就活では、面接や筆記試験、小論文など様々な選考が行われます。その中で、作文試験が出されるケースも珍しくありません。しかし、「作文なんて小・中学生以来書いてない」「どのように書いたらいいかわからない」という学生が多いのではないでしょうか。
今回は、そんな疑問を解決すべく、就活で完璧な作文を書くための書き方を解説します。いくつかのポイントさえ抑えれば、苦手な作文も楽々書けるようになりますよ。さらに、書き方の手順も合わせてご紹介します。これからの選考に向けて参考にしてみてください。では、さっそく見ていきましょう。
なぜ就活で作文の提出を求められるのか?
一般的に就活では、小論文よりも作文の方が提出を求められることが多いようです。まずは、作文と論文の違いを理解しておきましょう。
作文は「感情論」論文は「倫理論」
就活の採用試験において、作文や小論文の提出を求められることが多々あります。作文と論文は混同してしまいますが、この2つにはハッキリとした違いがります。
■作文
自分の体験や、出題されたテーマに対して「感想や感情」を書くもの。
■小論文
1つのテーマに対し、自分の「考えや根拠」を論理的に書くもの。
小学生のときは「夏休みの思い出」など自分の体験を文章にしましたよね?作文は特にルールなど決まりがなく、自由に書いても問題ありません。一方で、小論文は論理的思考を元に自分の考えをまとめ、いかに読んだ人に説得力のある根拠を示せるかが大切です。
作文からその人の「人柄」を見ている
作文と論文の違いがわかったところで、なぜ就活では作文の提出が求められるのでしょうか?面接官は作文試験で学生が書いた文章から、以下の点を見ています。
- 文章の表現から性格や人となりを見ている
- 文字から読み取れる丁寧さ、細やかさ
- 経験やテーマに対する想い
このように、学生の人格やどのような人なのか知るために作文試験を行うのです。
6つのポイントを抑えればOK!就活での作文の書き方
ここからは、実際に作文を書く時のポイントを6つご紹介します
ポイント①文字制限を確認する
就活の作文試験では、文字数が制限されているケースがほとんどです。自分が伝えたいことや表現したいことを、いかに『限られた文字数の中に収められるか』がポイントになります。文字数制限をオーバーすると「ルール―を守れない人」「きちんと理解できていない人」とマイナスな印象になってしまうので注意しましょう。
一般的に、多少文字数が少なくても制限以内の文字数に収める方が好ましいとされています。文字数制限の9割程度を目安に作文を書くと良いでしょう。
ポイント②「綺麗」な文字ではなく「丁寧」な文字で書く
作文だけに限らず、字は人の心を写すとも言われています。就活の作文は、その人の人柄を表す判断材料となり、採用担当者は作文の内容だけではなく、文字の向こうにいるあなたを見ていることを意識しましょう。
作文試験では、文字数の制限と共に時間も限られています。文章を考える時間や内容をまとめる時間を考慮して、さらに出来る限り丁寧な文字で書くことが要求されます。普段から自分の文字をあまり気に留めていなかった人が、急に綺麗な文字を書こうとしても、そう簡単に上手くいきません。作文試験があるとわかった段階で「丁寧に」文字を書く練習をしておきましょう。
字が綺麗だから採用。字が汚いから不採用。というわけではなく、「読んだ人に伝わるように丁寧に書いているか」がポイントになります。いくら文字が綺麗でも、ササっと走り書きで書いた文章と、不格好な文字でも丁寧に書いた文章とでは、一目瞭然です。これまで多くの就活生の作文を読んできた採用担当者にはすぐにわかってしまいます。
綺麗に書くよりも、「ゆっくり丁寧に書く」ことを考えながら作文の練習をしてみてください。
ポイント③タイトルと内容を一致させる
就活の作文では、おおまかなテーマは企業から与えられ、タイトルは自分で考えるというケースがほとんどです(まれにテーマも自分で決める自由作文の場合がある)。
採用担当者は、まず作文のタイトルから読み始めます。そのタイトルを念頭に置きながら作文を読み進めるため、途中でタイトルから逸脱した方向へ話が進んでしまうと、落胆させてしまう可能性があります。その対策として、以下の2点があります。
