採用試験で扱われやすいフェルミ推定。基本的に計測不可能な問題が出やすいため、対策なしではほぼ確実に解けないでしょう。そこで気になるのは「フェルミ推定の例題はないの?」ということだと思います。今回はフェルミ推定の例題をメインに、採用担当が注目しているポイントやフェルミ推定攻略のコツ、そして覚えておきたい数値や解答の注意点などについて具体的に説明していきます。
もくじ
そもそもフェルミ推定とは?
そもそも、フェルミ推定とは何でしょうか。どのような業界で出題されやすいのか、面接官は何を見極めているのかについて説明していきます。
フェルミ推定は難題に役立つ思考法
フェルミ推定とは、調査不可能な難しいものを題材として、自分で推測した理論の元、問いに対する答えを出すことです。別名オーダーエスティメーションや封筒裏の問題ともいわれています。働くうえで、難しい課題が見つかった時に役立つ思考法とされており、Googleを筆頭にさまざまな企業でフェルミ推定を導入しています。
出題されやすい2つの業界
フェルミ推定は、どの業界でも取り入れられているわけではありません。主にコンサルティング会社や投資銀行などの面接試験で出題されやすい傾向があります。コンサルタントの仕事内容は、クライアントが抱えている問題を見つけ出し、解決策を提案していくことです。ですから「論理的思考力」と「仮説を立てる力」がどれほどか見極めるために導入されています。投資銀行に関しては、IBD部門で企業のM&Aや資金調達の手段を提案していきます。その際に必要となる「論理的思考力」と「提案力」をここで見定めるのです。以上2つの業界は、特にフェルミ推定と関連深い業界です。コンサルティング会社や投資銀行への入社を考えている方は、フェルミ推定の対策が必須と言えるでしょう。
採用担当が見極めている4つの力
採用担当者はフェルミ推定を通じて、主に下記4つに力を見極めていると考えられます。
- 論理的思考力
- 考え抜く力
- クリエイティブ力
- コミュニケーション能力
フェルミ推定の例題は後述しますが、一見答えを出すのは無理だろう、と思われる例題ばかりです。ただ、コンサルティング会社や投資銀行では、難しい課題が多く出てくると考えられます。そこで、解決不可能な課題だから辞めたと投げ出すわけにはいきません。自分の経験や分析を通して、課題を抱えている相手を納得させられるような論理的思考によって、解を導く出す必要があるのです。そのために採用担当者はフェルミ推定を通じて能力を測っていると考えられます。
フェルミ推定の解き方と3つの攻略のコツ
フェルミ推定は基本的に無理難題が多い傾向にあります。そこで、フェルミ推定を解くための3つのステップやコツについて具体的に説明していきます。
3ステップに分けてフェルミ推定を解く
フェルミ推定をうまく解いていくためのステップは主に3つに分けられます。「地球上で現在寝ている人は何人か?」
このようなフェルミ推定の例題をもとに実践していきましょう。
① 仮説を立てる
まずは仮説を立てていきます。例えば、世界人口は約70億人おり、人が眠る時間帯は24時~6時の6時間と仮説を立てます。ポイントしては一般常識を基準に仮説を立てていきましょう。例えば「自分はショートスリーパーだから、みんな睡眠時間は2時間だろう」という仮説は望ましくありません。もちろん間違っているわけではありませんが、睡眠時間が2時間という人はあまりにも少数なので、採用担当に伝わりづらくなります。そのため、なるべく「一般論」をもとに仮説をたてましょう。
② 計算式を作る
仮説を立てたら、実際に答えを導き出す公式を作っていきましょう。地球上の時間は24時間で成り立っています。そのため「24時~6時」「6時~12時」「12時~18時」「18時~24時」と4つの時間帯に分けられる、と考えられます。そこで「70憶×4分の1」という計算式を生み出せるでしょう。
③ 実際に計算して答えを出していく
最後は実際に計算をして答えを出していきます。つまり「地球上で現在寝ている人は何人か」という答えは、70億×4分の1=約17億5,000万人が寝ている、という答えが出せるのです。
攻略するための3つのコツ
フェルミ推定を解いていくためには下記3つのコツがあるので、それぞれ具体例を紹介しながら説明していきます。
① 大きな集団を考える
まずは大きな集団で物事を把握しましょう。先ほどの例題「地球上で現在寝ている人は何人か?」でいうと「まず地球上に人は何人いるのか」「一日は何時間あるのか」などと考えていきます。
② 細かい集団で考える
次は大きな集団を細かく分けていきます。例えば「睡眠時間は大体6時間だろう」というように考えていきます。
③ さらに細かい集団で考える
最後は、より具体的にしていきましょう。例題をもとにすると「おおよそ1日は4つの時間帯に分けられる」と考えられます。可能であれば「男性・女性なのか」「何歳をターゲットにしているのか」などとより細かくしてみても良いでしょう。
フェルミ推定をより簡単に!抑えておきたい8つの数字
フェルミ推定を解くに当たって、下記のように覚えておきたい数字があります。
- 世界人口:約70億人
- 日本人口:約1億2,000万人
- 平均寿命:男性→約81歳、女性→約87歳(80代とざっくり覚えても良い)
- 企業の数:大企業→約1万2,000社、中企業→420万社
- 労働力人口:約6,000万人
- 国土面積:約40万平方km
- 世帯数:約5,000万世帯
- 年間出生率:約100万人
代表的な数字を覚えているかどうかで、フェルミ推定の難易度は変わってきます。特に世界人口や日本人口など変動が少ない数字は必ず覚えておきましょう。
フェルミ推定の例題と解答ポイント
実際に出題されたフェルミ推定の例題とともに、解答のポイントも説明していきます。
例題1:日本で使用されているテレビの台数は?
