「周りの学生がインターンに参加しているから、自分も参加しよう」と思ったものの、「どんな内容を書けばいいのかわからない」という学生は多いのではないでしょうか。
いざ応募理由を書こうと考えても、どこから手を付けていいのかわからない学生も多いと思います。
この記事では応募理由や志望動機の書き方やポイント、事前にするべきことなどもご紹介します。また、例文も載せていますのでぜひ最後まで読んでみてください。
事前にするべき3つのこと
応募理由や志望動機を書く前にするべきことを3つご紹介します。
自己分析
自己分析を一言でいえば、自分自身について整理することといっていいでしょう。
ご存じの方も多いかもしれませんが、自己分析とは「自分が何に興味を持っているのか」「どんな価値観を持っているのか」「何を大切にして生きているのか」を理解する分析のことです。
なぜ自己分析が必要なの?
インターンシップになぜ自己分析が必要なのでしょうか。
採用担当者に対して自分をわかりやすく伝えられるからです。
自己分析で自分自身の強みや弱み、特徴を知ることで自分を客観的に見られるようになります。
客観的に見ることで、冗長にならず端的に伝えられるでしょう。
自己分析の一例をご紹介します。
大学生活ではコーヒーショップでのアルバイトを頑張りました。早朝のシフトで6時スタートだったが4年間続けられました。
・なぜコーヒーショップでアルバイトをしたのか?
コーヒーが好きだったから。
・なぜ好きなのか?
コーヒーの香りが好きで癒され、気分転換にもなるから。
・なぜ4年間続けられた?
毎朝コーヒーを買いに来てくれる常連さんが私のことを覚えてくれて、声をかけてくれたから。
・アルバイトの経験からどんなことを学んだ?
お客さんとのコミュニケーションが大切なことを学んだ。お客さんにとって、私とのやり取りが毎朝のルーティンになっていることが私のルーティンにもなっていて、仕事が楽しくなり仕事の醍醐味になった。
→深掘りの結果、「人との生活に密着した仕事」「企業や店舗のファンを育てる仕事」を好む志向性がわかりました。
このように、志望動機を書く前に自己分析を実施することで、強みと弱み、価値観がわかり、自分の強みが活かされる職業は何なのかを知れます。
どのような方法で自己分析をするか?
さきほど、簡単な自己分析の一例をご紹介しました。
自己分析や性格診断は、マイナビやリクナビなどのアプリなどで診断できます。
そのほか、Webサイト上で自己分析できる診断ツールもありますし、大学内のガイダンスや授業、就活系のイベントで自己分析セミナーに参加すれば診断できます。
業界研究
自己分析が終わったら、次は業界研究をしましょう。
何のために業界研究をするのか?
何のために業界研究をするのかご存じでしょうか。
業界研究をするのは、各業界の種類や特徴について知識を深め、最終的には自分の志向や素養にマッチする企業を見つけ出すためです。
自分の志向や素養と企業の求める人物像がマッチしなかった場合、残念ながら採用される確率は低いからです。
いくら優秀な人材であっても企業の求める人物像でなかった場合は、インターンシップの選考突破をするのは厳しいでしょう。
志望する業界の理解を深めるため、さらにその業界で働くイメージを付けるために業界研究をして、自分に合った業界か見極める必要があるのです。
なお、メリットだけに目を向けるだけでなく、デメリットや今後の情勢についても調べてみるといいでしょう。
業界研究で情報を集める方法
業界研究で情報を集める方法を下記にご紹介します。
- 就職情報サイト
- 業界研究セミナー・合同企業説明会
- 新聞・雑誌・業界研究書籍
一つずつご紹介します。
就職情報サイト
就職情報サイトとは、学生の就職活動に関することすべてをバックアップする情報サイトです。
採用情報だけでなく、業界の詳細も調べられ就活に役立つ情報も得られます。
業界研究セミナー・合同企業説明会
業界研究セミナーは、業界について理解を深めることが目的です。
業界研究セミナーには大学主催、地方自治体が主催、企業が独自に主催するセミナーなどがあります。一つずつご紹介します。
- 大学が主催するセミナー
1つ目は、大学の生協やキャリアセンターなどが主催するセミナーです。
大学のOB・OGを招いて、実際に働いている業界や企業について説明します。大学で開催されるので気軽に参加でき、同じ大学の先輩なので質問もしやすいです。 - 地方自治体が主催するセミナー
