集英社は、小学館・講談社と並ぶ日本の三大大手出版社です。出版社は就職を目指す人が多く非常に人気が高いですが、その中でも三大出版社への応募者数・倍率は桁違いです。そのため選考前の事前準備は重要で、あらかじめどのような選考ステップがあるのか、どのような質問がなされるかなど十分に対策しておく必要があります。本記事では、集英社の新卒採用について以下のように具体的に解説しています。
集英社の新卒選考に参加したいと思っている人、集英社をはじめとした出版社への就職を考えている人にぜひ参考にしていただけたらと思います。
後述していますが、集英社は面接回数が多いことで知られています。面接の場で活用できる自己PRについては次の記事で解説しています。
https://saiyo-bank.com/2578/
また、万が一面接に遅れそうな場合の対応方法についても参考にしてみてください。
https://saiyo-bank.com/3684/
集英社の事業内容
集英社は雑誌や書籍、コミックスなどを扱う出版社です。
雑誌(マンガ誌、ファッション誌、芸能誌、文芸誌など)、書籍(文芸書、文庫、新書、実用書、ビジネス書、全集など)、コミックス、辞典、児童書、写真集などの出版
電子書籍・電子コミックの制作・配信など
「キングダム」「HUNTER×HUNTER」「ONEPIECE」などのコミックス、若い女性向けの雑誌「Seventeen」や「SPUR」、男性向け雑誌「MEN’S NONNO」、そのほかにも「週刊少年ジャンプ」や「りぼん」などの漫画雑誌や数多くの書籍などの刊行物が、約100年に渡り多くの人の手に取られてきました。
出版不況という言葉をよく耳にしますが、インターネットやスマートフォンの普及で紙の出版物の売り上げは年々下がっています。そのため出版業界の多くの企業が紙媒体だけではなく、デジタル媒体の立ち上げを進めています。集英社もその一つで、これからはデジタル媒体におけるコンテンツの充実を始めとし、時代の移り変わりに沿った事業展開が求められます。
集英社で新卒募集されている職種
集英社ではどのような職種が新卒募集されているのでしょうか?具体的に解説します。
集英社は一括採用・職種別採用はしていない
集英社は定期一括採用を行っており、編集部門や営業部門、デジタル部門などのような部門別の採用は行っていません。一括で採用されたのち、入社後の研修などを受けた上で適性が判断され、その後各部署に配属されることになります。
なお、集英社は大卒や院卒のみならず、既卒や第二新卒も一括して採用しています。
集英社職種紹介
一括採用されたあと、一定の研修期間を経たのちに配属される部署ではどのような仕事ができるのでしょうか?集英社の職種をご紹介します。
雑誌編集
集英社では雑誌を編集する仕事が行われています。雑誌の種類ごとにチームが分けられ、仕事が進められています。
- 少年・男性コミック誌(少年ジャンプ、ジャンプSQ.、ヤングジャンプ、Vジャンプ、最強ジャンプ、グランドジャンプ、ウルトラジャンプ)
- 作家との作品についての打合せ
- 原稿の受け取り、入稿、校了作業
- グラビアページの企画・撮影
- 新人作家の発掘と育成
- 担当作家のスケジュール管理や取材手配
- コミックスや企画本発行
- 読者イベント、作品のアニメ化・映像化、キャラクターグッズ監修など
- 少女・女性コミック誌(りぼん、マーガレット、別冊マーガレット、ザ・マーガレット、Cookie、ココハナ力)
- 作家との作品についての打合せ
- 原稿の受け取り、入稿、校了作業
- グラビアページの企画・撮影
- 新人作家の発掘と育成
- 担当作家のスケジュール管理や取材手配
- コミックスや企画本発行
- 読者イベント、作品のアニメ化・映像化、キャラクターグッズ監修など
- ファッション誌(Seventeen、non-no、MORE、BAILA、MAQUIA、SPUR、LEE、Marisol、éclat、MEN’S NON-NO、UOMO)
