると、人は自分を責め続けて自己嫌悪になります。すると本来できるはずのタスクに対してもパフォーマンスが発揮できなくなるのです。
ワンポイントアドバイス
【叱られるうちが花である】
“先輩や上司に叱られる=期待の新人である”のは事実です。度重なるミスをしても、成長の見込みがあるから注意されています。成長の見込みがなく「この新卒には注意し甲斐がない・わざわざ注意する時間がもったいない」と思われていれば、何も言われず仕事も任せてもらえないのです。
「注意してもらえるうちが花」と前向きに取り組めば、不思議とミスも減っていきます。前向きさ・やる気が自然と表情や態度に表れて、相手に伝わるからです。少しずつマインドを変えてみましょう。またミスをして叱責された際には「注意して頂きありがとうございました」と最後に一言付け加えると、更に印象が良いですね。
③同期の方が仕事ができる(と感じる)から
「同期は自分より仕事ができる(覚えるのが速い)」「同期だけ先輩や上司から褒められている…」このように人と自分を比較すると「自分は仕事ができない」と感じる原因となります。
相手をライバルと考えて自分も負けない!というポジティブな気持ちになれば良いのですが、嫉妬という感情が生まれると厄介です。例えば仲の良かった同期が嫌いになってしまいます。また嫉妬で頭が一杯になり、仕事に集中できないなど本末転倒になりかねません。
ワンポイントアドバイス
【人は自分と他人を比較して落ち込む性質がある】
ある調査によると「自分と他人を比較すると落ち込むことがある」と回答した人は、全体の45.2%でした。つまり全体の約半数が落ち込むことになるので、人と比較をして落ち込む必要はありません。もしかしたら同期も同じように、自分とあなたを比較して落ち込んでいる可能性もあります。
【他人(同期)の良いところは盗んでしまう!】
明らかに「同期の方が自分より仕事ができる」と感じたら、嫉妬をやめて良いところを全て盗んでしまいましょう。仕事の仕方を観察し、”ここがすごい”と思う点があれば真似をしたり、わからなければ本人に聞いてみます。
「仕事ができず悩んでいる。○○さんは自分より仕事ができるから△△を教えてほしい」と相手を褒めるような聞き方をすれば、相手も自尊心が高まりAtoZまで教えてくれる可能性があります。仕事ができる先輩たちにもこのように尋ねると良いでしょう。(ただしOJT期間中は何事もメンターに聞くのがマナーです)
④人間関係に馴染めない・孤立しているから
入社後しばらく経っても人間関係に馴染めず孤立していると、だんだんと辛くなってきます。しかし同期や先輩との休憩・昼休みが同じである場合、孤立したまま輪の中に参加しないのはおすすめできません。
もともと単独行動が好きな性格で、学生時代は1人で気楽に過ごしていた人もいるかもしれません。しかし社会人になると、雑談中に仕事の話をすることもあり、聞いておいた方が良い話もあります。
人間関係に馴染めない・孤立してしまう人にはいくつかの特徴があります。
- 自分から人に挨拶をしない・関わろうとする行動が見られない人
- 生真面目で冗談などに合わせることが苦手である人
- 高圧的な態度・陰湿な性格の人
- 仕事のミスが多く、改善の努力をする姿勢が見えない人
- 空気が読めない・場の雰囲気を悪くする人
- ネガティブで後ろ向きな発言・行動が目立つ人
- 人付き合いが悪い・食事や飲み会などの誘いに乗らない人
- 一人で良いと思っている人
- 愛想やマナー・清潔感などが無い人 など
これらの特徴全てが悪いわけではありません。例えば”プライベートの誘いは断る”という考え方は最近の風潮です。しかしいつまでも職場の人間関係に馴染めず孤立していると、社会人としての成長・出世の機会を逃してしまいます。
ワンポイントアドバイス
【相槌・聞き役上手になってみよう】
突然グループの会話で話上手になるのは難しく、そうなる必要はありません。もし全員が話す側であれば、コミュニケーションが成り立たないからです。盛り上がるグループの会話の中には、必ず上手に相槌を打つ人・聞き役になる人がいます。例えば以下のように相槌や聞き役に徹してみましょう。