2つ目は、各地域の商工会議所やハローワークが主催するセミナーです。地元の有力企業を招き、各業界や企業について説明します。
地元で就職したい学生にはオススメです。
参加企業も多い傾向にあり、たくさんの企業の話を聞けるので、志望業界を絞れていない学生には有益なイベントです。 - 企業が独自に主催するセミナー
3つ目は、企業が独自に主催する業界セミナーです。大手企業単独開催や関連会社を含めて複数の企業が参加します。
すでに志望業界が決まっている学生や特定の企業について理解を深めたい学生にオススメです。合同企業説明会は、参加企業の魅力を知ってもらうためのイベントで、就活情報サイトや大学、地方自治体などが全国各地で行なっています。会場に設置された企業ブースで学生に向けて、会社概要や事業内容、先輩社員の話を紹介する説明会や講演形式の会社説明会が行われることもあります。
新聞・雑誌・業界研究書籍
新聞などでタイムリーな情報を入手できるのがメリットです。
面接で時事問題を質問される場合もありますので、社会情勢には常にアンテナを張っておきましょう。
業界研究の3つのポイント
業界研究のポイントを3つご紹介します。
①業界全体像を知る
まずは、どのような業界があるのか全体に目を通しましょう。
簡単に把握できるものではないですが、業界を分類に分けることで社会構成の要素が掴みやすくなります。
②業界の深掘り
業界研究をするにあたって、興味がある業界ばかりではないはずです。興味がない業界でもいろいろとみていくうちに興味がわくかもしれません。
そして興味のある業界が見つかったら絞り込んで調べていき、その業界の特徴を探してみましょう。
③業界の動向分析
業界の動向分析は、業界の安定性、成長性を把握するために行ないます。
業界の市場規模や成長率に関するデータを参照し分析しましょう。
PEST分析をすれば、業界の動向を多角的に捉え、情報を整理して成長性をはかれます。
PEST分析とは
企業研究
次に、企業研究についてご紹介します。
何のために企業研究をするのか?
何のために企業研究をするのかご存じでしょうか。
企業研究とは、志望した企業に関する情報収集や分析を行うことです。
自分が入社したい企業であるかの判断や企業の特徴を理解し、自分との相性を見極めて選考を突破するためです。
「なぜこの企業で働きたいのか」「この企業で何をしたいのか」を具体的に説明できるようにしましょう。
加えて、採用担当者が納得ずく志望動機や自己PRを作成します。志望する企業にしかできないことを盛り込むとよりいっそういいでしょう。
そこまで仕上げるには企業に対する理解が必須となりますので、企業研究は欠かせないものです。
企業研究で情報を集める3つの方法
企業研究で情報を集める方法は以下の3つです。
- 企業の情報収集をする
- 企業の特徴を洗い出す
- 自分とマッチするか見極める
一つずつご紹介します。
1.企業の情報収集をする
下記に情報収集の方法をご紹介します。
- 企業のホームページやパンフレット、書籍を活用
企業のホームページやパンフレット、書籍にて情報収集をしましょう。
採用情報、事業内容、企業理念、求める人物像なども記載している場合もあります。
書籍でも情報収集ができます。「業界地図」「会社四季報」「帝国データバンク会社年鑑」などです。大学のキャリアセンターや図書館に置いてありますし、複数の企業を比較検討するのにオススメです。
- OB・OG訪問
大学の先輩であるOB・OG訪問を活用し情報収集しましょう。
業界研究でも調べられなかった情報や貴重な生の意見を得られ、公式な場では聞きづらいような情報も気軽に質問できる貴重な機会です。
下記のような質問項目として先に挙げておくといいでしょう。
- 業務内容
- 一日の流れ
- やりがい・大変なことは何か
- 社内の雰囲気
- 待遇
- 企業研究をどのようにおこなったか
- 何を基準に志望企業を決めたか
質問する際にスムーズに聞くことができますね。
- 会社説明会
会社説明会とは、各企業が志望者に対し自社をより知ってもらうために開催するイベントのことです。
実際にその企業で働いている社員から話を聞けるので、業界や企業の雰囲気・様子を知れます。
リアルな話も聞けるかもしれませんね。
- 競合他社を調べる
競合他社を調べるのは、同じ業界でその企業がどのような立ち位置なのか知れるからです。
