本格的に就活が始める前に、一度は検討するであろうインターンシップ。「インターンシップに参加する方がいいと思うけど、どんなメリットがあるのかよく分からない」そんな学生も多いのではないでしょうか。
今回は、インターンシップに参加するメリットやインターンシップの概要について解説していきます。自分で書類を作成して、企業に送付するなど手間のかかるイメージがあるインターンシップですが、メリットを正しく理解すれば、あなたもインターンシップに参加したくなると思います。
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インターンシップとは就業体験を行う制度のこと
インターンシップとは、企業や官公庁が学生に対して就業体験の場と機会を提供し、そこに学生が参加する制度のことです。インターンシップに参加することで、希望する企業や官公庁の働き方や具体的な業務内容を就活を行う前に知ることができるのです。
社会人となる前に就業体験を行うことで、自分の適正や本当に自分がやりたいこと、自分自身の実力を知ることができるいいきっかけとなります。これまで、興味がなかった業種でもインターンシップに参加して興味が湧くようになった。ということも考えられます。逆に、自分には向いていない業種を知ることができるかもしれません。
インターンシップは、本来就活を行う前の大学生を対象に就業体験をしてもらうことを目的としています。しかし、自社のことをより深く知ってもらうため、就活が始まる前に優秀な人材を獲得することを目的とした企業も年々増加しています。せっかく内定を出して入社してもらったにも関わらず、入社数ヶ月で退職されると企業としても大きな痛手です。
そのように、入社後のミスマッチやギャップを埋めるための役割もインターンシップは担っているのです。
インターンシップは大きく3つに分けられる
学生が企業に赴き就業体験を行うインターンシップですが、その種類は以下の3つに分けられます。
- 長期インターンシップ
- 短中期インターンシップ
- 短期インターンシップ
それぞれどのような意味があるのかを解説していきます。
より実践的な長期インターンシップ
数ヶ月から1年にわたって行われる長期のインターンシップ。もっと長い場合だと、2〜3年実施する企業もあるようです。長期のインターンシップでは、時間の制限があまりない状態ですので実際の業務に関わる仕事を経験することができます。
長期のインターンシップは、採用に意欲的な企業、ベンチャー企業など即戦力となりそうな人物の採用を目的として行われるのがほとんどです。自身のスキルアップや社会人として必要なマナーを実践形式で身につけたい学生にはピッタリではないでしょうか。企業に認められると、そのまま内定をもらえることも考えられます。
長期のインターンシップは、大学1年生から大学院生まで幅広く募集をしています。実際の業務を任せてもらうことが多く、報酬が発生する場合がほとんどです。長期インターンシップを行なっている多くの企業では、就活の選考と同じように面接やエントリーシートによる選考を行なっています。
インターンシップに参加したいからと言ってすぐに、参加できるのではなく事前の準備が必要となることを肝に銘じておきましょう。
いいところ取りの短中期インターンシップ
短中期型のインターンシップでは、2日から1ヵ月程度の就業体験を実施する企業が多いです。長期インターンシップに参加するほど、時間を取ることが難しい場合、短期インターンシップだと物足りないと感じる学生にお勧めです。
企業についての説明の他にも、企業側が学生に課題を与え、実施後には学生に意見を求めるといったワークショップを実施する企業もあります。短中期のインターンシップに参加する場合には、エントリーシートやWebテスト、面接等で選考を行うことが多いため、事前に準備を行う必要があります。
企業理解を深めるための短期インターンシップ
短期のインターンシップは1〜2日間が一般的で、長くても2〜3週間で終了します。大手企業が多く実施している短期のインターンシップですが、大学が長期休業となる夏休みに開催が集中する傾向があります。しかし、春休みや冬休みに実施する企業もありますので、参加したい企業がある場合は、日程をきちんと確認するようにしましょう。
短期インターンシップの目的は、企業に対する理解を深めるためです。会社の説明はもちろんのこと、職場見学などの「セミナー・見学型」と、あらかじめ決められたプロジェクトにに5〜10名のグループで取り組む「プロジェクト・ワークショップ型」があります。
ホームページやパンフレットを見れば、その企業がどのような事業を行なって、経営理念は何を掲げているのかわかります。しかし、オフィスの雰囲気やどのような人が働いているのかは実際に企業に行かなければ感じることができません。
