「グループディスカッションって対策できるものなの?」
「グループディスカッションってコツとかあるの?」
グループディスカッションは、人によって得意・不得意が大きく分かれる採用方法です。しかし、不得意と感じるのは、グループディスカッションの経験がなく具体的なイメージが沸かないことが原因の一つだと言えます。
グループディスカッションは対策ができます。また、選考を突破するためにコツもあります。
この記事では、グループディスカッションとはどのようなことをするのか、ディスカッションの内容や進め方、取り扱うテーマの例、役割の種類とすべきこと、役割決めのコツ、グループディスカッションの対策方法についてご紹介しています。ぜひ、お役立てください。
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グループディスカッションとは
グループディスカッションとは、就活における選考方法の一つです。一般的に5名程度のグループで行われ、あるテーマでディスカッションし、グループ内で意見をまとめてプレゼンするといった内容です。
企業側は短時間で学生の技量を測れる
グループディスカッションをする理由は、採用担当が短時間で大勢の学生を見ることができ、同じ尺度で評価できるといったことがあります。そのため、グループディスカッションは選考の最初の方で実施されることが多く、対策をしている就活生とそうでない就活生で大きく差が開く選考でもあります。
グループディスカッションの種類とテーマ
グループディスカッションには5つのタイプがあります。
- 抽象的なテーマを考察するタイプ
- 具体的なテーマを考察するタイプ
- グループ内でディベートするタイプ
- 仕事のシミュレーションをするタイプ
- インバスケット(優先順位を決める)タイプ
①抽象的なテーマを考察するタイプ
抽象的なテーマを考察するタイプのグループディスカッションとは、答えがないテーマについてグループ内で意見を出し合い、結論を導き出すといった内容です。個人の発想や価値観が問われるため、結論が出にくいタイプのディスカッションと言えるでしょう。
【テーマの例】
- 幸せとは何か?
- この部屋を模様替えするならどうするか?
- 就活を一言で例えると?
- 100万円を渡されたらどうするか?
こういった答えのないテーマについて議論して何らかの結論を出さなければならない時は、出した答えに至った理由まで個々が発表し、その理由の共通点についてみんなで考察していくと結論が出やすくなります。
②具体的なテーマを考察するタイプ
具体的なテーマを考察するタイプのディスカッションでは、実際に起きている社会問題や企業のサービスなどについて考察します。感想や価値観を述べるというよりは、説得性があり根拠のある解決策にまとめなければなりません。
【テーマの例】
- 少子高齢化が進んでいる理由とは
- 情報格差の問題点と解決策とは
- 会社の新しいキャッチコピー案
- ○○という商品がヒットした理由とは
- TVCMで○○さんを起用した理由とは
このような具体性を持ったテーマを扱う場合は、リアルさが求められます。各自の意見からは結論を導き出すとともに、結論に至った説得ある理由を提示していきます。
③グループ内でディベートするタイプ
ディベートタイプのグループディスカッションとは、ある一つのテーマに対して賛成派と反対派、AとBなど、すでにある答えに割り振られて議論を行うといった内容です。このタイプのディスカッションはヒートアップする傾向があり、相手を否定せずに冷静に進めていくことがポイントです。ディベートは勝ち負けを争うものではないため、相手の意見を理解しようと前向きな気持ちで行われるべきです。自分の意見ばかりを押し通すような人は採用担当からも良い評価は得られませんし、空気が悪くなる一方です。ですが、グループ内にそういったクラッシャー気質の人がいたとしても全否定はせず、それを踏まえた上でどう進行していくかが評価の分かれ目となるでしょう。
【テーマの例】
- 和食派と洋食派
- 朝食を食べる派と食べない派
グループディスカッションを行う場合は、自分が置かれた立場での見方だけでなく、相手の立場ならばどう議論するか?ということを考えます。相手の立場になった時に「これには突っ込まれたくないな…」と思う弱みを見つけるのです。これは、相手を言いまかすのが目的ではなく、弱みを知り、その解決策を考えることで、よりよいサービスや商品の向上につなげるといった実際のビジネスシーンで役立つことだからです。最後に結果をプレゼンする時、チームの意見を集約してまとめる力も試されるでしょう。
④仕事のシミュレーションをするタイプ
企業にまつわる仕事のシミュレーションをするタイプのグループディスカッションは、理想論だけでなく現実的な問題についても考えられるかどうかがカギとなります。
【テーマの例】