売上高、資本金、営業利益、従業員数から事業規模の違いがわかります。業態や取引先・販売先の違い、専門か総合かも知っておくといいでしょう。
さらに、同じ業界には多くの企業があるのに、なぜこの会社のインターンシップに参加したいのか、明確にすることで志望動機を書く際に他者との差別化ができるでしょう。
2.企業の特徴を洗い出す
企業の情報を集めた後は、各企業ごとの特徴を掘り下げていきましょう。
下記にポイントをご紹介します。
- 企業を代表する人物
代表取締役社長の氏名・経歴・代表メッセージを読んでおきましょう。 - 企業理念
企業理念や精神を大切にしている企業も多くありますので、理解しておきましょう。 - 設立年・資本金・株式公開・事業拠点
会社の歴史や事業規模を把握し、事業拠点で転勤の可能性をイメージできます。 - 事業内容
企業がどうやって利益を得ているのかの仕組みを理解し、商品やサービスは何か、詳細に調べれば企業の強みを把握できます。 - 業績・成長性
業績を調べることで規模を理解できます。
売上高は高くても営業利益が他社と比較して低いこともあります。その逆で売上高が中堅クラスであっても高い利益を出している企業もあるでしょう。 - 景況・経済動向による影響度
過去を追いながら、景況・経済動向による影響度を調べます。企業の体力、売上、利益の仕組みの理解が深まります。 - 社風
年齢や男女別の人員構成や職場の雰囲気、教育・育成環境などの組織風土を理解すれば、企業が求める人物像もわかってきます。 - キャリア形成の環境
どのようなポジションで仕事をするのかイメージするための材料となります。 - 職種
入社後に配属される部署、職種はどのようなものか。求められるスキルと自分の強み・経験がマッチしていればアピールできます。 - 勤務条件
実際に働く中で直接影響のあるポイントです。チェックしておきましょう。
3.自分とマッチするか見極める
最後に自分が求めていることと企業が求めていることを見極めるための方法をご紹介します。
その企業について自分が「よいと思う点」「気になる点」を挙げ、自分の志向や素養と照らし合わせて、自分に合っているかどうかを分析します。
自分の志向と合わない企業に入社してしまわないようにしっかり見極めることが大切です。
志望動機何を書けばいいの?
インターンシップに参加する際、志望動機を質問されることが多くあります。
しかし、志望する業界や企業が決まっている学生ばかりではないでしょう。
ここでは、すでに志望する業界や企業が決まっている場合と決まっていない場合の志望動機の書き方をご紹介します。
志望する業界や企業が決まっている場合
すでに志望する業界や企業が決まっている場合の志望動機作成のポイントを3つご紹介します。
1.参加したい理由を明確にする
インターンシップは業界・企業研究があまり進んでいない状態の学生の応募が多いため、志望度よりも「目的意識があるかどうか」を見られることが多いです。
参加したい理由を明確にするには、インターンシップに参加することを考えはじめたときを振り返ってみましょう。
2.インパクトを強くする
これまでの経験、将来やりたいことから自分にしか書けない志望動機を作成できます。
それらを志望動機に盛り込むことで、ありふれた志望動機よりもインパクトが強くなり、採用担当者の目にとまる可能性が高くなります。
3.インターンシップで学びたいこと、身につけたいことを書く
インターンシップで得られる学びなどの目的を志望動機に盛り込みましょう。
その企業なら何を学べるのか、経験できるのかを明確にして、自分の参加目的と照らし合わせてアピールします。
「実際の業務内容を知りたい」「社風が自分にマッチするか確認したい」と書いてもいいでしょう。
ポイントは、前向きな姿勢が伝わる内容になっているかです。
志望動機がしっかりしていると、真摯な姿勢でインターンシップに申し込んでいると採用担当者に伝わります。
インターンシップに参加したい企業独自の特徴やその企業でないと経験できないことを交えて、作成してみましょう。
志望する業界や企業が決まっていない場合
志望する業界や企業が決まっていない場合の志望動機作成のポイントを2つご紹介します。
1.自分自身に「なぜ?」と問いかける
インターンシップ参加の志望理由が「業界を理解するため」「仕事を経験するため」のように漠然と思っている学生も多いのではないでしょうか。
そう思っているのであれば、自分自身に「なぜ?」と問いかけてみましょう。