なるべく多くの企業の雰囲気を肌で感じ、自分の適正に合っているか知りたい学生にはおすすめのインターンシップです。
大学3年の夏と冬に参加する人が多い
「あの企業のインターンシップに参加したい」と思っていても、企業によっては、インターンシップ参加のための、書類選考や面接を行っている場合もあります。準備が間に合わずに参加できなかった。なんてことにならないために、日頃から情報収集を行うようにしましょう。
インターンシップに参加する時期は、大学3年生の6月頃から大学4年生の3月頃が非常に多いです。多くの企業は、大学3年生の夏にインターンシップを開催しています。このタイミングで行われるインターンシップでは、自社のPRを目的としていたり、会社の仕事内容を紹介することがメインで行われます。
中には、大学4年生の春や秋にインターンシップを実施している企業もあります。こちらは企業のPRのためではなく優秀な学生を見つけるという目的があります。本格的な選考試験目前でのインターンシップということもあり、内定に直結している可能性が非常に高いです。
インターンシップに参加するための準備
インターンに参加することは貴重な経験であり、就職活動において自己をアピールするための有益な材料として活用することができます。だからといってとりあえず手当たり次第にインターンへの参加を申し込んで参加した、という結果は自己PRとしては上手く利用できません。
また、スケジュールによっては同じ日程でインターンシップが行われる場合もあります。あとで自分が後悔することのないように、できるだけ準備をしておきましょう。
インターンシップに参加するメリット
インターンシップに参加しようと思っていても、「時間を作るのが難しい」「書類を準備するのが面倒」などなかなか行動に移すことができない学生も多いのではないでしょうか。
しかし、インターンシップに参加することはメリットしかないのです。インターンシップに参加する期間ごとに分けて解説していきます。
長期インターンシップに参加するメリット
長期のインターンシップに、参加するメリットは以下のとおりです。
①会社の雰囲気を肌で感じることができる
長期のインターンシップでは、数ヶ月〜年単位で行われることが多いため、会社の雰囲気を長期的に肌で感じることができます。例えば、あなたが仕事でミスをしてしまった時に周りの先輩社員はどのように声をかけてくれるでしょうか。
フォローをしてくれる環境が整っている、失敗しても次もまたチャンスをくれるなど、失敗の次のアクションを実感できるのは、長期的に職場で働くことができる長期インターンシップのメリットです。
②認めてもらうと早期内定を獲得できる
長期インターンを行っている企業は、ほとんどがベンチャー企業だと言われています。ベンチャー企業は、経団連加盟企業が少ないため、採用に関するルールが適応されません。そのため、長期インターンシップを行なって、学生の能力を見極め、企業に適した人材だと認めてもらうことで早期に内定を勝ち取ることも可能です。
実際に働いて内定を獲得することで、「入社したが思い描いた企業ではなかった」と入社後のミスマッチも生まれにくいメリットがあります。一緒に働いて知り合いも増えた環境で社会人としても働くことができると、「新しい環境に慣れることができるだろうか」という不安も抱えなくて済みます。
③給料が発生する場合もある
長期インターンシップの場合、給料は日給制や月給制など、時給制などで給料が支払われる可能性があります。短期インターンシップはあくまで「学生」として扱われるのですが、長期インターンシップでは「労働者」として扱われます。
インターンシップに参加している学生が、労働基準法の「労働者」とみなされている場合、企業はインターンシップに来ている学生に対して適正な賃金を支払わなければなりません。
労働者としてみなされるかの基準として、企業から実践的な指揮命令を受けているか、学生が働くことで利益・効果が企業に帰属しているかが重要となります。給料以外にも、交通費や食事に関しても手当を支給してくれる企業もありますので、インターンシップといえども一社員のような待遇を受けることができます。
④より実践的なスキルを身につけることができる
長期インターンシップでは、さまざまな業種の募集が行われます。中には、普通に大学に通っているだけでは触れることができない業種もあります。ライター、営業、エンジニア、企画担当などが挙げられます。
それらの業種は、お金を払って勉強する講座や専門の学校まで存在します。わざわざお金を払ってまで身につけたいと思っている人がいるスキルを、長期インターンシップでは給料をもらいながら身につけることができます。
