電通株式会社は、「広告界のガリバー」とも呼ばれている日本最大手の広告代理店です。その圧倒的なシェア数で、近年では海外の広告会社を積極的に傘下に加えるなど、広告代理店グループとして世界第5位の規模となっています。
常にトップを走り続ける電通。その知名度、実力の高さから電通に入社して働きたいという学生が多く、簡単に内定を取れるほど甘くはありません。しかし、電通がどのような人材を求めているのかということをしっかり理解して対策を行えば、電通の採用を勝ち取ることができるはずです。
この記事では電通の新卒採用に関するノウハウをまとめてご紹介します!これを読めば面接でのポイントを予め知ることができ、ライバルと差をつけることができるので選考を有利に進めることができます。この記事で分かることは以下の5点です。
- 電通はどんな会社?
- 電通の新卒採用で募集されている職種は?
- 電通が求める人材は?
- 電通の新卒採用選考フロー・過去の面接内容
- 電通の福利厚生や待遇は?
電通が新卒採用で募集している職種から求める人材、福利厚生や待遇、選考フローなど、就活生が知りたい情報が満載です。では、さっそく見ていきましょう。
電通はどんな会社?
電通で選考を進めていくためには、電通がどのような会社であるか事前に知っておく必要があります。以下に電通の事業内容や経営理念についてまとめましたので、面接の際に聞かれた場合でもすぐに答えられるようにしておきましょう。
事業内容
マーケティング
時代をリードするマーケティング・ソリューションを提供し、売れ続ける仕組みの設計(デザイン)をお手伝い。電通が持つさまざまな専門的な知識、見解から多角的にコンサルティングしています。この「マーケティング・デザイン」を通じて、クライアントが直面する課題に取り組む業務です。
- 統合マーケティング
- PDCAマネジメント
- マーケティング・システム・デザイン
- ブランドコンサルティング/CI・VI
- ビジネスデザイン
デジタルマーケティング
各種テクノロジーの進化がユーザーの行動、変化に適した、統合的な支援サービスを行います。デジタルマーケティングの領域に対して「コンサルティング」「開発・実装」「運用&実行支援」これら3つの機能を提供し、統合的なサービスを提供しています。
- マーケティングインテリジェンスサービス
- デジタル運用型広告サービス
- ダイレクトマーケティングサービス
- システムソリューションサービス
- データソリューションサービス
- ソーシャルマーケティングサービス
クリエーティブ
電通はテレビCMをはじめとする、さまざまな分野で高いクリエーティブを提供しています。アイデア、メディア、人材を自由自在に組み合わせることで最適なソリューションを提案。その実力は、年間で最も優れたクリエーティブワークをした人に贈られる賞「クリエイター・オブ・ザ・イヤー」を過去30回中28回も受賞しています。
電通のクリエーター約900人在籍していて、それぞれの個性を生かした900通りのソリューションで、課題に応えます。
プロモーション
ユーザーのあらゆるニーズに応えるために、購買行動に関わるカスタマー・エクスペリエンス全体の設計を実施しています。SNSやWEB動画、スマホなどのデバイスの知見、O2O関連ツールなどデジタルソリューションも最適なかたちで提供します。
- 体験価値ブランディング
- 購買行動データ/モデル
- チャネル・ソリューション
- デジタル・アクティベーション
メディア
電通はテレビCMなどの製作のみならず、テレビ番組のプロデュース、映画の製作委員会への出資、大型スポーツコンテンツの放送権獲得など、さまざまなコンテンツに携わっています。プランニングを実践するためにMCプランニング局という専門組織を社内に設置し、ブランド課題解決策としての最適なメディアプラン、旬なメディア企画を提供しています。そのメディア・プランニングのノウハウは業界随一、だからこそ、最適なメディア企画を提供することができます。
- メディア・プランニング
- メディア・バイイング
- インタラクティブメディア
- メディアとの新ビジネス開発
- オーディエンス・インサイト開発
- プライベート・マーケット・プレイス
コンテンツ
電通は既存のコンテンツだけではなく、自らが新しいコンテンツをつくり、映画、スポーツ、音楽などさまざまなメディアを通し、消費者のあらゆるニーズに応えたコンテンツ事業を行っています。誰もがワクワクするもを作り上げ、感動を与えることも、電通のイノベーションの一つです。
- スポーツ・ビジネス
- エンタテインメント・コンテンツ
PR