- まずは会話に入らせてもらう:「一緒にいいですか?」と聞けば普通は入れてもらえる
- 話している人がいる時:その人の方向を向いて、笑顔で頷いて相槌を打つ
- 「そうですよね・そうなんですね・それはすごいですね!・それからどうなったんですか?」と会話の流れに合わせて言う
- 皆が笑っている時:オーバーリアクション気味に皆に合わせて笑う(手は叩かない)
- 話を振られた時:(会話の流れ・内容は把握しておく)「的外れだったらすみませんが〜」と言ってから答えると安心
- 余裕が出てきたら:グループ内でずっと黙っている人に「○○さんはどうなんですか?」などその場に合わせた話を振ってみる(全員を良く見ながら参加することが大切)
同期だけのグループの場合、もっとカジュアルな言い方に変えれば良いだけです。努力をすれば誰でも徐々にできるようになり、自然と皆に馴染めます。また食事を伴う休憩でなどでは、テーブルを拭く・まとめて皆のゴミを片付けるなどの気配りも大切です。(本来必要ありませんが、早く皆に馴染む後押しとなります)
「ゴマすりはしたくない」と思う人もいるかもしれませんが、社会人の人間関係は学生の頃とは違います。職場で良い人間関係を築けば、次第に仕事もできるようになるでしょう。
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仕事ができる新卒の特徴を取り入れよう
同じ新卒でも周囲から「あの人は仕事ができる」と期待される人には共通点があります。その特徴を知って是非取り入れてみて下さい。
仕事ができる新卒の特徴
- ①仕事の質が高い
- ②会社の社風に合っている
- ③一緒に仕事がしたいと思われる
- ④仕事のゴールを理解している
- ⑤仕事に優先順位をつけられる
- ⑥論理的な話し方ができる
①仕事の質が高い
先輩や上司が評価するのは仕事の品質です。業務処理スピードが速かったり、業務量が多くても個々の仕事の質が低ければ”仕事ができる新卒”にはなりません。(あまりに仕事が遅いのは問題ですが)仕事ができる新卒は与えられた業務をおろそかにせず、質をキープする特徴があります。
②会社の社風に合っている
新卒が会社の社風と合っていれば、評価されやすい特徴があります。会社にはそれぞれの風土があり、仕事ができる人の基準は異なります。
例えば年功序列ではなく自由に意見を出せる会社では、チャレンジ精神が評価されます。残念ながら手堅く仕事をするタイプの人は「自分の意見がない」と評価されにくいのです。その逆の例もあります。この問題に関しては、転職を視野に入れた方が良い場合もあるでしょう。
③一緒に仕事がしたいと思われる
周囲の人から「一緒に仕事がしたい」と思われることも、仕事ができる新卒の特徴です。常に謙虚で感謝の気持ちを他の社員へ向けられる人であると言えます。どんな仕事でも1人で成功させるのは難しく、他の社員の支えがあってこそ成し遂げることができます。
そのため周りから嫌われる人柄であればサポートが得られず、1人で努力をしても成果が出辛く評価もされにくいのです。
④仕事のゴールを理解している
仕事で結果を出すには、仕事の全体像とゴールを理解した上で取り組む必要があります。仕事ができる新卒は、そのゴールから逆算し工程を考えてから仕事を始める特徴があります。
ただやみくもに仕事をし始めると、効率的に進められず仕事の質も低くなってしまうのです。
⑤仕事に優先順位をつけられる
複数の仕事が与えられた場合、仕事ができる新卒は各業務の優先順位を付けてから取り組む特徴があります。それぞれの期日を確認し、今すぐやるべきことから手をつけるのです。
⑥論理的な話し方ができる
仕事のできる新卒は論理的な話し方ができる特徴があります。仕事の話し合いや会議など、自分の意見を相手にわかりやすく話すことが必要です。