- 書きながらこまめにタイトルを見返す
- 文章を書き終えてからタイトルを決める
段落ごとにタイトルと合っているかチェックしながら進めたり、作文を書き終えてから全体をみてタイトルを決めたりなど、自分に合った方法を選びましょう。
ポイント④読みやすいように一文を70文字に抑える
読み手にスムーズに文章を読んでもらうためには、一文を長くしすぎないことも重要なポイントです。一文は約70文字程度までとすると読みやすくなります。採用担当者が読みやすい文章を書き上げる為には、一文の長さを適度に留め、70文字前後を目安に区切ると読みやすくなります。
また、本番前の練習として書いたものを一度音読してみると良いでしょう。声に出して読むことで、一文が長すぎないかチェックできます。
ポイント⑤作文の基本!段落をつくる
一文一文の長さも大切ですが、段落をつくることも読みやすい作文を書く上では欠かせません。作文全体のバランスを整える為の作業が段落分けであり、適度に段落を分けられていない作文は採用担当者に「読みやすさに対する配慮が足りない」という印象を与えてしまいます。
段落を分ける作業は、自分が内容を整理して書きやすくする目的もありますが、読む人に対する配慮でもあります。ある程度文章がまとまったところで改行して、1文字分空白を設けて新しく文章を書き出しましょう。
ポイント⑥文体「です・ます調」と「だ・である調」を統一する
これは基本中の基本ですが、作文内の文体は必ず統一して書くようにしましょう。主に「です・ます調」と「だ・である調」の2種類があります。「だ・である調」は堅い印象となるため、論文などによく用いられます。一方「です・ます調」は柔らかく、親しみやすい印象となっるため、作文試験では基本的に「です・ます調」で文章を書きましょう。
また、自然な文章にするためには同様の文末表現を連続して使わないこともポイントです。
✖ 「~です。~です。~です。」
○ 「~です。~なります。~でしょう。~でした。」
就活での作文の書き方「序論」「本論」「結論」
ここからは実際に作文を書く時の手順をご紹介します。いきなり書き始めるのは難易度が高いため、作文は「序論」「本論」「結論」の3つの構成に分けると書きやすくなります。序論と結論が文章の「骨」。本論は「肉付け」という位置づけになります。
自分がアピールしたいこと「序論」
まずは作文でアピールしたいことの概要を序論として書きます。序論で特に力を入れたいのは書き出しの一文です。最初の一文でどれだけ読み手の興味を惹けるか、もっと読んでみたいと思わせるかが重要です。序論は本文の中で最初に目を通す部分でもあります。魅力的な書き始めに出来るかどうかで、採用担当者を引き込めるかどうかが決まります。書き出しの一文は表現方法を工夫して、読み手の興味を惹き付けるものに仕上げましょう。
序論の内容を詳しく解説「本論」
本論は、序論で書いた内容について深く掘り下げていきます。本論では具体的なエピソードや過去の経験、自分の意見などを盛り込んで作文を肉付けしていくイメージです。3部構成の中で一番ボリュームが多い部分になるので、テーマから離れた内容にならないように注意しましょう。
本論がなかなか進まない場合は、飛ばして結論から書いてしまうのも手です。ゴールを決めておけば、内容がブレることなくスムーズに書き進めることができます。
作文の締め「結論」
最後の締めくくりである結論では、作文のテーマに対する自分なりの回答を書きましょう。
就活での結論は作文のまとめではなく、出されたテーマに対して、自分がどう感じたか、何を伝えたいかを明確にする部分です。また、序論の書き始めの一文と同じく、結論の締めの言葉も作文の印象を大きく左右するポイントです。採用担当者を意識して、書き終りの言葉にも一工夫凝らしてみましょう。
まとめ~就活の作文は6つのポイントと3部構成を覚えればOK~
今回は、就活の作文試験を突破する書き方についてご紹介しました。
「作文」と聞くと苦手意識が強く出てしまう人が多いと思います。ですが、ポイントを抑えて、3つの構成をマスターすれば、誰でも作文を書くことができます。もう一度この記事を読み返し、作文の対策をしっかり行ってから選考に臨みましょう!