電通ではグループ各社とも連携しながら、PRを広告やクリエーティブ、デジタル、プロモーション、コンテンツなどと掛け合わせて統合的にプランニングし、クライアントのニーズ、消費者のニーズにマッチしたサービスを提供します。
- 戦略PR
- クライシス・コミュニケーション
- デジタルPR
- グローバルPR
- インフルエンサー・マーケティング
グローバル・ビジネス
電通はグローバル化が進む中、特に2020年に向け日本市場を海外企業のニーズにマッチしたものにすべく、ビジネスの交差を加速させ、間接的に経済や社会の発展にも寄与すべく、電通は内外のクライアント企業にマーケティング・コミュニケーション・サービスを提供しています。
- アウトバウンド・アカウント業務
- インバウンド・アカウント業務
- グローバル・コンテンツ業務
経営理念
オフィス紹介
《東京本社》
東京都港区東新橋1-8-1
TEL: 03-6216-5111
《関西支社》
大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト17F
TEL: 06-6484-8888
《京都支社》
京都府京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町101 アーバンネット四条烏丸ビル5F
TEL: 075-241-5000
《中部支社》
愛知県名古屋市中村区名駅3-28-12 大名古屋ビルヂング29F
TEL: 052-756-2100
電通の新卒採用11職種
ここからは電通の新卒採用職種をご紹介します。
ビジネスプロデュース
プロジェクトの司令塔となり、クライアントとともに新しいビジネスを開拓していきます。
マーケティング
市場やターゲットを分析し、最適な戦略を考えていくお仕事です。
デジタルマーケティング
最先端のテクノロジーを用いて、データに基づいた戦略を行っていきます。
クリエーティブ
戦略をメッセージ化して、ユーザーに合った心を動かす企画や表現を作り出すお仕事です。
プロモーション
人々の心に残る体験を設計して、購買につながるように行動を生み出していきます。
メディア
マスメディアやデジタルメディアなど使い方をベストな状態に最適化させる業務です。
コンテンツ
スポーツや、アニメ・映画・音楽などエンターテインメントに関わる開発をします。
PR
伝えたいメッセージを、世の中で話題化されるような文脈で発信し、拡散させるお仕事です。
グローバル・ビジネス
言葉や文化の壁を超えて、人々に届くコミュニケーションを生み出していきます。
デジタルクリエーティブ職
アイデアとテクノロジーを掛け合わせて、イノベーションを生み出していきます。
アート職
デザインやアートの力を駆使し、社会に新しい発見を提示していきます。
電通の新卒採用で求められる人材
電通では以下のような人材が求められます。
- 信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出す
- 課題解決のための提案から実行まで行う
- 価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげる
- リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成する
信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出す
クライアント、関係者、仲間と信頼関係を構築してプロジェクトを進行させていくことで、よりプロフェッショナルな仕事になると考えています。信頼関係を構築することによって相手の考えている理想の広告像を引き出し、課題解決に近づくことができるのです。信頼関係を築くためのコミュニケーション力も求められます。
課題解決のための提案から実行まで行う
相手に寄り添い、ニーズや課題を引き出すだけでなく、課題解決のために提案・実行・さらに修正・改善など信頼関係を得たからこそ、最後までやり抜く力も求められます。
価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげる
電通では社内・社外共に多くの人と協力して一つのプロジェクトに挑んでいきます。CMや広告を作り出していくには一人の力だけではなくクライアント、プランナーなど様々な部署の人の協力が必要になります。また、営業ならクライアントからニーズを引き出し、デザイナー部門と共有してカタチにしていくなど、部署もプロジェクトへの関わり方も異なるメンバーと協力して実行していく力が求められます。
リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成する
電通では1つのプロジェクトをチームで動いて進めていきます。基本的なマニュアルなどはなく、自分自身で考えて動くといった主体性やリーダーシップ的要素が必要となってきます。チームで目標を共有し、自分から発信していくリードできる人材が求められます。
電通の新卒選考フロー・面接のポイント
ここからは実際の選考フローや過去の面接で質問された内容と回答のポイントを合わせてご紹介します。
採用してもらえるように学生は自分の個性を抑えてしまう傾向がありますが、面接に正解はありません。自分の感じてきたこと、やりたいこと、個性をそのまま率直に話した方が面接官との距離も縮まり、本当の自分を知ってもらった上で「一緒に仕事をしたいな」と高評価を得られる可能性が高いです。
選考フロー
- エントリーシート
- 適性テスト
- 一次面接
- 二次面接
- 三次面接(最終面接)
- 四次面接(意思確認)
- 内定
エントリーシート
電通のESでは、「読ませる」内容を書くことがポイントです。電通はコミュニケーション力で利益を上げている企業でもあるので、就活生にもコミュニケーション力の高さを求めています。数あるESを面接官が読んで「面白い」「面接でもっと話を聞いてみたい」と思わせることが大切です。面接で話すネタを加えて書くと、その後の選考がスムーズに進みます。
Communication Sheet ①
- 学業・クラブ・サークル以外の課外活動がある方はご記入ください(80文字以内)
- 学生時代に一番力を入れたことを、具体的なエピソードを交えながらご記入ください(250文字以内)
- 電通を志望する理由をご記入ください(250文字以内)
Communication Sheet ②
- あなた自身にキャッチフレーズを付けてください。
- あなたを自由に表現してください。
- あなたがどうしてもやめられないことをこっそり教えてください。
※面接ではこのCommunication Sheet①、②を印刷して持参します。
②印象に残るような文章を自分の言葉で
③エピソードに一貫性を持たせる
④面接で話すネタも入れる
適性テスト
他の企業と同様の最低限の対策を行いましょう。能力検査(言語・非言語)、構造的把握力検査。適性検査よりもES重視と言われていますが、参考書などでしっかり対策しましょう。
一次面接
【面接官2人・学生1人】一次面接では、基本的なコミュニケーション力がチェックされるため、質問に対して自分の考えを簡潔に分かりやすく伝えることが重要です。面接官を「楽しませる」ことも意識して臨機応変に会話を進めましょう。
・希望部署、それ以外になった場合どうするか
・学生時代にやったこと
・研究内容
・リーダー経験
・逆境を乗り越えた経験
・周りの人からどう評価されているか
・嫌いな人
・どんな時にストレスを感じるか
・休みの日は何をしているか
・電通でやりたいこと
・OB訪問をしたか、その人数
・最近面白いと思ったサービスや商品
・好きなCM
・これからの広告業界の展望
・他に選考を受けている企業
・Communication Sheet 2について詳しく
・逆質問
二次面接
【面接官2人・学生1人】基本的な質問に加えて、志望度の高さやストレス耐性に関する質問など、「本気度」が問われます。電通でやりたいこと、電通をどれだけ理解しているかを準備し、自分の熱意をアピールしましょう。質問内容は一次面接とほぼ変わりません。「志望理由」や「電通でやりたいこと」を一次面接よりも掘り下げて伝えてみて下さい。
三次面接(最終面接)
電通の四次面接は採用への意思確認のすり合わせなので、三次面接が実質的な最終面接となります。三次面接では「電通で働く覚悟」「電通でなければいけない理由」が問われます。志望度の強さや、具体的なキャリアビジョンを準備して臨みましょう。ところどころ今までの面接とは違い威圧的な場面もありますが、自分の軸を変えず伝えてみると◎
・電通でのキャリアビジョン
・どんなことをやりたいか
・他に選考を受けている企業
・繁忙期には本当に忙しいがそれでも大丈夫か?
・希望する部署ではないかもしれませんがどうしますか?
四次面接(意思確認)
面接というよりも、役員との意思確認の顔合わせです。質問も自己紹介・志望動機・入社意思と少なく、回答も簡潔に答えた方がいいようです。よほどのことがない限り採用となりますが、最後まで気を抜かずに臨みましょう。
電通で働く先輩社員社員の声
Q.電通の使えるところ・電通を使って成し遂げたい夢は?