例題2:世界中で今この瞬間トイレにいる人は何人か?
あなたは世界で何番目に若い?
気を付けよう!フェルミ推定を解く時の3つの注意点
フェルミ推定を解く時の注意点は主に3つ挙げられます。
例題の型に当てはめようとする
フェルミ推定は数学のように決まった公式はありません。そのため、フェルミ推定の例題を丸暗記して、数字を変えただけのように「型」に当てはめて答える人もいるでしょう。ただ、フェルミ推定は「答え」よりも「どのような思考回路で答えを出したのか」に注目されます。ですから、型に当てはめて答えようとすると、どうしてもありきたりな回答につながります。その結果、採用担当者に浅い思考だな、と感じ取られる可能性もあるので注意しましょう。
自分の意見を述べすぎる
時に面接官から深掘りされる可能性もあります。ただ、面接官の深堀に対してしっかりとした答えを返さずに、自分の意見ばかり述べるのは避けるべきです。特にコンサルティング会社はチームワークを重視している傾向があります。ですから、自分の意見ばかり述べていると協調性がない人、と捉えられてしまう可能性もあるでしょう。面接官とコミュニケーションを交わしながら、一緒に答えを出すくらいの気持ちで臨むのが、ビジネスのリアルを感じられて良いとされています。
いつまでたっても答えが出ない
論理的な思考を出そうとするあまり、中々答えにたどり着かない場合もあるでしょう。例えば「○○なので~、△△と予想でき~、□□ですので~、××の場合~」と答えにたどり着くまでの理由が長くなるのは避けるべきです。ですから、なるべく結論→理由→考察→結論、と簡潔にまとめる力も必要とされるでしょう。上記3つは特に優秀な人材ほど陥りやすいと言われています。なるべくフェルミ推定の例題を多く解き、自分なりの解答方法を身に付けていきましょう。
フェルミ推定の例題はどこで見つければいいのか?
実際にフェルミ推定の例題を解き、対策をしていこうと思っている方もいるでしょう。そこで、例題はどこから探せばいいのか紹介していきます。
インターネットを活用する
インターネットには過去問のように、聞かれやすいフェルミ推定の例題が数多く掲載されています。実際どのような問題が載っているか、こちらでも紹介していきます
例題1:日本にはいくつの電柱がある?
例題2:日本全国に存在するハムスターは何匹?
例題3:日本全国のマンホールの数はいくつ?
例題4:1年間で何本割りばしが消費される?
例題5:小学校から大学までに子供は何人いる?
上記でも一部です。そのため、無料でフェルミ推定の例題を解いていきたいという方はインターネットを活用すると良いでしょう。
本を利用する
フェルミ推定の例題が載っており、対策ができる本も発売されています。価格はおおよそ2,000円以下なので、お手頃価格ともいえます。インターネットには載っていない例題が記載されている可能性もあるので、より多くの例題を解いていきたいという方は本を購入してみましょう。ただ、全体的に発行された年数が古い傾向にあるため、注意が必要です。
フェルミ推定の例題を解いて対策しよう
フェルミ推定は答えよりも思考回路を見られています。そのため、たとえ明確な答えが出ないとしても自分なりに仮説・分析をして説明をしましょう。フェルミ推定の対策としては例題を見て、自分なりに答えを導き出すことです。例題を見つける方法はインターネットや本などたくさんありますので、ぜひあなたもフェルミ推定の例題を解き、本番で力を発揮できるようにしましょう。
投稿者プロフィール
- ウシ科 ウシ属 サイヨ牛。就活で100社落ちた経験、就職するも牛を牛とも思わない企業に嫌気がさして退職。それ以来、だれよりも求職者の手助けをしたいと考え、採用メディアを作り上げることを決意した。
採用に関する情報を銀行のように貯めて、だれもが引き出せるようにとの想いで採用バンクが誕生。特別編集長として求職者側に寄り添ったアドバイスを得意とする。
今では「サイヨ牛ケンくんは採用試験のプロ」と呼ばれるまでに至った。
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