【業界研究完全版】金融業界って何をしているの?職種や仕事内容は?基本からこれからの動向まで徹底解説!

2020年5月29日

金融業界は毎年、学生の就職ランキング上位を占めている人気業界の1つです。業界の特徴として「採用人数が多い・高収入・安定」など、とても良いイメージを抱いている人がほとんどだと思います。

しかし、一言に金融業界といっても業種や職種はたくさんあり、企業によって特徴なども異なっています。就職活動を有利に進めていくためには、業種や企業ごとの違いなどしっかり把握しておくことが大切です。

今回は、そんな「金融業界」のについてまとめてみました。

  • 金融業界の4つの業種
  • 金融業界の職種と仕事の特徴
  • 金融業界の人気企業3社を比較
  • 金融業界のこれから

これから就職活動を控えている人にとって、知りたい情報が満載です!ぜひ参考にしてくださいね。

金融業界とは

「金融」とは、資金が余っている人から資金を必要としている人に資金を融通することを言います。例えば銀行であれば、顧客から預かった預金を企業や個人に貸し出し、その利子を得ることによりビジネスを行っています。

金融には「直接金融」と「間接金融」がある

金融には「直接金融」と「間接金融」があります。

間接金融は預金者から資金を集め、その資金を必要な人に貸し出すことを意味します。先ほど例で挙げた銀行は間接金融に含まれます。

それに対して直接金融は、資金を必要とした人が証券を発行し、それを購入してもらうことにより資金を集めるものです。企業が発行した証券を投資家が直接購入し、出資するかたちになっています。ここで証券会社が仲介役となり、その時の手数料で利益を生み出しているのが直接金融です。

その他にも「市場型間接金融」というものがあり、市場を介した取引を行なっています(投資信託やシンジケートローンなど)。

金融業界の業界規模は60兆円

金融業界の業界規模は、60兆円ほどで他の業界と比べると大きいのが特徴です。また、その内の約25兆円分を銀行が占めており、やはり「金融業界=銀行」というイメージが一番強いでしょう。

金融業界の中でもメガバンクやCM放送をしている企業は、年収1000万を超える企業も少なくありません。勤続年数も長く、離職率が低いことから「高収入で安定している」という業界イメージに繋がっています。

金融業界の主要4業種とそれぞれ仕組み

銀行

個人や企業から預金を集めて、それを企業や個人に融資する金融機関のことです。銀行の大きな特徴は、先ほどお話しした間接金融による仲介機関の役割をしています。また、営業基盤の違いから、メガバンク・地方銀行・信用金庫などに分けられています。

  • 三菱UFJ銀行
  • みずほフィナンシャルグループ
  • 三井住友銀行
  • りそなホールディングス

証券

証券は銀行とは違い、直接金融を行っています。主な業務内容は以下の4つです。

■ブローカー業務
株式の売買の仲介をする。株式を売りたい、買いたいという人の注文を受け付け、証券取引所に伝える。

■セリング業務
証券の募集や売り出しを取り扱い、新たに発行される証券などを多くの投資家に買い入れてもらえるように勧誘する。

■ディーラー業務
一般の投資家と同じように、証券会社が自分のお金と判断で有価証券を売買する。

■アンダーライター業務
企業が株式や債券を発行する際に、発行会社の代わりに有価証券を引き受ける。

  • 野村ホールディングス
  • 大和証券グループ
  • SMBC日興証券
  • みずほ証券

生命保険

生命保険会社は銀行・証券とは異なり、人の生死に関わる保険商品を扱っています。預かった保険料を保険金として支払うだけではなく、長期的に運用し、その収益を得て資産を増やしていく機関投資家という面もあります。日本は「生命保険大国」とも言われており、金融業界の中でもかなりの需要があります。

  • 日本生命
  • かんぽ生命
  • 第一生命
  • 明治安田生命
  • 住友生命

損害保険

損害保険会社は自動車事故や災害など「モノ」に関わる保険を扱う業種です。船舶に関する保険なども扱っており、幅広い保険商品を取り扱っています。

生命保険と異なるのは、一定額の保険金が支払われるのではなく、損害額により保険金の支払いが変わる「実損払方式」であることです。

  • 東京海上日動火災保険
  • 三井住友海上火災
  • 損保ジャパン日本興亜

金融業界の代表的な職種と仕事内容

個人営業

保険や証券などの金融商品を、個人に向けて販売する仕事です。顧客の要望に合わせて適切な商品を組み合わせて提案していきます。

法人営業

法人企業の財務面をあらゆる方向からサポートする仕事です。

金融商品の提案や資金の借り入れを勧めたり、資金調達のお手伝いなどを行います。また、財務面と密接な関係があることから、相手企業の経営に深く関わるケースも多いです。

ファイナンシャルプランナー

銀行や証券会社、保険会社などで、顧客である個人に対して資金計画や資産運用などの助言をします。 顧客の生活設計に合わせた提案力が求められる仕事です。

また、ファイナンシャルプランナーには国家資格「FP技能士」、民間資格「AFP」「CFP」があります。

プライベートバンキング(プライベートバンカー)