- 新店舗のオープンシミュレーション
- 新しい事業開発のシミュレーション
- 新商品開発のシミュレーション
新しい事業やサービス、商品を開発するといったテーマを取り扱う場合、まずはターゲット(ペルソナ)を明確にします。また、どのようなマーケットで売り出すか、どういった部分にコストがかかるかなども考察します。持続可能な開発目標(SDGs)も盛り込むと好印象でしょう。
⑤インバスケット(優先順位を決める)タイプ
限定された時間で、未処理の案件をスピーディーかつ的確に処理していくディスカッションをインバスケットタイプと呼びます。インバスケットはもともとビジネストレーニングや昇格試験として使われているもので、現場で起こりうるクレーム対応を制限時間内でシミュレーションし、優先順位設定力、問題解決力、洞察力の向上を目指します。それにより、自分のスキルに自信をつけるという結果も期待できるのです。また、インバスケットトレーニングには正解がなく、プロセスが重視されるのも特徴の一つです。
グループディスカッションでは、ある事柄の優先順位を決めていくといったテーマが採用されます。
【テーマ例】
- 無人島に持っていくとしたら?(ナイフ・懐中電灯・ロープなど)
- 仕事のタスクを処理する順番は?(クレーム対応・後輩指導・明日の会議準備など)
インバスケットはスピーディーに実施する必要があるため、グループディスカッションの場合は回答する順番をあらかじめ決定しておくべきです。また、選択肢の中には優先順位が低いものも混ざっているので、重要度の高さと緊急性の高さでそれぞれの項目を振り分けていくと良いでしょう。
グループディスカッションの進め方と役割決めのコツ
グループディスカッションの種類とテーマをご紹介しましたが、進め方の大枠は変わりません。テンプレートとして覚えておきましょう。また役割も同様です。進め方のコツと役割決めのコツもご紹介します。
グループディスカッションの流れ
グループディスカッションの流れは、タイムスケジュールを決めたあと、目的・問題点を出し、議論を進めていきます。タイムスケジュールに沿って進行していき、意見の集約を行いプレゼンに臨みましょう。
- タイムスケジュールの決定
- 目的と問題点の確認
- 議論
- 意見の集約
- プレゼンテーション
グループディスカッションの進め方のコツ
グループディスカッションが成功するか否かは、タイムスケジュールの決定が全てだと言えるでしょう。タイムスケジュールを設定せずに具体的な議論に突入すると、時間が足りず失敗するリスクが高まります。また、タイムスケジュールが決定したからといってすぐに議論へ進まず、この議論のゴール地点と問題点についてメンバーと共有し、確認しましょう。話が逸れてしまったり、結論がまとまらないという事態を防ぐことができます。ここまでの一連の作業を終えてからディスカッションをスタートさせてください。
グループディスカッションの役割
グループディスカッションは5名程度で実施されるのが一般的です。役割は司会進行役、書記、タイムキーパー、監視役、サポート役に分けられます。
- 司会進行役
- 書記
- タイムキーパー
- 監視役
- サポート役
司会進行役は、文字通り議論を進行させ、整理を行う役割です。メンバーが均等に発言できているかを一歩引いた立場で見渡し、発言を促す役割も担います。リーダーシップが取れているか、協調性があるかという部分が評価されます。
書記は、議論内容を要約して記録していく役割です。ただ発言内容を書くのではなく、メンバーの発言を読み解く力が問われます。また、状況把握能力や論理的思考も必要になります。
タイムキーパーは、決定したスケジュール通りに進んでいるかを確認する役割です。ただ単に残り時間を報告するのではなく、議論の進行具合を操作する計画性や、時間通りに進まなかった時に臨機応変に対応できるかどうかも評価されるポイントです。
監視役は、第三者目線となって話の進行や論点がずれていないかを見守りつつ、議論で盲点となっている部分を指摘する役割でもあります。指摘すべきタイミングで指摘できているか、空気を悪くすることなく指摘できるかといった協調性も必要です。
サポート役はそれぞれの役割を担当する人が手一杯になった時、また、問題に気づけていない時にサポートする役割です。グループ全体を把握し、オールマイティーに対応できる能力が問われます。
グループディスカッションの役割決めのコツ
役割決めで時間が取られるのはもったいないですので、あらかじめ自身の得意な役割に優先順位をつけておき、タイムスケジュールを決定する前に挙手制でサクッと決めてください。グループディスカッションの対策ができていないと感じたメンバーがいても置き去りにすることなく、「この役割はどうですか?」などと提案をしてグループ全体が良い雰囲気になるように努めてください。敵対意識を持つことなく歩み寄ることが、役割極めで失敗しないコツです。
