名刺交換はビジネスを進めていくうえで重要な最初の挨拶です。最初の挨拶でしくじらないよう、名刺交換のマナーについてきちんと把握しておきましょう。
この記事では、1人の相手と名刺交換する際のマナーだけのご紹介にとどまりません。ビジネスの現場においては、複数人と名刺交換する場合も多々あるでしょう。その際に慌てないで済むように、複数人と名刺交換する際のマナーについても解説していきます。
さらに、番外編として名刺入れをプレゼントする際のマナーも一緒に掲載しています。ぜひ参考にしてください!
ビジネスにおける名刺交換のマナー
まずは、名刺入れをビジネスで持つ人なら欠かすことはできない、名刺交換の方法についておさらいしておきましょう。
名刺交換はビジネスを成功に導く最初の挨拶
名刺交換はビジネスでの最初の挨拶であり、自分の名前が書かれた名刺はいわば自分自身というほど大切なものです。また、名刺には名前の他に企業名や所属部署も書かれていますので、自分自身が企業の一員であることの証にもなります。
名刺交換を行うのは人と人ですが、名刺交換の意味はそれだけにとどまりません。ビジネスにおける名刺交換は、人同士の挨拶であること以上に、これからビジネスを開始する企業と企業の関係がうまくいくための挨拶でもあるのです。
名刺の受け渡し順はビジネスの関係性で決まる
ビジネスにおける上下関係は、発注側が上、受注側が下と決まっています。たとえ、相手が年下であったとしても、ビジネス上お金を受け取る側にいる場合は、自分の方が目下になります。
名刺交換の基本は、「目上の人に対して、まず目下の者が挨拶をする」ことです。
まだビジネスが始まっていない場合には、その都度の場における目上の者・目下の者は異なってきます。例えば、部署の肩書きです。これはわかりやすいですね。相手も自分と同じ肩書きである場合には、それぞれの企業の大きさや企業間における立場によって、目上・目下が決まっています。
名刺の受け渡し手順
では、どちらが先に名刺を出すかはご理解いただけたと思うので、、実際の流れを具体的に見ていきましょう。
名刺を切らすことはマナー違反
では、名刺交換におけるマナー違反とはどのようなことをいうのでしょう。
まず、名刺交換の際に自分の名刺を切らすことは基本的にはマナー違反となります。ビジネスの相手に会いに行くときには、相手に渡す名刺があるかどうか常に確認するようにしましょう。
万一、名刺が切れていたら、名刺を切らしていることを相手にお詫びしたうえで次回会う時にお渡しする旨を伝えましょう。そして、次回お渡しするときにも、お詫びの言葉をひと言付け加えるのがベストです。
名刺交換のマナーにとらわれ過ぎず臨機応変に
名刺を出す順番は基本的に決まっていますが、同時に差し出したり目上の相手から先に差し出されてしまうことも時にはあるでしょう。そのような場合には、基本を守っていると名刺を差し出している相手を待たせてしまう可能性もあります。基本に従うよりも、その場に応じて臨機応変に動くことが相手に対して失礼にならないことも多々ありますので、場の空気を読めるようにしておきましょう。
テーブル越しの名刺交換は避ける
最後に、名刺交換は相手との間に何もない状態で行います。例えば、相手の企業を訪問して、先に席に着かされ、相手が来たときにテーブル越しになってしまうような場面では、自分が相手の方に動き、相手との間に何もない状態を作ったうえで名刺交換を行いましょう。
笑顔で名刺交換できれば好印象
名刺交換とひと言でいっても、その作法はご紹介したように細かく定まっています。
ビジネスに携わるようになって名刺交換を始めたてのころは、「手順通りにきちんと行わないと!」と緊張してしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、名刺交換は相手とのコミュニケーションです。名刺交換に慣れてきたら名刺交換という場を活用してビジネス関係になる相手に好感を持ってもらえるようにしましょう。
例えば、自分の名刺を相手に渡すときです。通常、自分の目線は差し出す名刺の方に向きがちですが、そのような時こそ、相手の顔の方に目線を向けるようにしましょう。
そして、できれば微笑みながら、ゆっくり自分の会社名や氏名をいうように心がけるのです。これだけでも相手はあなたのことが印象に残るでしょう。
複数人で名刺交換する際のマナー