- 企画、交渉、取材、撮影、入稿、校了作業など編集全般
- モデルやカメラマンの手配
- スタイリストとのコーディネートチェック
- デザイナーとの誌面レイアウト作成
- 読者イベントやWebページ制作など
- ジャーナリズム誌(週刊プレイボーイ)
- グラビアページや活版ページの企画、交渉、取材、撮影、入稿、校了作業など
- タレントのスケジュール確保
- ライター、カメラマンなどを手配
- スタッフマネジメント
- 写真集などの企画本発行
- 芸能誌(Myojo)
- グラビアページや記事ページの企画、交渉、取材、撮影、入稿、校了作業など
- タレントのスケジュール確保
- ライター、カメラマンなどを手配
- スタッフマネジメント
- 写真集などの企画本発行
書籍編集
書籍の編集も集英社の職種の一つです。扱う書籍の種類によって担当が分けられています。
- 文芸書・児童書・ライトノベル(編集書籍、すばる、小説すばる、文芸単行本、集英社文庫、みらい文庫、オレンジ文庫、コバルト文庫、ダッシュエックス文庫、ジャンプ j ブックス)
- 文芸誌・文芸書・文庫・児童書・ライトノベル編集業務
- 企画、執筆依頼、著者との打合せ、入稿、校了、デザイナーと装丁打合せなど
- 「すばる文学賞」「小説すばる新人賞」など各賞の選考
- 新人作家の発掘など
- 新書・ノンフィクション(kotoba、集英社新書、ビジネス書、学芸・ノンフィクション、美術書、イミダス)
- 新書・ビジネス書・学術書・美術書などノンフィクション系雑誌・書籍の編集業務
- 企画、執筆依頼、著者との打合せ、入稿、校了、デザイナーと装丁打合せなど
- 「開高健ノンフィクション賞」の選考
- デジタル・通販(e!集英社、S-MANGA.net、少年ジャンプ+、マンガMee、ヤンジャン!、Tan Zak、ジャンプキャラクターズストア、ST Channel、HAPPY PLUS ONE、FLAG SHOP、web Sportiva、週プレnet)
- 電子書籍・電子コミック・雑誌電子版の企画、制作、編集、配信、プロモーションなど、各種デジタルコンテンツビジネスに関連する業務全般
- 通販サイトの企画、商品の製作・選定、運営、管理、新規ネットビジネスの開発など
版権
版権部署では、出版された書籍などの版権に関わる業務全般を取り扱います。
- ライツ事業(国内版権、海外版権、ドラゴンボール室)
- 書籍やコミックを、アニメ化、映画化、テレビドラマ化、ゲーム化、舞台化する際に、作者から委託された権利をもとに、契約や出資の交渉などを行う
- 海外での出版に関するライセンス業務
営業
営業部署では、集英社から出版される書籍などの販売や、販売のためのマーケティング全般が行われています。
- 販売(雑誌販売、コミック販売、書籍販売、マルチコンテンツ販売)
- 自社出版物の販売業務
- マーケティング、販売計画策定、発行部数決定、販売促進
- 定期的に書店への情報提供
- 新刊案内や季節に即した拡材の制作、フェアの企画
- 著者サイン会実施
- 宣伝イベント事業(雑誌宣伝、書籍宣伝、コンテンツ事業、広報)
- 自社出版物の宣伝およびイベント業務
- テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・ネットなど各種媒体への出広
- ポスター・街頭看板・電車の中吊り広告などの製作、読者イベントやキャンペーン開催、キャラクターグッズ製作など
- 広告(メディアプロモーション、メディアプランニング、デジタルプロデュース)
- 雑誌やWebに広告を掲載してもらうためのセールス業務
- 編集部と連携しながらクライアントや広告会社と折衝を行い、タイアップ広告、コラボイベントや商品開発など
- ブランディング戦略を考えたり、マーケティング調査など
- 資材・制作(雑誌、書籍、コミックス)
- すべての出版物の用紙を選定・発注し、原価計算、印刷・加工・製本・付録製作における各過程での進行・管理を行う
