「好きなことを仕事にしたい」これは誰もが持つ憧れです。音楽が好き、趣味は音楽を聴くこと!という人にとって『音楽業界』はまさに憧れの世界でしょう。
しかし、音楽業界と聞いてもどんな仕事があるのか?市場規模はどのくらいなのか?景気には強いのか?などわからないことが多くでてきます。
そこで今回は、そんな疑問を解決すべく『音楽業界』について解説していきたいと思います。
- 音楽業界の今を分析
- 音楽業界の職種と仕事の特徴
- 音楽業界の有名企業
音楽業界に興味がある人は、この記事を参考にしっかり業界研究・企業研究を行ってから就活をスタートさせましょう。
音楽業界の今を分析
音楽業界の市場規模は縮小傾向に
日本国内だけでなく、世界的に見ても音楽業界の市場規模は縮小傾向にあります。
一般社団法人日本レコード協会の統計によると、日本国内での音楽ソフト(CDアルバム、CDシングル、アナログディスク、カセットテープ、音楽ビデオ)の総生産金額は、ここ10年間で約4割近くも減少しています。
また、全世界の音楽市場における総売り上げ(音楽ソフトパッケージ売り上げ、有料音楽配信売り上げ、演奏権収入、ライセンス収入総合計)についても、10年間で約3割もの減少が見られます。
Youtubeなどの動画配信によりCDが売れない時代に
音楽ソフトの売れ行きが世界的に不振となっている最大の理由は、Youtubeをはじめとした動画共有サービスの普及です。スマホやパソコンで誰もが簡単に動画を観ることが当たり前になったことで、アーティストのミュージックビデオや曲をいつでも視聴できるようになりました。
そのため、消費者は音楽コンテンツにあえてお金を払うことをしなくなったのです。
音楽業界は人の入れ替わりが少ない
音楽業界は他の業界とは違い、ディレクターなど「仕掛ける側」の人材が固定されています。そのため、新しいアイディアが生まれにくい状態が続いています。これが市場規模の縮小にさらに拍車をかけているのです。
「アイドルビジネス」の時代となった音楽業界
音楽業界は今、「アイドルビジネス」の時代です。現代において「この音楽が聴きたい」という理由だけでは、消費者はなかなか音楽コンテンツにお金を出そうとは思いません。
そこで、「自分の好きなアイドルを応援したい」「自分の好きなアイドルに関する特典が欲しい」といった「音楽以外の目的や動機」を持たせるアイドルビジネスが今の音楽業界の収益を支えています。
音楽業界の主な職種とその仕事
スタジオミュージシャン
レコーディングやライブの演奏面でのサポートをするのが、スタジオミュージシャンの仕事です。
経歴や学歴、資格など一切関係なく、楽器が演奏できれば誰でも目指すことができます。
作詞家/作曲家
レコード会社や音楽プロダクションの依頼を受け、曲を作るのが作曲家。そして、作曲家の作ったメロディに歌詞をあてていくのが作詞家です。
サウンドクリエイター
作曲家に近い職種ですが、サウンドクリエイターは効果音やBGMもつくります。ゲーム音楽制作やCM音楽制作など様々な場面で必要な音をつくっていく仕事です。
音楽プロデューサー
音楽プロデューサーになるには業界で圧倒的な実績が必要です。ミュージシャン、バンドマン、作曲家、作詞家などを経て結果的になることが多いです。(小室哲也・つんく♂・亀田誠治・小林武史・秋元康など)
ディレクター
プロジェクトの総監督である音楽プロデューサーのもとで、現場を仕切ったりアーティストのケアをするのがディレクターです。一度に数人のアーティストを担当し、レコーディングでは現場スタッフに指示します。また、新人発掘や育成などその仕事は多岐にわたります。
レコーディングエンジニア・ミキサー
録音時にマイクをセットしたり、ミキサー卓で音のバランスをとったりイコライジングなどを施すのがレコーディング・エンジニアおよびミキサーの仕事です。非常に繊細な仕事で、いかにアーティストやディレクターの理想とする音を作れるかどうかが求められます。
コンサートプロモーター
コンサートのすべてを取り仕切る、コンサートにおけるプロデューサー的な役割をするのがプロモーターです。
クライアントやアーティストとの交渉から始まり、コンサートの企画・制作、チケットの販売・管理、事前の宣伝・広報活動などを行います。
PAエンジニア
PA(Public Address)は「拡声装置」という意味で、PAエンジニアはコンサートの音響を操る技術者のことをいいます。アーティストの歌や演奏を客席にベストな状態で届けるために音響を調整するお仕事です。
レコード会社スタッフ
レコード会社に入社したあと、それぞれの部署に配属となります。
- A&R(アーティスト&レパートリー)というCD 制作のすべてを担う部署。
- アーティストのリリース情報をリスナーに届けるため、各メディアへの宣伝活動を行うプロモーター。
- アーティストのスケジュール管理から出演交渉まで行うマネージャー など
音楽講師・インストラクター
音楽専門学校、音楽教室、カルチャーセンターなど音楽を教えるお仕事です。独立して自分の教室を構えたり、音楽専門学校での講師、プロを目指す人への指導などそのレベルは様々です。
音楽業界でトップシェアを誇る企業5つ
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
音楽、映像、アニメ、ゲーム、マネジメント、ライブ、イベント、スポーツ、キャラクター、ソリューションビジネス等を多角的に展開する総合エンタテインメント企業です。
また、VR・AIなど、最新の技術を用いた「デジタルコンテンツ事業」や「電子書籍事業」「エキシビション事業」「エデュケーション事業」「スポーツエンタテインメント事業」など、新しいビジネスにも着手しています。
ユニバーサルミュージック合同会社
ユニバーサルミュージックは、世界60地域でレコード会社、ライセンシーを展開する、世界最大規模の音楽企業「ユニバーサル ミュージック グループ(「ビベンディ」の一グループ)」の日本法人です。邦楽・洋楽・クラシックス&ジャズなど、幅広いジャンルの音楽作品を生み出しています。
株式会社ポニーキャニオン
ポニーキャニオンは「フジサンケイグループ」傘下の映像・音楽ソフトメーカーです。「フジ・メディア・ホールディングス」の連結子会社で、映像・音楽グループに属しています。日本で初めて、ミュージックテープやビデオソフトの販売を行ったことで有名です。
キングレコード株式会社
キングレコードは、講談社の音楽部門として1931年に発足しました。演歌に強いレコード会社としても有名です。音楽業界におけるCDの売り上げが低迷し続ける中、16年間も連続で黒字を達成し、業績を伸ばしている企業です。
株式会社ワーナーミュージックジャパン
ワーナーミュージックジャパンは、世界3大レーベルの1つワーナーミュージック・グループ傘下の日本のレコード会社です。音楽制作、アーティストの宣伝、営業など、アーティストの発掘から音楽を世に売り出すまで、広く事業を展開しています。
「音楽」業界研究まとめ
いかがでしたか?今回は「音楽業界」について解説しました。音楽業界は時代によって変化の起こりやすい業界です。ただ音楽を発信するだけの時代ではなく「どんな人にどんな音楽を届けるのか」これを考え模索していく時代になってきています。
動画配信やスマホなどの普及により、音楽業界の市場規模は以前に比べると縮小しています。しかし、この現状を突破するような消費者の心を掴む新しいアイディアが生まれることで、音楽業界に新たな風が吹くことは間違いないでしょう。
音楽業界で働いてみたい人は、さらに業界研究や企業研究を進めて採用の切符を勝ち取ってくださいね。