その名の通り、個人顧客に対するサポートを行います。富裕層の顧客に対し、資産運用や事業承継、相続などのアドバイスやコンサルティングまで幅広いサービスを提供する仕事です。

ファンドマネージャー

法人から預かった莫大な資産を投資運用する業務を行います。

株式市場に上場している企業への投資や、更には株式公開前のベンチャー企業に対する投資を行います。他にも、様々な企業の業務内容や業績、将来性を分析し、有望と判断した企業や国、金融商品等に投資していく仕事です。

証券アナリスト

証券会社や銀行に所属し、個別企業の将来性や社会の動向などを分析する仕事です。

分析の対象は経済だけでなく、政治情勢や新興国の経済、また新しい技術に対する情報収集や調査も行います。

エコノミスト

世界経済あるいは日本経済の動向を調査し、メディアや研究機関などに対して今後の展望を提供する仕事です。

アクチュアリー

統計学を駆使し、各保険商品にふさわしい保険料や支払金額を算出する仕事です。新たな保険商品の企画などにも携わります。

業界研究からわかる!金融業界のこれから

IT系企業が金融分野に進出

日本国内の企業だけでなく、海外のIT系企業がこれまで銀行が手がけていた決済サービスなどの業務に進出してきています。 既存の金融機関にとって大きな脅威となることは間違いないでしょう。

人工知能の導入により採用人数の減少

銀行の業務は書類の処理など人がやらなくてもいい業務が多くを占めています。近年AIの技術が発展し、今まで人が行なっていた業務をAIに代替されるオートメーション化が行われています。

そのため、リストラや採用人数の大幅な減少など、特にメガバンクでの影響が懸念されます。

グローバル市場への進出

IT系企業の参入や、業務のAI化など「金融業界どうなっちゃうの?」と不安な声もありますが、今金融業界は大きな進化を遂げています。

ここ数年、メガバンク、生命保険会社、損害保険会社などが盛んに海外企業を買収しています。 海外企業の買収によってグローバル市場への進出を加速する企業が増加してきています。海外に拠点を構えり、世界規模で各種やりとりを行えるように積極的に進めています。

金融業界で人気の大手3社の特徴

業界トップの圧倒的な規模「三菱UFJ銀行」

売り上げ ⇒ 6兆6,000億円  平均年収 ⇒ 1,067万円

三菱UFJ銀行は、業界内でも圧倒的な売り上げを誇っています。業界トップと長い歴史によるブランド力や、AIの活用、海外への進出など今後も新たな金融領域への挑戦に注目が集まります。

顧客満足度と高い収益率「三井住友銀行」

売り上げ ⇒ 5兆7,000億円  平均年収 ⇒ 1,155万円

三井住友銀行は総利益では、三菱UFJに劣りますが、収益率ではトップに位置しており、効率よく利益を上げているのが特徴です。また、「個」の力を尊重する社風で、個人の力を伸ばして企業全体を盛り上げるという方針も見えます。

このような方針から、業界内でも営業力に定評があり、個人ノルマを廃止し「顧客満足度」を重視しています。顧客を増やすことが利益に繋がる銀行業務において、満足度は欠かないため、そこに注力している三井住友は安定した業績が今後も予想されます。

既存顧客をグループ全体でサポートみずほ銀行

売り上げ ⇒ 3兆9,000億円  平均年収 ⇒ 987万円

新規開拓営業を積極的に行う銀行が多い中で、みずほ銀行は既存顧客のサポートを手厚く行っています。その理由として、唯一全国47都道府県すべてカバーしていること。そして、国内上場企業の約7割との取引を行なっているためといえます。

また、「one mizuho」といった戦略も打ち出しており、銀行・信託・証券を取りまとめた「カンパニー制」を導入し、1人のお客様にさまざまな金融サービスを提供することが強みです。

業界研究「金融」まとめ

今回は、就活生から絶大な人気がある金融業界について解説しました。

「安定&高収入」の金融業界に入社するのはそう簡単ではありません。いかに業界研究、企業研究を行うかがカギになります。今からできる対策をしっかり行い、この記事を参考に業界研究を進めて就職活動をスタートさせましょう。

 

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