管理
管理部門では、集英社の経理・総務・法務・人事を担当します。
- 経理:予算決算・出納・売掛買掛管理など財務全般
- 総務:庶務・管財・社内行事・社屋管理・防災対策などに関する業務
- 法務:法務・知的財産に関する業務や著作権をはじめとする出版に関わるルールの相談、窓口および研修の実施・商標の管理・契約書の作成など
- 人事:採用・研修・異動・給与・出退勤管理などに関する業務
集英社が求めている人材
集英社が求めているのはどのような人材なのでしょうか?それは集英社の社長メッセージから知ることができます。
仕事をするうえでの個性や強みとはなにか? それを最初からわかっている人はほとんどいません。なぜならそれは、目の前の仕事や課題に一生懸命取り組むことで、はじめて見えてくるし、磨かれていくものだからです。
ですから、「自分にはたいした取柄がない」と言う人でも、努力を重ねていくことで、きっと“なにか”が見つかると思いますし、集英社にはその“なにか”を磨いていける舞台が用意されています。こうした社員ひとりひとりの持つ“なにか”に、私は期待しています。
(中略)
集英社で働きたいと考える人に望むことは、つきつめて言えば非常にシンプルです。それは「前向きであること」と「誠実であること」。つまり、より良いものをつくろうとする「創意」、作家やクリエイターはじめ関係各所多くの方々に信頼されるに足る「誠意」、そして出版という仕事を通して人に喜んでもらいたいと思う「熱意」です。
- 創意
- 誠意
- 熱意
この3つが集英社に求められる人材に必要な要素なのでしょう。近年では結果や成果をいち早く出せることがフォーカスされる傾向にありますが、初めから結果や成果が出せる人はいませんし、そのような人材が集英社から求められているわけでもありません。
集英社は間もなく創業100年を迎えます。100年という時間をかけて集英社が創り出してきた歴史やこれまでの出版物のように、仕事に果敢に粘り強くチャレンジしたいと考えている人にとって向いている会社だと言えるでしょう。
集英社の新卒採用選考・各ステップにおけるポイント&対策
ここからは、集英社の新卒採用選考の各ステップにおけるポイントや対策について解説します。
集英社選考全般における重要ポイント
集英社の選考を受けるにあたって押さえておきたい重要なポイントが4つあります。
- コミュニケーション能力
- 体力と知力
- なぜ集英社か
- やりたいことは何か
出版社では作家・編集・校閲など様々な人との関わりがあります。そのため相手の話が聞けて快活にコミュニケーションが取れるかどうかは選考における重要なポイントです。
加えて出版社は激務です。深夜業務が当たり前にあることが出版業界の特徴ですから体力があることも重要です。体力だけではなく、アイデアを提案できることや特定の分野に深い知識を持っていることも重要です。
また、出版社は人気の業界になるので似ている業態の企業も数多く存在しています。そのため「なぜ集英社に入社することが自分にとって重要なのか」といった客観的で納得度の高い志望動機を伝えることが非常に大切になってきます。
集英社の選考では「やりたいこと」について何度も問われます。仕事柄、企画や提案が多いのも出版社の特徴ですから、単に好きなことだけではなく事業や出版物を成長させることに繋げられるような「やりたいこと」について発言できるかが重要なポイントです。そのためには自分自身がどんな人間なのか、自分の強みはどんなことなのかなど、深い自己分析をすることが鍵となります。
集英社のエントリーシート・対策とポイント
集英社のエントリーシート内容や対策について解説します。集英社のエントリーシートでは過去に以下のような質問が出されています。
- 志望ジャンルで具体的にどのような仕事に携わりたいか
- 学生時代に力を入れたこと・得たもの
- 出版社で役に立ちそうな、「長所」や「強み」