「なぜその業界を理解したいのか?」「なぜその仕事を経験したいのか?」問いかけているうちに自分の軸がわかってきます。時間はかかるかもしれませんが、常に自分に「なぜ?」と問いかけてみましょう。
自分が今までの環境の中で、合う環境、合わなかった環境を言語化してみるのも効果的です。言語化してみて、それに合う環境の会社があるかマッチングさせてみましょう。
そのためには、自分が興味を持ったキーワードについて明確にすることです。
2.正直に参加目的を書く
「業界を理解するため」「仕事を理解するため」インターンシップに参加する学生も多いでしょう。
その場合は、正直に「業界を理解するため」「仕事を理解するため」と参加する目的を書くのも一つです。
志望動機を書く上で注意すること
志望動機を書く上で注意すべきことは、冗長的な文章になっていないかという点です。
志望動機を書き始める際は、結論から書き出すよう意識してください。そこでおすすめなのが「PREP法」です。PREP法を使えば、要点が伝わりやすく、読み手のストレスも軽減できます。
PREP法
結論を書き、その後理由や具体例を述べ、最後に要約をすることです。
冗長的な文章ではなく、一文を短くしましょう。
PREP法を意識して書く方法
- 結論ファースト
自分の伝えたいことを最初に書く。 - 具体的な理由・エピソードを交える
結論を述べた後、「なぜそう思ったのか」理由とエピソードを一緒に述べて根拠づけをします。 - 要約まとめ
再度結論をまとめて書きます。
ポイント
自分の言葉で書きましょう。
自分の気持ちで書く方が気持ちを込めやすくなり、相手にも思いが伝わりやすくなります。
採用担当者が見ている3つのポイント
採用担当者は学生のどんなところを見て採用しているのか3つのポイントをご紹介します。
1.学生の人柄や人間性
質問されることの多い「自己PR」「志望動機」は「自分自身のこと」「参加目的」を見極めるための質問です。
自分の強みや価値観が伝わるように「どのような行動をとってきたか」「どのような経験があるのか」を具体的に伝えられるように意識しましょう。
2.意欲や熱意
企業は、志望度が高くてやる気がある学生を採用したいと考えています。
学生はインターンシップで具体的なビジョンや企業への興味などを積極的にアピールしましょう。
そのために、業界でどんなことをやってみたいか考えておくことをオススメします。
3.企業が求める人物像とのマッチ度
企業の社風と学生の志向や素養がマッチしているかを見ています。
さらに、求める人物像にマッチしていないと、どんなに優秀な人材であっても選考を突破できない可能性があります。
企業の社風や求める人物像を理解し、アピールを心がけましょう。
志望動機の例文をご紹介
応募理由や志望動機の例文をご紹介します。
【コンサルティング業界】
私が貴社を志望する理由は、自分が描くキャリアを実現できると考えたからです。私は大学生活において4年間塾講師や家庭教師のアルバイトを経験し、担当生徒と全力で向き合い、受験を乗り越えました。生徒たちに感謝された体験をきっかけに、人から必要とされるプロフェッショナルになりたいと考えるようになりました。そのために特定の分野において専門知識を有し、課題解決能力を高める必要があると考え、企業の課題解決のプロであるコンサルタントという職業に興味を持ちました。数多くあるコンサルタント企業の中でも貴社に興味を持ったのは、貴社には「〇〇〇〇」という文化が根付いており、自分の得意分野や興味のある分野で挑戦できると感じました。
【金融業界】
私は大学に奨学金を借りることにより大学で学べ、財政面の援助の重要性を実感しました。銀行では財政面の援助により企業や個人の可能性を広げているのではないかと感じています。その中でも法人営業は日本の中小企業への支援を行い、支えているため興味を持ちました。そして、インターンシップシップを通じて、普段の業務内容や〇〇としての役割を学びたいと思っております。
【まとめ】自身の人柄や参加目的を明確にアピール
ここまでインターンシップ参加の応募理由や志望動機の書き方についてご紹介してきました。
応募理由や志望動機を書くためには自己分析や業界・企業研究などが重要なポイントです。自分自身に向き合って、掘り下げてみることで自身の人柄やインターンシップの参加目的を明確にできるでしょう。
応募理由には人柄や人間性、目的意識を盛り込み、自分自身を最大限にアピールできる志望動機を書けるよう臨みましょう。