さらに、インターンシップでは学んだ知識を実際に現場で活かすことができるので、インプットとアウトプットを同時並行で行える非常に効率の良い勉強方法なのです。
短期(中短期)インターンシップのメリット
短期(中短期)のインターンシップに、参加するメリットは以下のとおりです。
①就職活動の練習になる
本格的な就職活動が始まると、内定獲得までにはエントリーシート、ウェブ面接、一次面接、二時面接、グループディスカッションなど多くの難問が待ち構えています。
今まで大学で勉強に励んでいた学生が、いきなりエントリーシートを作成したり、面接時に注意しなければいけないマナーなどを完璧に行うことは至難の業だと思います。
しかし、インターンシップに参加した経験があれば、就活が始まっても冷静に対応できる可能性が高いです。エントリーシートの書き方はもちろん、面接での受け答え、グループディスカッションもインターンシップで行われることなので、自分に自信を持って臨むことができるでしょう。
また、インターンシップの競争率は、本選考よりも高いと言われています。参加する企業によっては、インターンシップに参加したこと自体が自信となり、本選考でも臆することなく自分の実力を発揮することができるでしょう。
②人脈を増やすことができる
インターンシップに参加すると、違う大学の学生と知り合う機会が増えます。「わざわざ仲良くなる必要はない」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、インターンシップで知り合った学生と連絡先を交換し、情報交換をすることで企業の情報をより収集することができます。
就活は、情報戦とも言われる時代ですので、同じ大学にサークルやゼミなど情報交換をできる特定のコミュニティを持っていないなど情報戦を乗り越えるネットワークがない人にとっては大きなメリットとなるでしょう。
もちろん、人脈を増やすのは企業で働く社員と交流ができることも指しています。インターンシップは、就業体験をする場ですが採用活動の一つでもあります。会場には採用担当者がいることも考えられますので、積極的に話しかけることで、顔と名前を覚えてもらうことに繋がります。
③インターンシップに参加したことが選考で有利になる場合も
短期インターンシップに参加する目的は、多くの方が「内定獲得」でしょう。人気企業のインターンシップでは、「本インターンシップで優秀な成績を収めた学生には、本選考の一部を免除する」などとされていること守ります。
それどころか、内定者の半数がインターンシップに参加した人だったと言われている企業もありますので、気になっている会社がある場合は、就活を始める前にインターンシップを行っているのか調べておいた方が良いでしょう。
中には「インターンシップの内容は、本選考と関係ありません」と公言している企業もありますが、インターンシップで好印象を与えることができれば採用担当者の目には間違いなく止まります。本選考と関係がないと言われていても、インターンシップは自分をアピールすることができるチャンスであるということを覚えておきましょう。
④企業の雰囲気を味わうことができる
インターンシップは、基本的に会社内で行われます。実際に社員の方がどのように働いているのか、社内の雰囲気を知ることができます。
働いている服装、柔軟な働き方ができるのか、どのような経歴を持った人が多く在籍しているのか、上司と部下、同僚の関係は良好かなど、どこに着目して社内を見るかは人それぞれですが、実際に目にしなければ分からない情報を手にすることができます。
働いている社員や雰囲気がわかれば、その企業がどのような人材を求めているかを分析することができます。もし自分に足りないものがあれば、本格的な就職活動に入る前までに補うように努力することができます。
また、自分が実際に入社して働くイメージもしやすくなりますよね。「自分が働いている姿をイメージする」ことは、就活を行う上で非常に大切で、働く姿がイメージできない企業に就職ことはおすすめしません。
インターンシップはメリットしかないので積極的に参加を
今回は、インターンシップに参加するメリットやインターンシップの概要について解説しました。長期インターンシップと短期インターンシップでは、得られるメリットが違います。時間に制限がないのであれば、自分がインターンシップに参加して、どのようなメリットを得たいのかを考えてから、どちらに参加するのか決めることも非常に良いと思います。
最近では、大学1年生から参加できるインターンシップも行われていますので早くから参加し周囲の学生と差をつけることもできます。ぜひこの機会に、積極的にインターンシップに参加し自分に合った企業、業界を探してみてはいかがでしょうか。