- あなたがもっとも苦手なのは、どういうタイプの人か
- これまでに集英社の作品とどのように関わってきたのか
- 集英社の雑誌をもっと売るための宣伝・PR企画
- 人生の三大ニュース1位〜3位
- あなたの映っている写真で、あなたなりの二刀流を表現
- バイトやインターンから得た仕事観
- 最も後悔していること
- 出版物以外で注目しているエンターテインメント
- 課題作文(過去テーマ「これって私だけ?」趣味や感性、ポリシー、ライフスタイルなど自分らしさが伝わるような具体的なエピソードを添えて)
集英社のエントリーシートは、講談社や小学館と比較すると圧倒的にボリュームが少なく、選考への通過率も高いと言われています。つまり、書類選考よりも面接選考が重要視されているということです。課題作文があることが特徴的ですが、他の大手出版社と比較すると難易度は低いです。
集英社の筆記試験・対策とポイント
集英社では筆記試験を受験します。自宅で受けるWebテストなどと異なり、大きな会場で一堂に受験するのが特徴です。
- 一般常識
- 漢字
- 英語
- 作文(三題噺)
- マークシート8割、短答記述問題2割
一般常識は広いジャンルからの出題ですが、その年に話題になったニュースなどの対策ができていれば問題ありません。集英社の雑誌モデルを選択させる問題が出題された事例があることから、集英社から出版されている刊行物やそのモデルになっている芸能人などは一通り押さえておく必要があります。作文は、三題噺という3つのキーワードを織り込んだ文章を作るスタイルで出題されます。
集英社の一次面接・対策とポイント
集英社の一次面接内容の過去事例や対策について解説します。
- 学生:1人
- 面接官:2人
- 面接シート記入後面接を受ける流れ
- 時間:約10分
- 集英社で取り組みたい仕事
- 学生時代に特に力を入れたこと
- あなたの強みと弱み
- 志望動機
- 英社でやりたいこと
- 好きな本
- どんな企画がしたいか
- 好きな作家
- 最近気になったニュース
一次面接は提出する面接シートに沿って進められます。圧倒的に時間が短いのが特徴で、10分という時間の中でできるアピールはほとんどなく、向けられた質問に端的に回答しなるべく面接官とコミュニケーションを取る時間を長くすることで自分自身を印象付けることがポイントです。
集英社の二次面接・対策とポイント
集英社の二次面接内容の過去事例や対策について解説します。集英社の二次面接は、個人面接が2回とグループ面接で、計3回の面接が一度に行われます。
- 学生1名、面接官2名の個人面接が2回
- 学生7名のグループ面接
個人面接
- やりたい企画
- 紙の売り上げが落ちていることへの私見
- 希望以外の部署に配属された場合どう感じるか
- 一番やりたい職種
- 自分の性格が表れているエピソード
- 最近あった面白いこと
- 紙とデジタルの違い
- 自分が編集者に向いていると思う理由
- 本と映画の違い
グループ面接
- 今年読んだ本で最も面白かったもの
- 今日のファッションのポイント
- 今1000円分の図書カードがあったら何を買うか
- 最近印象に残った広告
- 言われて嬉しかったこと
- 影響を受けた人
- 困難を克服した経験
個人面接はエントリーシートの内容について深掘りする問いかけが多く、グループ面接は面接ではあまり聞かれないような変わった質問が多く聞かれる印象があります。グループ面接では印象に残るアピールをすることがポイントで、快活なコミュニケーションを積極的に取る必要があります。
集英社の三次面接・対策とポイント
集英社の三次面接内容の過去事例や対策について解説します。
- 学生:1人
- 面接官:5人
- 好きな作家とその理由
- 自分の良さについて
- 集英社の小説で映像化するならどの作品か
- 企画のアイデア