電通公式HPより引用
電通の福利厚生や待遇
ここからは電通の気になる平均年収やどんな環境で働けるかなど福利厚生を見ていきたいと思います。
電通の平均年収は1,250万円
電通の平均年収は1,250万円という結果に。年代別に見てみると
- 20~24歳 354万円~384万円
- 25~29歳 915万円~965万円
- 30~34歳 1,007万円~1,107万円
- 35~39歳 1,041万円~1,145万円
- 40~44歳 1,166万円~1,287万円
- 45~49歳 1,320万円~1,442万円
- 50~54歳 1,435万円~1,545万円
- 55~59歳 1,422万円~1,532万円
- 60~65歳 942万円~1,532万円
電通の初任給は24万円と一般企業と比べるとやや上です。驚きなのは20代後半からグッと年収があがり、900万円を超えていること、そして30代から1,000万円を超えています。クリエイティブかつレベルの高い仕事が求められる電通では妥当な給与体制ですね。
労働環境改革
- 22時以降の仕事を“禁止”する「全館消灯」
- 自律的取り組みを推進する休暇制度
- 会議クオリティアップ
- ハラスメントのない職場をつくります
- オフイスも、より働きやすく心地よく
- 初速を上げる現場ノウハウやツールの全社展開
- DENTSU NEW DAY
福利厚生
電通では社員がより良い環境で、働けるように休日制度、健康や保険をサポートしています。
休日/勤務体制
- 完全週休2日制
- 有給休暇(初年度に10日付与)
- 積立休暇
- 時間休制度(午前半休・午後半休、1時間単位での休暇取得が可能)
- フレックスタイム制度
- インプットホリデー(月に1日)
保険
- 社会保険(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険、介護保険)
- GLTD(団体長期障害所得補償保険)
- 生命保険、損害保険など、各種保険への団体割引加入が可能
厚生施設
- 健康管理センター(すべての事業所に社内医療施設あり)
- 社員食堂
- 電通会(サッカー部・バスケットボール部・ラグビー部・ヨガ部・ダーツ部など)
- 契約施設
- 八星苑・八星苑スタジオ
その他
- 独身者用借上げ社宅
- ベネフィット・ステーション
- ファミリーデー
- SOS総合相談グループ
- Yourコンシェルジュ
育児制度
- 出産休暇(男性社員は「妻の出産休暇」として3日間の休暇取得可能)
- 育児休業
- 未就学児看護休暇(年間10日)
- 家族看護休暇(年間5日)
- 母性保護休暇
- 全社部署を問わないフレックス勤務制度
- 勤務時間内の通院時間
- 妊娠中、育児中の時差出退勤(通常勤務時刻から前後1時間の間で変更が可能)
- 育児時間、育児勤務
- 育児のための時間外勤務の制限
- 育児のための深夜勤務の制限
- すくすくえいど
- 保活コンシェルジュ
- 在宅勤務
- 不妊治療休暇
電通の人材開発、研修制度
電通では、新人社員はもちろん、若手社員、全社員に向けて、さまざまな社員の成長支援プログラムを実施しています。一人ひとりが「一人前」を目指すために、1年目には「電通の今とこれからの仕事」を深く・速やかに理解できる講義を、2年目以降は具体的なビジネススキルを習得するなど、未来の自分へ投資できる場を設けています。
研修プログラム
1年目から5年目の若手社員までの研修プログラムをご紹介します。
新入社員プログラム(1年目)
電通という企業とそのビジネスを理解しながら、社会人としての基礎を1ヵ月間学びます。ビジネスマナーや業務概要、ビジネスプロデュース局現場実習・クリエーティブ演習・班ごとに課題解決にも取り組みます。
トレーナープログラム
新入社員の配属後は所属局の先輩がトレーナーになり、約1年間のOJTを中心に指導・サポートを行います。
若手年次別プログラム(2〜5年目)
電通の社員としての土台をつくる期間として、ビジネススキルやナレッジを定期的に学ぶ場を設けています。また自身の仕事を振り返り、自らを成長させていくキャリアプログラムもあります。
新入社員の育成スケジュール
- 4月1日入社セレモニー
- 新入社員研修
約1ヵ月間、一部のグループ会社同期とともに、電通社員としての基礎を身につけます。業務上知っておくべきビジネスマナーや電通の事業領域に関する講義や演習、現場での実習を行います。 - リーダー・サブリーダー
新入社員は複数の班に分かれ、それぞれに「リーダー・サブリーダー」と呼ばれる先輩社員2名が1年間新入社員の相談相手としてサポートします。 - 5月 配属
要員計画に基づいて、本人の希望・適性を鑑みて配属地・配属部署が決まります。 - フォローアップ期間
配属後も、業務を行うことで初めて生まれる不安や疑問を解消するためのプログラムなどを実施しています。また、新入社員の教育を担当する先輩社員(トレーナー)が、業務をサポートします。 - 10月 社員登用
電通で新卒として働くために
電通で新卒として働くためのポイントをおさらいします。
- 電通をどれだけ理解しているか
- ニーズや課題を聞き出す力、最後まで課題を解決できるか
- 電通で何がしたいか、その本気度と熱意
- 自分の言葉で「自分」をどのくらい伝えられるか
- チームの中で主体的に実力を発揮できるか
クリエーティブかつ、求められることのレベルが高い電通ですが、その分「やりたい」と思ったことを全力で応援してくれる会社です。常に刺激があふれ、電通にいればいるほど「成長」を実感することができます。
電通で働きたいと思う就活生は非常に多いと考えられます。その中で内定をつかみ取るには、「一緒に仕事をしたい」と思われることが大切です。もう一度、この記事を読み返し、電通が求める人材などを確認して、電通に新卒採用で入社するために、しっかり準備しましょう。電通の新卒採用情報をもっと詳しく知りたい方は、ぜひHPもチェックしてみてくださいね。