1人の相手に対して名刺交換するときのマナーは把握できたでしょうか。では、続いて複数人で名刺交換する際のマナーについてご紹介していきます。
基本的のベースは1対1と変わらない
複数人で名刺交換するときは、まず目上の人が名刺交換を行います。
例えば、自分が上司と取引先の企業を訪問し、名刺交換を行う場合を想定してみましょう。相手側にも上司と部下の2人がいて、合計4人で名刺交換を行うと仮定します。
さらに、取引先の企業がビジネス上お金を出す方(発注先企業)だと仮定すると、取引先の上司の方が自社の上司よりも目上という立場になります。
仮定した内容で名刺交換の手順を以下でご紹介します。
- 自社の上司と取引先の上司が名刺交換する
- 自社の上司と取引先の部下が名刺交換する
- 自分と取引先の上司が名刺交換する
- 自分と取引先の部下が名刺交換する
現場には4名いますが、実際には対面で2人が名刺交換するようになります。したがって、「目上の人に対して、まず目下の者が挨拶をする」という名刺交換の基本は変わりません。
受け取る際に名刺入れの上で複数枚重ねない
複数名で名刺交換するときは、名刺の受け取り方にもマナーがあります。以下でまとめました。
- 1人目の名刺を一旦名刺入れの上で受け取る
- 受け取った名刺を名刺入れの下に移動させる。
- 名刺入れの上に前の人の名刺がない状態で次の人の名刺を名刺入れの上で受け取る
名刺入れの上で名刺を重ねて受け取る行為はマナー違反なので気をつけましょう。
また、名刺を受け取った後にテーブルの上に並べる際のマナーについても解説します。
一般的に複数名からもらった名刺はしての席順に並べるのがいいでしょう。
また、名刺入れの上に置くのは、相手の中で1番目上の人の名刺だけです。
スマートな受け渡し方法をマスターすべき
名刺交換の手順は把握できたでしょうか。複数人で名刺交換をする際、多くの人が焦ってしまうのが、受け渡しの名刺さばきです。少しでも受け渡しをスマートに行ない、相手に好印象を持ってもらいたいものですよね。
相手から受け取った名刺ははじめに名刺入れの上に置くことになります。そのため、相手に渡す名刺は名刺入れの下に持って待機しておきましょう。ここでむずかしいのは、相手から受け取った名刺を名刺入れの下に移動させつつ、自分の名刺を渡す部分です。
このポイントは、自分の名刺をあらかじめ渡す人数分用意しておくことです。また、相手から受け取った名刺は、ひとまず名刺入れに挟んでおくようにしましょう。完全に名刺入れに入れるのではなく、少しはみ出す程度に挟んでおくといいですよ。
【番外編】名刺入れをプレゼントするときのマナー
ここからは本題と少しずれて番外編をお届け!自分の顔ともいえる名刺を保管しておく名刺入れに話題を移してご紹介していきましょう。
名刺入れはビジネスに欠かせない小物の1つです。そのため、名刺入れを働く女性にプレゼントとして贈りたいという人もいることでしょう。例えば、これから心機一転、新しい職場働き始める女性や大学や高校を卒業して企業に就職が決った新社会人にお祝いとしてプレゼントする場合、どのようなことに注意したらいいのでしょう。具体的にご紹介します。
名刺入れを贈ることに込められた意味
名刺入れを贈る場合、一般的には以下の意味を持つとされています。
- 「精進しなさい」
- 「これから頑張ってね」
名刺入れを贈る人にとっては単に「新しい名刺入れを使ってほしい」という気持ちで贈るのでしょう。しかし、贈り物にはそれぞれ一般的に意味が込められている品もたくさんあります。名刺入れも例外ではありませんので、名刺入れを贈る時には注意するようにしましょう。
目上の人に贈ると失礼になる場合も
名刺入れをプレゼントする際には、ご紹介したような意味が自然と込められてしまうので、目下の女性や友達に贈ることは大丈夫ですが、年上の人・立場が上の人に対する贈り物としては適しません。
名刺交換のマナーは社会人にとって必須
名刺交換はビジネスにおいて重要なもの。名刺交換のマナーは正しく把握しておくことが大切です。基本的なマナーを守りつつ、ビジネスの現場では臨機応変に対応することが求められます。1人の相手との名刺交換が上手くできるようになったら、複数人で名刺交換する場合を想定して、事前にシミュレーションしておくといいですね。応用力がつき、名刺交換がスムーズに行えるようになるでしょう。