企画についてはアイデアの提案だけではなく、その企画を立てる理由やその企画を通して立ち上げたビジネスをどのように運用していくのか、その企画を通して何を発信するのかという深いところまで質問されます。三次面接からは一通りの質問だけではなくビジネス感覚が問われ、集英社にとってその人材を雇用するメリットがあるのかどうかが判断されます。
学生のうちからビジネス感覚を養うのは難しいですが、各企業で実施されているインターンに参加することでその一端を学ぶことができます。こうした面接に生かすためにも、時間が許す限りインターンに参加することは非常に有意義です。
集英社の四次面接・対策とポイント
集英社の四次面接内容の過去事例や対策について解説します。
- 学生:1人
- 面接官:6人
- 面接後に健康診断
- どうしたら本が売れるか
- なぜ現代は本が読まれないのか
- 休みの日にしていること
- ファッション誌を読むか
四次面接では、三次面接とほぼ同じ内容の質問がなされます。自分自身のことを問われるというよりも、ビジネス的な質問が多く会社や業界全体に対する考え方が問われます。入社したいと思っている業界についてはすでに学びを深めているとは思いますが、それに対する自分の意見や提案をあらかじめまとめておくといいでしょう。そのためには、ニュースや新聞などで時事情報を把握しておくことや、できるだけ多くの本を読んでおくことも大切です。
集英社の最終面接・対策とポイント
集英社の最終面接はグループ面接です。これ1までのことからも分かるように、集英社の面接回数は5回と非常に回数が多いのが特徴です。最終面接は、これまでに質問されたのと同じような質問がなされることが多く、最終面接に対してあらかじめ対策できることはこれまでと同様です。堂々と自分の意見を発信し後悔がないように自信を持って望むといいでしょう。
集英社で働く人の声
集英社ではどのような人が働いているのでしょうか?実際に働く人の声をご紹介します。
引用:カイシャの評判
集英社の気になる待遇・福利厚生・研修・人事制度
集英社の気になる待遇や福利厚生、研修制度やその他の人事制度について解説します。
集英社新卒入社の待遇・福利厚生
集英社で提示されている待遇は以下の通りです。
待遇・労働諸条件
給与:262,300円(新卒・22歳の初任給)
※2019年度実績
諸手手当:家族手当、通勤手当(全額)、住宅手当、時間外勤務手当、社会保険料会社補助など
昇給:年1回(4月)
賞与:年2回(6月・12月)
勤務時間:午前9時30分~午後5時30分
休日:完全週休2日制(土・日曜日)、祝日、5月1日、年末年始(12月29日~1月4日)
休暇:年次有給休暇(15日~30日)、夏季休暇(5日間)、リフレッシュ休暇(勤続10年・20年・30年)、慶弔休暇、妊娠休暇、産前産後休暇、妻出産休暇、看護休暇、介護休暇など
諸制度:財形積立(会社利子補給有)、退職年金(15年確定給付年金・終身年金)、住宅資金融資、教育資金融資、各種健康管理(人間ドック・消化器健診・婦人科健診など)、育児休業、介護休業、自己啓発休業、語学研修援助、海外業務研修制度、次世代育成支援 など
諸施設:全国の旅館・ホテル・各種スポーツ施設と契約
引用:https://www.shueisha.co.jp/saiyo/company_profile/
集英社の研修制度
集英社では各ステップにおいて社員研修制度が構築されています。
新入社員研修
新入社員研修は、入社後すぐから4〜5月の2ヶ月間にわたって行われます。集英社での基礎となる社内の仕事を知ることを始めとし、グループワーク、ビジネスマナー、著作権についてを学び、さらには印刷会社など取引先企業の見学も実施されます。
中でも特徴的なのが、実際の書店に協力を仰ぎ1週間の間売り場やバックヤードで本を売る仕事をする書店研修です。これから自分たちが編集して出版させていく本が、書店で人の手に渡るところを実際に体験することができます。