結論から話す論理的な話し方は、言いたいことが誰にでも伝わりやすくスマートな印象を与えます。
仕事ができる新卒になるために心掛けたい5つのポイント
仕事ができる新卒になるためには日頃からの心掛けも大切です。最後に仕事ができる新卒になるために心掛けたい5つのポイントをご紹介します。
5つのポイント
- ①受け身だけでなく先回りして仕事を探す
- ②身だしなみに気を配る
- ③体調管理をしっかり行う
- ④メモをとる・報連相の習慣をつける
- ⑤ミスをした時は言い訳をしない
①受け身だけでなく先回りして仕事を探す
受け身で与えられた仕事だけをこなすのではなく、時には他に自分にできる仕事を探すことが大切です。もちろん自分のすべき仕事を終えてからの話ですが、周りの人や上司に「他に何ができることはありませんか?」と尋ねて仕事を振ってもらう方法もあります。
②身だしなみに気を配る
シワだらけのシャツ・よれよれの靴を履いていては、仕事ができる印象を与えられないだけでなく、本当に仕事ができない人になります。ビジネスにおいて第一印象はとても重要です。
③体調管理をしっかり行う
頻繁に体調不良を起こして休む人には、仕事を任せることができません。疲れた場合は早めに休息を取り、体調が悪いと感じたらすぐに病院に行くなど体調管理が必要です。またバランスの良い食事をしたり、オンオフの切り替えをはっきりするなどの習慣もつけましょう。
④メモを取る・報連相の習慣をつける
教えてもらったことなどは必ずメモを取る・”報連相(報告・連絡・相談)”の習慣をつけることは社会人の心得です。どんなに仕事ができる人でも、メモがないと忘れることもあります。また報連相を忘れないうちに行うことで、スムーズに仕事を進められます。
⑤ミスをした時は言い訳をしない
何かミスをしたときは言い訳をしたくなりますが、素直に認めて謝ることも大切です。またどう工夫すれば同じミスをしないか、次にどう生かせるかというところまで考えられる人になりましょう。
社風に合わず評価されなければ早めの転職を!
入社したものの社風に合わず、どう頑張っても評価を得られない場合は早めの転職も選択肢の1つです。しかし転職の決意ができたとしても、新卒入社したばかりで退職し、どう転職活動を進めればいいのか不安になりますよね。
そんな時は転職エージェントの力を借りて、スムーズな転職活動を行いましょう。また第二新卒ならではの悩みの相談に乗ってもらえるエージェントを利用することも大切です。
【転職エージェントのサービス一例】
- 完全無料で利用できる
- キャリアアドバイザーによる面談
- 自己分析と意向に基づいた求人の紹介
- 書類の添削・面接の練習
- 面接などの日程調整
- 内定後のサポート など
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【まとめ】新卒で仕事ができない悩みは努力で解決!それでも無理なら転職を検討しよう
新卒で仕事ができない悩みは、まず努力で解決することを試みましょう。例えデッドラインを過ぎていても、正しく努力をすれば仕事ができなかった期間を埋めて生まれ変わることができるでしょう。仕事ができないと焦らず、自分の将来を長い目で見て考えることもポイントです。
また仕事のできる新卒になるには「どうしたら現状を少しでも改善できるか」と主体的に考えながら仕事をするとより早く成長できます。
投稿者プロフィール
- AEAJアロマセラピスト、不動産会社勤務を経てフリーランスライターへ転身。愛知県在住で料理や美容、旅行が大好きです。現在は金融・ビジネス・キャリア・ライフスタイルなどの記事を執筆しています。未経験のジャンルでも綿密にリサーチをして積極的に取り組むことがモットー!いつもわかりやすく役立つ情報をお届けできることを目標としています。またライター活動を通した「理想のワークライフスタイルの実現」も追求中です。
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