グループディスカッションで採用担当が見ていること
採用担当にとって、グループディスカッションは一度に大勢を見ることで同じ評価尺度で判断できるというメリットがあります。
採用担当がグループディスカッションで見ていることは、個々のスキルもさることながら、大前提として今後一緒に働くメンバーとして適正かどうかを判断しています。グループディスカッションへ一生懸命に参加しているか、熱意を持って取り組んでいるか、最後まで諦めずに臨んでいるかといった点は、どの役割においても共通に見られている部分です。それを踏まえた上で、以下のような個々のスキルも判断しています。
- コミュニケーションがとれているか
- リーダーシップがとれているか
- 協調性があるか
- 積極的かどうか
コミュニケーションはとれているか
コミュニケーションがとれている状況とは、人の話を聞けている、信頼関係ができている、自分の意見を伝えられているといった状況です。自分は果たしてコミュニケーションがとれているのか?ということを判断するには、「自分と一緒に働きたいと思うか?」を俯瞰して見てみてください。なかでも人の話を聞く力があるかどうかは、社会人1年目にとって特に大切な要素です。
リーダーシップがとれているか
リーダーシップのある人と言えば、グループを率いるバリバリ系の人を想像しがちですが、採用担当が見ているリーダーシップ性とは、グループ全体で良い結果を残そうと努力できているかどうかです。グループディスカッションでリーダーシップを発揮できる役割と言えば司会進行役が思い浮かびます。しかし、司会進行役は表舞台に立つよりも実は裏方の仕事です。テレビ番組で例えるなら、MCではなく、カメラの後ろで指示を出すディレクターの立ち位置となります。そう言った意味で、リーダーシップというのは司会進行役だけでなく全ての役割に存在するのです。
協調性があるか
協調性は、メンバー同士で協力し合いながらディスカッションを進行させられているかどうかが見られます。ここで勘違いしてはいけないのが、「協調性がある=仲良しごっこ」ではない、ということです。グループとして良い結果を目指すためには、時には正論を述べる必要がある場面もあるでしょう。ですが、相手を真っ向から否定するのではなく、相手の立場を考えて発言できているかどうかという空気感が大切なのです。
積極的かどうか
周りに言われたから動く、ディスカッションに参加せず傍観しているというような、受け身の姿勢を貫いているのでは良い印象を与えられません。だからと言ってガンガン前に出て意見を出せば良いということもありません。積極的に参加する姿勢があるかどうかが重要なのです。ディスカッション全体を把握し、担当している役割で今何ができるのか?を考えましょう。
選考を通るためのグループディスカッション対策
グループディスカッションは、誰とどのようなテーマで行われるかが当日までわからないので、その場で乗り切るものだと思っている就活生も多いと思います。しかし、グループディスカッションは対策できるものです。グループディスカッション選考を通るための対策についてご紹介します。
役割別にすべきことを知る
自分がどの役割になっても良いように、役割別にすべきことを知っておきましょう。また、どのようなことに気をつけ、どのような着眼点を持っておくべきかもリサーチしておいてください。自分の得意・不得意もあるかと思いますので、役割に順番をつけておき、役割決めの時にパニックにならないように対策しておくことをおすすめします。
就活生同士で練習をする
就活生同士で実践練習すると、想像だけではわからなかった盲点が浮き彫りになります。なぜそのような結果になってしまったか?ということもディスカッションをし、本番でベストが出せるように準備しておいてください。
練習風景を動画に撮り反省点を出す
グループディスカッションの練習の様子は動画に撮っておき、第三者目線で反省点を見つけていきます。例えば、話し方の癖や話す速度、座り方、身振り手振りなどは動画で見て初めて気づけるポイントです。
日常生活の立ち振る舞いに気をつける
グループディスカッションで話が打ち解けていくと、緊張感がほぐれ、声が大きくなってしまったり、タメ口が出てしまったり、あるいは足を組んでしまったりと、特に後半になるにつれて素の自分が出てしまいがちです。
このようなリスクを少しでも低くするため、日常生活の立ち振る舞いから気をつけていきましょう。
【まとめ】グループディスカッションは対策ありき
グループディスカッションは対策ありきです。あらゆるテーマに対応できるように、日頃からニュースや新聞に目を通すようにしたり、他人や幅広い物事に興味を持って想像力を養っていきましょう。また、わからないことがあれば調べる癖をつけ、相手の立場になって考え、毎日の時間管理を意識することも、グループディスカッションの対策に繋がります。