また、研修終盤では新入社員と人事社員とで行われる一泊二日の合宿も特徴的です。この合宿の中で「採用ホームページ企画案プレゼン大会」や「スポーツ研修」を通じて同期同士で結束していくことになります。これらの研修を通じて同期同士のいい関係が構築できると、後々に重要な横のつながりが固められていくことになります。その後、各部署に仮配属され、最終的に10月の段階で本採用を迎えていきます。
その他の研修制度
新入社員研修の他にも、集英社では3年・5年・10年の節目、管理職昇進時などに受けられる研修があり、全社員を対象として多くの学びの機会が設けられています。過去には以下のような研修が実施されました。
- メンター研修
- 景品表示法セミナー
- デジタルコンテンツセミナー
- コンプライアンスセミナー
- 人権セミナー
- メンタルヘルス研修
- ハラスメントセミナー
- 海外業務研修
集英社の人事関連制度
その他にも、集英社では様々な人事関連の制度が設けられ、運用されています。
社内サークル
集英社には、野球、バスケットボール、サッカーなど様々なスポーツ系サークルに加えて、囲碁部や釣り部などのクラブ活動も運営されています。仕事上だけだとどうしても横のつながりが広がらないものですが、こうしたスポーツや趣味を通した集まりがあることで会社全体の交流文化が広がっています。
スラムダンク奨学金
スラムダンクは集英社出版の人気漫画です。このスラムダンク奨学金は、スラムダンク著者の上野雄彦さんの「読者とバスケットボールに恩返しがしたい」という発案から始まった奨学金制度です。この奨学金制度でアメリカの学校へ留学しバスケットボールと学業を経験した奨学生の中には、現在プロとして活躍している人もいます。
両立支援制度
集英社で働く社員には、様々な年代層の社員がいます。当然ながら、結婚をして子育てをしながら働く世代の社員や、家族の介護をしながら働く社員も大勢います。プライベートを大切にした上で、仕事の能力を発揮してもらうために多くの両立支援制度が運用されています。多くの企業が両立支援のための制度の改善を図っていますが、その中でも集英社の制度はかなり充実していると言えるでしょう。
両立支援制度一覧
【出産・育児関連】
女性
妊娠休暇(月2日まで。半休可)
妊娠時短(午前60分・午後60分まで)
産前産後休暇(16週間)
男性
妻出産休暇(3日間)
男女
育児休業(最長満2歳まで)
育児時短(最長2歳8週まで/1日2時間まで)
保育時短(未就学児。遅出または早退を1日1時間または2時間)
看護休暇(小6までの子1人につき年5日間。半休可)
特例出勤・退勤(未就学児の定期予防接種、定期健診)
ベビーシッター補助(小3まで)
病児保育補助(小3まで)
在宅勤務
【介護関連】
男女
介護休暇(要介護家族1人につき年5日間。半休可)
介護時短(最長3年間。遅出または早退を1日合計2時間まで)
介護休業(要介護家族1人につき最長2年間)
在宅勤務
引用:https://www.shueisha.co.jp/saiyo/diversity/
集英社の両立支援制度は、制度設計だけではなく利用状況も充実しています。集英社の育児休業では給与と賞与が全額支給されますが、2016年から2018年の3年間で出産した28人の女性社員は一人も退社しておらず、育休後の復職率も100%です。男性社員の育休取得も毎年数名実現しています。
この取り組みにより、集英社は厚生労働省が認定する子育てサポート企業の基準を満たし「くるみんマーク」を取得するとともに、女性活躍に向けての行動計画も策定し社内推進しています。
まとめ・集英社は面接対策が肝心!万全の準備で臨もう!
集英社の新卒選考対策について解説しました。以下に簡単にポイントをまとめます。
集英社は、出版社ならではの筆記試験や面接質問内容が特徴的です。集英社を第一志望に考える場合には、選考対策として集英社から出された書籍を読んだり雑誌を購読するなど、隅々まで対策しておきましょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。